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| 連載/2023年3月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パンの量目維持派と価格維持派の消費行動について考えてみました - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(69) | |
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今月号のアンケート企画で気になることがありました。原材料高騰でパンの原価が上がった時に、量目をそのままにして価格を上げるか、価格をそのままにして、量目を減らすかのいずれかの選択肢が考えられますが、それらのどちらが望ましいかについての消費者の意見が、ほぼ半々に二分されることがわかったのです。
私はそれまで、パンの量目は変えずに、価格を必要な分だけ上げた方が、消費者には受け入れられやすいのではないかと推察していました。しかし、アンケートでは、「量目を減らして価格は据え置いてほしい」という趣旨の声もかなり多かったのです。(実際は量目以外に品質も絡んできますが、話を分かりやすくするために今回は品質については考えないことにします。) 量目をそのままにして、粗利が同じになるように値上げした場合、販売個数が同じであれば、値上げ前と値上げ後の粗利は当然ながら同じです。 一方、価格を据え置いて、粗利が同じになるように量目を減らせば、値上げ前と値上げ後で、売上金額が同じであれば、当然ながら、粗利も同じです。 粗利を維持することを主眼に置いた場合、いずれの選択もありうるということになりますが、実際にはどうでしょうか。2つの選択肢について、店側から見たメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。 まず、量目を変えずに価格を上げた場合についてですが、この場合の最も大きな問題は、販売個数が維持できるかということです。本誌がこれまで「パンの値上げ」のテーマで行ってきた取材では、値上げをして販売個数が全く減らなかったという話は皆無でした。販売個数が維持できないのであれば、粗利の総和の減少がどれぐらいまでなら許容できるかを考え、必要であれば値上げ幅の調整もしなくてはならないでしょう。 販売個数が維持できない場合でも、それが特定の減少幅までであれば、売り上げは維持できますが、粗利の合計を維持するためには、やはり値上げ前の販売個数を維持するしかありません。ですから、値上げ幅と、販売個数減少の間の相関関係を、ありとあらゆる手段を使って調べた上で、粗利の総和が最大となるような値上げ幅を模索する以外に方法はありません。このことは、言い換えれば、原価が上がった分を店と顧客がどれくらいの割合で負担したときに、粗利の総和が最大になるかを考えることだということになります。 次に、価格を据え置いて量目を減らした場合について考えてみます。この場合は、売上額(販売個数)が同じであれば、粗利の総和を同じに保つことができます。問題は、1個の量目を減らしたことを、顧客がどう捉え、販売個数にどのような影響が出るかです。 若い時に比べて食べる量が減ってきたという年配者は、パン1個の量目が少し減ることを歓迎するかも知れません。また、沢山の種類のパンを食べたいという人も、価格を維持して1個の量目を少し減らす方がいいと思うかも知れません。 一方で、食欲旺盛な若者なら、1個の量目が減るのは我慢できないかも知れませんし、かといって、1・2個とか1・3個を買うことはできないので、1個の量目が同じで価格が上がったパンを選ぶかも知れません。または、もうパンは買わずに他の食品に目を向けるかも知れません。 以上、消費者には量目維持派と価格維持派の両方が相当数存在することが分かったことを受けて、色々と考えてみました。前述のように私は、量目維持派が多いだろうと思い込んでいたのですが、考えてみるとそれにもある程度の根拠はあるのです。つまり消費者は、なんの断りもなくパンがいつのまにか小さくなっていることには違和感を覚えるということです。価格が上がれば、それ自体が消費者への告知になりますが、量目が中途半端に減っていると、消費者は、騙されたような気分になるのではないでしょうか。(RO) |



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