客に寄り添って進化していきたい - サンセリテ祖師谷店 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2022年8月号

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客に寄り添って進化していきたい - サンセリテ祖師谷店
店長の中村竜一さん
商店街の一角にある「サンセリテ祖師谷店」は駅から徒歩2分という立地
「大地の旨味食パン」(左)と「天熟食パン」(右)。「大地の旨味食パン」は3年前のベーカリージャパンカップで優勝した話題性もあり、土産用に購入する客も多い
「コンビーフのパニーニ」(税込410円)や「バーニャカウダのスキャッチャータ」(税込324円)など総菜系のパンが豊富
「コンビーフのパニーニ」(税込410円)
「香味チキンバーガー」(税込432円)
人気3商品はどの店舗でも共通

 東京・世田谷区の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅北口から続く、祖師谷商店街の中に、ベーカリー「サンセリテ祖師谷店」はある。同店の並びにはコンビニやドラックストア、向かいには食品スーパーがあり、一日中活気に満ちている。
2019年のオープン以来店長を務めるのは中村竜一さん。それまで埼玉県狭山市にある「サンセリテ本店」で腕を磨いた。世田谷区内にはサンセリテ初の支店として2016年にオープンした「サンセリテ北の小麦」と、7月6日にオープンしたばかりの「プロフィテ サンセリテ」もある。
 「各店それぞれ、お客様のニーズに違いを感じますね。でも人気の上位3アイテムは共通していると思います」(中村さん)
 人気の3商品のまず一つ目は、ホシノ天然酵母を使用し15時間以上熟成させた生地を焼き上げる「天熟食パン」(税込345円)。マスコミでもよく取り上げられるサンセリテの看板商品だ。二つ目は、北海道十勝産小麦100%使用の生地にバターを巻き込んで焼き上げる「塩バターロール」(税込162円)。三つ目は、ワインを加えじっくり煮込み深みのある味に仕上げた自家製キーマカレーを、フランスパン生地で包んだ「天然酵母のカレーパン」(税込237円)だ。
 「これらは、私がパンを好きになるきっかけをくれた商品でもあります。サンセリテに入社する前、別のベーカリーに勤務していたのですが、そこでは冷凍生地を扱っており、仕込みは行っていませんでした。今思えばパンに対してこだわりもなく、仕事として割り切って働いていましたね。ところが、転職を決意してサンセリテの面接を受け、高田社長からお土産として頂いた『天熟食パン』や『天然酵母カレーパン』を食べたら、『こんなにおいしいパンは今まで食べたことがない』と驚きました。パンの概念がガラッと変わりました。サンセリテで、天然酵母を使用したパンのおいしさに出合って、初めて心からパンが好きになったんです」(中村さん)

総菜系が約7割を占める品揃え

 店舗は間口がやや狭く奥行きのある形で、売り場は定員が5人で約4坪。所狭しと約80〜100種類のパンが並ぶ。その約7割を占めるのは、総菜系のパンだ。
 「客層の中心は主婦の方ですが、夕方以降は学生の方や仕事帰りに寄られる方が目立ちます。総菜系のニーズは夕方以降もあるので、昼時だけでなく、一日中並ぶように作り続けています。サンド系の一番人気は『香味チキンバーガー』(税込432円)で、続いて『コンビーフのパニーニ』(税込410円)もよく出ます」(中村さん)
 南蛮だれをかけたフライドチキンをバンズにサンドした「香味チキンバーガー」は、胡麻油とネギの香りが食欲をそそる。「コンビーフのパニーニ」は、キャベツの甘味と、チーズとコンビーフの塩気が絶妙だ。サンド系はほかにも、牛乳と卵を使用したふんわり食感のコッペパンに、自家製焼きそばをサンドした「焼きそばパン」(税込302円)や、同じくコッペパンサンドの「コロッケコッペ」(税込302円)などもあり、コッペパンは長さ約20センチでボリューム満点だ。
 このようなサンド系のほか、5種類の野菜をトッピングして焼き上げた「バーニャカウダのスキャッチャータ」(税込324円)や「アンチョビ&オリーブのスキャッチャータ」(税込324円)などの焼きこみ調理パンも種類が豊富。商品名に「スキャッチャータ」が入った商品に使用しているスキャッチャータの生地は、ミキシング時にオリーブオイルを練りこむ。焼き上げると食感は、やや弾力があり、歯切れがよく、トッピングの具の味を引き立たせる味わいだ。



