ホテルという敷居をなくし気軽に利用できる店を目指す - 白井屋ザ・ベーカリー - ブランスリー電子版

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お店拝見/2022年1月号

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ホテルという敷居をなくし気軽に利用できる店を目指す - 白井屋ザ・ベーカリー
「白井屋ザ・ベーカリー」の外観。写真中央が同ベーカリーの入口
紫や青などのアクセントカラーが効果的な店内。パンは約20種類が並ぶ
チーフを務める内藤哲嗣さん
「白井屋の白パン」の次に人気の「カヌレ」(税込250円)
一番人気の「白井屋の白パン」(税込180円)は、しっとり、もっちり、ソフトな食感
「パン・ド・ミ」(1本税込800円)は、県内産のノンホモ低温殺菌牛乳や江別製粉の「ザ・キタノカオリ」を使用
新たなアートの名所に建てられたベーカリー

 群馬県のJR前橋駅から歩いて約15分、県庁へ続く道と市街地沿いの道との間に位置する「白井屋ホテル」の敷地内の一角に2021年11月、「白井屋ザ・ベーカリー」が開業した。
 「白井屋ホテル」は前橋市出身でアイウェアブランド社長の田中仁氏が地域創生を掲げ、取り壊し寸前だった廃ホテルを大幅改修し、2020年12月に開業。改修は、国内外の著名な建築家やデザイナーが手掛け、アートの新名所としても話題になっている。
 「白井屋ザ・ベーカリー」の店舗も目を楽しませてくれる造りで、外観はまるで、緑の丘に掘られた穴倉のようだ。同店の左右には、米西海岸発祥のコーヒーチェーンと、フルーツタルト専門店が並ぶ。これら3店舗とも路面店となっており、「ホテルエントランスを経ることなく直接アクセスでき、気軽に入店できる良さがある」(広報担当者)という。
 「当店の特徴の一つとして、店舗だけでもご覧いただく価値があるということです。オープン直後はパンが売り切れてしまう事態がありましたが、その際も多くの方が写真を撮るなどし、店内の見学を楽しまれていました」
 こう話すのは、同ベーカリーでチーフを務める内藤哲嗣さん。一度別の業界に就職したが、子どもの頃から抱いていたパン職人への憧れが捨てきれず転職し、大手ベーカリーチェーンと個人店で腕を磨いた。内藤さんは愛知県出身で、今回の就職を機に初めて群馬での暮らしを始めたが、故郷との共通点がいくつかあることから、住みやすさや居心地の良さを早くも実感できているという。群馬県産食材の魅力発掘にも余念がない。
 パンのレシピ開発は、東京・中央区の「ビーバーブレッド」のシェフ、割田健一さんが担当。割田さんは埼玉県出身の群馬県育ちだ。広報担当者は「割田さんはゆかりのある地域の活性化に貢献したいと、とても前向きな気持ちで、準備期間からスタッフらを引っ張ってくだいました」と話す。
 「オープン後も割田さんには、定期的に足を運んでもらっています。パンの品質チェックだけでなく、今後の商品展開について考えていただいたりもしています。割田さんのパンを再現するという自分の立場から大事にしていることは、割田さんがどう考えて作っているのかということを知ることですので、毎日そのことを意識しながら作っています。そしてその考え方をスタッフのみんなで共有していけるように頑張っていきたいと思っています」(内藤さん)

