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| 連載/2021年9月号 |
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| バブル崩壊による深刻な景気後退期に、売上を維持すために必死で行った施策 - 私の販売集大成ノート(12) | |
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リーダーは企業を維持・存続させる使命を負う
経営トップであるリーダーと組織のメンバーは協働して役割を果たし、掲げた目標を達成しなければならない。リーダーは状況の変化により「攻めの経営」か「守りの経営」かのいずれかの選択を迫られる。決定の最終責任者であるリーダーの判断は従業員のみならず、その組織にかかわるすべての人々の生活の安定と向上に直結する為、如何なる環境の中でも変化に対応しながら企業を維持・存続させるという使命を果たさなければならない。 影響力と求心力を持つ立場を去ったあとに 故三藤喜一会長は1948年にパン製造販売の個人店の経営を始めて以来、約46年に亘り常に組織のトップに立ち強力なリーダーシップを発揮して来られた。長い道のりで多くの成功と、推し量れない数々の苦悩を経験された事だろう。 会長に就任されて間もなく、静岡県浜松の店舗巡回に同行した時の会長の言葉を忘れる事が出来ない。新幹線こだま号が静岡駅を過ぎたころ「会長になってから、みんなの為になっていると思うかね」と余りにも唐突で重い問い掛けがあり、「今自分は会長から何を聞いたのか」と自問した。「勿論なっています」と一言答えた。 その後暫く沈黙が続いた。会長は組織の中での自らの存在価値を日々問うていたのだろうか。組織での影響力や求心力が新社長へ引き継がれたことから起こる虚無感だったのか。トップの座を去った時に去来した感情は如何なるものであったのか。しかし組織は変化を求めつつ、一個人の感情を揺さぶりながらも、生き続けている。 いつの間にか不況の真っ只中にいた 気が付くと、予想もしない不況のうねりが渦巻いて何時の間にかその真っ只中にいた。1991年3月から1993年10月のバブル崩壊による景気後退は、深刻なものであった。当時私は横浜ポンパドウルの販売部長職にあり、月一度の販売会議で幾度となく全体の売上げ状況が「非常事態」であることをマネージャーに告げた。月を追う毎に、会議では悲壮感すら漂い始めた。暗い空の向こうから果てる事のない大きな波が次々に襲い掛かって来るような感じであった。拡大均衡から縮小均衡の選択になり、拡大というワードは当然の様に聞かれなくなっていった。販売スタッフには「売る事」の意識まで縮小する事がないように指導を行った。過去に効果があった売上げアップの好事例紹介に時間を割いた。マネージャーから具体的な報告の後、質疑応答の時間を取った。しかし反応は後ろ向きで「あの店だから出来ることだ」「彼だから出来たことだ」などと否定的なものだった。人間の意欲まで蝕んでしまう不況の恐ろしさを実感した。 買いたい時間に買いたいものを提供する 担当店舗の売上げ伸び率は軒並み対前年比一〇〇%を次から次へとドミノ倒しのように割り始めた。横浜ポンパドウルの全体の売上げが、対前年比で、93%にまで落ち込んだ。過去に経験した事のない落ち込み幅と長い低迷期間であった。そうした中でも売上げを増やしコストを減らして利益を確保しなければならない。 「非常事態」で徹底すべき指導ポイントを、オーダー(販売部門が製造部門に出すパン製造のオーダー)の厳密な作成に絞った。欲しい物を欲しい時に欲しいだけ求めるお客様のニーズを満たす為には、お客様の流れと品揃えが合致するオーダー作成が必要となる。毎日変化するお客様の一日の流れを「正確に記録して把握すること」をマネージャーに求めた。その為に開店から閉店まで1時間毎に売上げを記録して流れを掴むという基本的な作業の実施を徹底させた。また製品がお客様の流れに沿っているかを観察し、前日・前週・前月を「比較検証」してからのオーダー作成を求めた。「プラン・ドウ・チェック・アクション」により仕事の精度アップを目指したのだ。 売上アップとコスト削減を両立させる施策 この時の経験は、売上アップの対策にも、コスト削減の対策にもなる「カスタマー&ポンパドウル」の基本方針をその後生みだす切掛けとなった。具体的内容は、今後紹介していきたいと思う。 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。 |




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