パンの取り置き、取り寄せ注文決済代行サイトは日本のリテールベーカリーの市場を伸ばせるか? - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(52) - ブランスリー電子版

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連載/2021年10月号

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パンの取り置き、取り寄せ注文決済代行サイトは日本のリテールベーカリーの市場を伸ばせるか? - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(52)
 このところ、新たなビジネスとして、全国のベーカリーのパンの取り置きや取り寄せを代行するウェブサイトが目立ってきました。本誌が取材させていただいサイトだけでも、今月号で話を伺った「Aruyon」を始めとして3つあります。
 パンの取り寄せは、ベーカリーが独自で行っているECサイトや、多数のベーカリーが参加するパンのショッピングモールのようなサイトなどもあり、これまでもずっと行われてきましたが、ここ数年で立ち上がってきた、パンの取り置きや取り寄せを代行するサイトは、少し趣が違うような気がします。
 多くの場合、パンの取り寄せより、取り置きに力を入れているのです。本誌の前号で「パンの取り置きサイトってどうですか?」のテーマで3軒のベーカリーを取材させて頂きましたが、3軒すべてから、「もともと電話で受けていた予約の注文を、サイトが代わりに受けてくれるので手間が省け、その分接客やパン作りに集中できるようになった」という趣旨の声が聞かれました。パンの取り置きサイトは多くの場合、パンの代金の決済も代行してくれるので、ベーカリーにとっては、願ったりかなったりなのでしょう。
 消費者の立場に立っても、欲しいパンを確実に購入できますし、自分の都合に合わせて事前に購入したパンを取りに行くだけなので、とても便利だと思います。また、コロナ禍にあっては、店での滞留時間を短縮できて、感染防止対策にもなります。
 今はまさにスマホ全盛の時代ですが、行きつけのベーカリーのパンをスマホで予約し決済までできるようになれば、例えば、買い物帰りの子連れの主婦や、昼間はパンを買いに行けないサラリーマンなどのパンを買う機会が増えるに違いありません。また、普段は行けない遠方のベーカリーのパンをスマホで簡単に取り寄せられるのであれば、多くの人たちのパンを買う機会が増えるに違いありません。
 前述の「Aruyon」の責任者の方は「『パン屋さんでパンを買いたいけれど、子供を連れて、トレーとトングを持ってパンを選べない』というような人は多いと思います。パン屋さんにとってのそうしたチャンスロスをカバーすることで、焼きたてパンの市場をもっと広げていけたら嬉しいですね」と話していました。
 日本全体として、焼きたてパンの市場を広げていこうとする時に大切なのは、平均的な普通のベーカリーにメリットが出るようなサイトの仕組みを作ることだと思います。天才的なビジネスセンスを持ったような方が運営するベーカリーは、放っておいても自分でウェブサイトを作って、またはSNSなどの仕組みを巧みに利用して、独自の取り置きのシステムを作ってしまうはずです。
 そう考えると、今目立っているパンの取り置き、取り寄せサイトについては、最初に参加した時に様々な設定作業を行って注文の受付を開始した後に、注文が来た時の迅速な対応以外は、放置しても、いや、放置を推奨するようなことになってはいけませんので、例えば、2カ月に1回程度、サイトの情報を更新すれば、きちんと回っていくような仕組みになっているかが重要な気がします。
 ベーカリーの本来の業務を効率化することはあっても、妨げるようなことが絶対にないような範囲で、無理なく続けられ、それでいて、参加する各ベーカリーの決算時には、満足できるプラスアルファーの売上を稼いでくれていることが実感できるようなサイトの仕組みを作ることが、日本全体の焼きたてパンの市場を広げていくことに繋がっていくのではないかと思います。
 パンの取り置き、取り寄せサイトの台頭のもう一つの要因は、コロナ禍だと思います。感染防止のために人々がとる様々な行動は、それまでの経済活動の様々な場面に、それまでとはまったく違う角度から光を当て、私たちに大いなる再考を促しました。
 コロナ禍で生まれた新しい価値観に基づく人々の様々な行動様式は、ポストコロナの時代になっても、さらに進化しながら受け継がれていくに違いありません。(RO)









原価計算女王
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