自家製カレーをフランス生地で包み米油で揚げた「天然酵母のカレーパン」(税込237円)
「天然酵母のカレーパン」の断面
北海道十勝産小麦100%使用の「塩バターロール」(税込162円)
「塩バターロール」の断面
売り場中央に白樺の木があることによって、客の動線が一方向に定まる
多くのパンが並ぶ店内。奥にある厨房が見えるようになっている
コロナ禍とコスト高への対応

 同店の開業はコロナ禍になる約半年前だったが、コロナ禍突入からこれまで、売れ行きに関しては大きな変動はなかったという。
 「ただ、感染対策のパンの個包装作業は手間で、慣れるまではきついなと思ってやっていました。そしてここ数カ月、コロナが少しずつ落ち着いてくると、商店街立地ならではですが、ほかの飲食店の新店オープンの影響を感じています」(中村さん)
 コロナ禍になりしばらく、新たに開業する店は同商店街ではほとんどなかった。しかし最近は徐々に新店が増えてきたという。
 「人の流れが変わって、それが確実に売り上げなどの数字に出てきますから、新店オープンの情報が入ると必ず対応策を考えるようにしています。具体的にはどんな商品を、どの時間帯に強化していこうかなどといったことですね」(中村さん)
 今年に入ってコスト高の影響で、ほとんどの商品を20円程度値上げした。一度にではなく種類ごとに数回に分け、半年ほどかけて少しずつ行った。販売数量の多い商品から順にということで、「天熟食パン」などの食パンから行ったという。
 「値上げ後は、食パンに関しては売り上げが減ることはなかったですね。ほかは、値上げした直後一時的に、やや減少した商品はありましたが」(中村さん)
 食パンの人気は値上げ後も不動だ。しっかりと常連客が定着してきている表れだろう。常連客が離れないのは、客の声を受け止め、できる限り反映させようとする中村さんの努力の結果と言える。 
 「販売員の声はお客様の声だと思っています。ですので販売担当者には、お客様がどんな話をされたか、どんなことでも教えてもらうようにしています」
(中村さん)
 最近は、客からの焼き色を薄くして欲しいという声に応じるべく、焼成の仕方を調整しているという。
 「埼玉県狭山市の本店では逆に焼き色が濃い方が好評だったので、最初は意外に思いました。でも、一人や二人ではなく結構な人数の方から要望です。どうも、濃い色だと焦げているように見えるそうなんです。それで、オーブンの火力や焼成時間を調整するなどして試行錯誤しています。見た目を変えても、味が落ちたり変わってはいけませので、毎日味見をしながら調節しています。お客様を第一に優先するという姿勢で、お客様に寄り添いながら、店を進化させていきたいと思っています」(中村さん)

SHOP DATA
店名:サンセリテ祖師谷店
住所:〒157‐0072 東京都世田谷区祖師谷1丁目10−6
電話:03‐6277‐9118
営業時間:午前10時〜午後8時
定休日:月曜
品揃え:約80〜100品目
スタッフ:製造常時3人、販売常時2人
店舗面積:売り場約4坪、厨房約12坪
日商:平日約40万円、土曜、日曜、祝日約43万円



この記事の読みどころ

●グループ各店で、それぞれニーズは違うが、人気の上位3アイテムは共通している。
●面接のお土産にもらった食パンとカレーパンのおいしさが人生を変えた。
●販売員の声はお客様の声だと思って、よく聞いて、販促に活かすようにしている。



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