記事の閲覧
| <<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
| 連載/2022年3月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 「一店舗一工房」の原則を掲げ、百貨店の食品フロアで大躍進 - 私の販売集大成ノート(18) | |
|
50年前にポンパドウルの1号店がオープン
約50年前の1969年11月、ポンパドウル一号店が横浜元町商店街に独立店舗としてオープンした。1971年12月には2号店が横浜伊勢佐木町に同じく独立店舗としてオープンした。両店とも予定より好調な滑り出しであった。独立店舗はポンパドウル独自の仕様による設計が可能でストレートに企業色を演出出来たため、建物自体も「注目」されるように様々な工夫がなされた。元町本店の建物は港町横浜に相応しい洒落た斬新なもので、通りに面した大きな丸窓や、らせん階段のスロープは今でも強く印象に残っている。(1994年に元町本店ビルのリニューアルがあり現在はない。) 低い歩率を勝ち取るための交渉 創業当時の大規模化や機械化の世の中の動きとは全く異なる経営方針を掲げてスタートしたポンパドウルは、店舗と工房を併設する「一店舗一工房」の原則を掲げた。以降の出店でその原則は絶対条件となった。「一店舗一工房」の標準面積は40坪で最低限必要なスペースである。元町本店と伊勢佐木町店の好調な業績に百貨店からの出店要請が相次いだ。1973年から以後約30年間近くに亘り、テナントとして百貨店への出店が続いた。 テナントとしての出店は百貨店の食品売り場の一部を賃借契約するスタイルで、売上高の一定割合の賃貸料を売上げ歩合方式で支払う。賃貸料を「歩率」と呼んだ。歩率は利益に大きく影響する為、低い歩率を勝ち取るための交渉が担当者に求められた。百貨店側からスペースの活用等に制限を設けられる場合もあった。限られた食品売り場のスペースの中での双方の折り合いが必要で、担当者の苦労は並のものではない。百貨店のリニュ―アル時の後発出店の場合は、百貨店側から指定された場所とスペースでやり繰りしなければならない。そうした中で自らの経営方針を曲げることなく今日まで出店が継続出来たことに交渉担当者の労を感じる。 客とスタッフの出入りが一点で交差する 食品フロアのどの場所に出店するかはオープン後の売上げに大きく影響する為、店舗責任者は強い関心を持った。望む場所は人通りの多い出入り口付近だが、殆ど不可能な希望であった。百貨店や大型スーパーの出入り口周辺は青果売り場と相場が決まっていた。彩豊かで四季の感じが出せて変化を演出出来るからだ。 百貨店側はフロア全体の動線を考えたプランを作成する。その結果集客数が多いテナントをフロアの四隅に配置し、フロア全体の回遊性を重視する。ポンパドウルは工房を抱えていることから、フロアの中央に配置されることは先ず無かった。必ず壁面に沿った位置で決まった。 場所が決定された後に店内レイアウトの作成が始まる。工房と売場の区画を決めた後、出入り口をどこにするかを検討する。店内の作業効率とお客様の買い易さを求める時、▼レジ台の位置▼工房と売場間の出入口の場所▼お客様の出入口の場所の3点が重要となる。 レイアウトで失敗した一例がある。その店は細長くお客様が入ると直ぐ左がレジ台で、その直ぐ横が工房と売り場間の出入口であった。売上げも高く客数も多かった。レジを待つお客様と、工房からの製品の出し入れと、店内に出入りするお客様が一点で交わるスクランブル交差点状態で最悪のパターンであった。リニュール時に直ちにレイアウトを変更した。レジ台を反対側に移しお客様の出入口をその横に増設して集中を避けた。その結果、店内効率は上がりお客様が買いやすくなった。 最低3つのレイアウト案を提出 店内は回遊が可能か、鰻の寝床のような一方通行型か。外気の影響が無い室内型か、外気をもろに受ける路面型か。そうしたことを多角的に検討する必要があった。社長から最低3つのレイアウト案の提出を求められた。社長承認を経た案は店舗設計者の作業に引継がれた。 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。 |




2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。







