ヴィーガン対応商品の開発を手掛ける - MORETHAN BAKERY - ブランスリー電子版

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お店拝見/2022年4月号

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ヴィーガン対応商品の開発を手掛ける - MORETHAN BAKERY
マネージメントとサンドイッチのメニュー開発を行う山口友希さん
「ザ ノット 東京新宿」1階にある「MORETHAN BAKERY」の外から直接入れる入口
店内の様子。パンは中央の台と壁沿いの棚に並ぶ
スパイシーでチョコがビターな味わいの「カカオスパイス」(税込380円)
甘味をつけず朝食向けに仕上げた「VEGAN ブルーベリーマフィン」(税込450円)
ひよこ豆のペーストやスプラウトなどを挟んだベーグルサンド「揚げなすとフムスのイースタンサンド」(税込518円)
コロナ禍に始めた新たな催しで視野が広がった

 東京・西新宿の都庁からほど近くに、築39年の建物を全面改装し、2018年に開業したホテル「ザ ノット 東京新宿」がある。1階エントランス横には、その開業に合わせてオープンした「MORETHAN BAKERY(モアザンベーカリー)」がある。
 開業4年目で、同ベーカリーの利用者は宿泊客のみならず、近隣住民も着実に増えてきている。区立最大の新宿中央公園が目の前にあり、散歩次いでに寄る人も多いという。
 「コロナ禍で遠方からいらっしゃる方が減る一方で、近くに住む方がご家族でいらっしゃるケースが増えてきています」
 こう話すのは、同ベーカリーのマネージメントとサンドイッチのメニュー開発を行う山口友希さん。オープン後1年半が経たずにコロナ禍に突入し、ホテル利用客数の変動や感染対策などへの対応に追われたが、こうした状況下の営業をネガティブに捉えずいい機会としてやってこれたという。
 「オープンから盛況で手が回らなかったのですが、コロナ禍になり少し落ち着いたことで、新たな取り組みができるようになったことがあります。そして気付かされたことも多く、これからの当店のスタイルを築いていくために重要な期間だったと思えています」(山口さん)
 新たに取り組んだことというのは、毎週日曜日に販売する商品をすべて、動物性食品を含まない材料を使用したヴィーガン対応のものにする「SUNDAY VEGAN(サンデーヴィーガン)」と名付けた催しだ。始めてから約2年が経つ。
 「ホテル内という場所柄、外国からのお客様も多く、肉や魚、卵、乳製品などが入っているかどうかといった、原材料についてのご質問をよく受けていました」(山口さん)
 スタッフの中に完全菜食主義者はおらず、材料メーカーなどからアドバイスをもらうなどし、商品開発をした。使用可能な材料を調べることに苦労があったが、材料が決まった後の作業は、通常商品のときと同じように、おいしさを第一に考えて楽しみながら進められたという。
 「ヴィーガンの方に試食してもらうと、『おいしい』『メニューのアイデアの幅が広い』などの感想をもらいました。ヴィーガンではないからこそ、商品開発に当たって柔軟な考えを持つことができたのかもしれないですね。また、当店はおいしいものを作ることを基本姿勢としており、そのことは使える材料が限られていても変わりません。サンデーヴィーガンに取り組んだことは、材料の知識を増やしたり、色々な発見をすることにつながったと思うので、いい機会をいただけたと思っています」(山口さん)
 日曜日に並ぶ商品は、スパイシーでチョコがビターな味わいの「カカオスパイス」(税込380円)や、甘味をつけず朝食向けに仕上げた「VEGAN ブルーベリーマフィン」(税込450円)、スプラウトをたっぷり使ったサンドイッチ「揚げなすとフムスのイースタンサンド」(税込518円)など30〜40種類。オープン当初からの定番商品である「角食」(税込350円)や「バゲット」(税込260円)、「キタノカオリ カンパーニュ」(税込1130円)などもヴィーガン対応であるため、日曜日も販売する。
 「サンデーヴィーガンを行うようになってから、通常商品に使う材料も変わってきました。例えば、砂糖は精製された白砂糖ではなくきび糖を使うようになったり、チョコレートをオーガニックのものに変えたり。そして日曜日以外でも、ヴィーガン対応のパンを並べられるようになりました。また、私たちの知識が増えたことで、『角食』など従来品も、ヴィーガン商品として提案できるようになりました」(山口さん)
 現在同店の日曜日以外の品揃えは約40種類で、ヴィーガン対応商品は、そのうちの約2割を占める。



店内中央の陳列台に並ぶパン
サンデーヴィーガンの時にも販売する「キタノカオリ カンパーニュ」(税込1130円)。サンドイッチにも使用
「ゆめちから」を100パーセント使用し湯種製法で作る「角食」(税込350円)。サンデーヴィーガンでも販売
サンドイッチはレジ横にあるショーケースに並ぶ
パンと野菜のおいしさを活かすサンドイッチ

 「スタッフたちの食品全般に対する意識が変わってきたことを実感しています。これはサンデーヴィーガンだけでなく、以前からお付き合いのある農家さんの畑に、実際に見学に行かせてもらうようになったことも関係していると思っています」(山口さん)
 店内のレジ横に設置されたショーケースには、「アボカドとチーズのベジタブルサンド」(税込400円)など、野菜をふんだんに使ったサンドイッチの数々が並ぶ。サンドイッチなどに使う野菜は、レタスやトマト、スプラウトなどをメインに、その時々の旬のものを使う。これらの野菜を生産する農家との交流を深めているという。
 「野菜は旬があるので難しいのですが、野菜はすべて、交流のある農家さんのものにしていけたらと思っています。畑を見学させていただくようになってから野菜の知識も増え、おいしさをより活かすように考えることで、野菜の使い方も変わってきました」(山口さん)
 サンドイッチはオーダー後に作るホットサンドの「グリルドチーズ」(税込540円)もある。トマトやアボカド、ザラメなどのトッピングを追加することもできる。
 「ホットサンドはお客様の目の前で調理できるので、その様子を見て楽しんでいただけたらと思っています。ザラメのトッピングは、チーズと合わさることで、その甘じょっぱさとジャリジャリとした食感が際立ち、癖になると好評です。迷われていたら、試しに片側だけザラメをトッピングすることをお勧めしています」(山口さん)
 サンドイッチに使うパンは、「キタノカオリ カンパーニュ」「バゲット」「角食」「ベーグル プレーン」(税込290円)など。
 「サンドイッチのメニュー開発で最も大事にしていることは、パンのおいしさを活かすことです。当店のパンのほとんどは国産小麦を使用していて、約15種類の小麦粉を使い分けています。『角食』は吉祥寺の姉妹店でも予約完売する看板商品です。『ゆめちから』を100パーセント使用し、湯種製法で作ることで、卵と乳製品を使わなくても、しっとりして甘味を感じられるように仕上げています」(山口さん)

SHOP DATA
店名:MORETHAN BAKERY
住所:〒160‐0023 東京都新宿区西新宿4−31−1
電話:050‐5595‐9397
営業時間:午前8時〜午後6時
定休日:なし
品揃え:約40品目
スタッフ:製造常時6人、販売常時3人
店舗面積:売り場約19坪、厨房約14坪



この記事の読みどころ

●コロナ禍で立ち止まったことで、将来のビジョンがクリアになった。
●ヴィーガン対応の製品を開発することで、食材を見る際の視野が広がった。
●生産農家との交流と、ヴィーガン対応の商品開発が太い線でつながった。



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