プレーンな味のパンを中心に揃える

 店内は、茶色を貴重とした落ち着いた雰囲気だ。「主役のパンを引き立てるためのシンプルな素材で構成された空間」(デザイナーの柳原照弘さん)にしたという。また、窓枠の青、飾られているアートの紫と緑の3色が空間にアクセントを与え、美術館を訪れたかのような感覚を与える。
 品揃えは、毎日50種類のレシピから、約30種類のパンを順番に店頭に出すほか、オリジナルのフルーツジャムやミルククリームの瓶詰、県内産のノンホモ低温殺菌牛乳やヨーグルトなどもある。
 「ホテルに宿泊された方の土産需要に応えるだけでなく、地元の方にリピーターになってもらえるような商品構成にしています。パンは食事パンなどプレーンな味のアイテムを中心にしているので、販売しているおすすめのジャムやミルククリームなどを塗るなど、色々な味わい方でお楽しみいただけたらと思っています」(内藤さん)
 パンの一番人気は、「白井屋」の名から発想して開発したという「白井屋の白パン」(税込180円)で、見るからに柔らかそうな丸いパンだ。パン生地をシリコン製の型に入れて焼き上げることで、よりしっとり、もっちり、ソフトに仕上げている。また、焼き上げる際に群馬県産米粉を表面に振りかけることで、独特の歯触りを楽しめるようにしているという。
 「『白井屋の白パン』は予想を超える勢いで売れていて、オープン当月は1日平均200個売れました。食べ方は、そのままでも食感の良さを楽しんでいただけますし、トーストもおすすめです。小麦は『ハルユタカ』を使用しているのですが、トーストすると小麦の甘味が引き立ち、水分もしっかり入っているのでしっとり感があっておいしいです」(内藤さん)
 続いて人気なのは「カヌレ」(税込250円)で、特にオープン直後は陳列すると途端に売れてなくなってしまうほどだったという。バニラとラム酒の風味をしっかり効かせたプレーンの一種類だ。同商品もシリコン製の型を使用し、オーブンはコンベクションを使用している。



自家製のマヨネーズを使用した「たまごサンド」(右下、税込400円)
販売と製造スタッフら。パンのレシピを担当した割田健一さんは後列の左から3番目
ソースやフィリングは自家製にこだわる

 群馬県産牛乳を使用した「パン・ド・ミ」(1本税込800円)は、地元客のリピートが期待できる商品。
 「牛乳は新鮮な風味とすっきりとした爽やかな味わいが特徴で、『東毛酪農』さんが手間のかかる製法で作ってくれているからこそのおいしさです。実際販売もしているように、牛乳自体もおすすめです。小麦粉は希少価値の高い江別製粉の『ザ・キタノカオリ』だけを贅沢に使わせていただいているので、小麦の豊かな香りと甘味を感じていただけると思います。かなりこだわった材料を使っていますが、気軽に利用していただきたいので、この『パン・ド・ミ』だけに限らず、全体的に価格は抑えています」(内藤さん)
 また、ソースやフィリングなどのほとんどは、割田さんの東京の店と同様に自家製にこだわっている。「たまごサンド」(税込400円)に使用しているマヨネーズや、「上州もち豚のカツサンド」(税込750円)に使用しているピクルスなどもそうだ。カツもかたまり肉から調理している。
 「クオリティーの高さには自信があります。自家製は手間がかかりますが、断然味が良く、オリジナリティーが出せます。当店の『たまごサンド』は、大人の味をイメージして、レモンを多用しています。自家製マヨネーズはお酢の代わりにレモンを使用し、卵を和えるときにレモン皮のすりおろしを入れて風味付けをしているんです。香草も入れているので、料理を食べているような満足感もあると思います」(内藤さん)

SHOP DATA
店名:白井屋ザ・ベーカリー
住所:〒371‐0023群馬県前橋市本町2‐2−15白井屋ホテル敷地内 馬場川通り沿い
電話:027‐231‐2020
営業時間:午前8時〜午後6時
定休日:月曜(祝日の場合営業、翌火曜休み)
品揃え:約30品目
スタッフ:製造常時4人、販売常時4人
店舗面積:売り場約7坪、厨房約16坪



この記事の読みどころ

●ホテルベーカリーでもあり、路面店でもあり、気軽に入れるのが特徴
●レシピ開発は、東京・中央区、ビーバーブレッドの割田健一さんが担当。
●ソースやフィリングは自家製にこだわり、マヨネーズも自家製を使用している。



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