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| パン屋さん手帖(4)/2002年7月号 |
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| 客が買いたい時間に焼き上げるための工程表の作り方を考える
まずは現状の工程表を作ろう
こんにちは。今回は工程について考えていきたいと思います。 工程表の作り方を少し考えてみましょう。方眼紙を用意して升目に沿って図1のように横軸に15分単位で時間を入れていってください。縦軸には仕込む生地の名前を入れて、横軸に沿ってミキシングから各工程を追って書いていきます。焼成や仕込みなどの各工程別に色分けすれば、わかりやすいでしょう。パソコンがあれば、「エクセル」で作ると便利です。 まずは現状の製造スケジュールどりに工程表を作ってみます。表にしてみると無駄や無理がよくわかりますよ。 現状の流れに盲従していませんか? 現状の工程表をいかにして修正していくかが、今回のテーマです。おそらく現在の製造スケジュールがベストだと思っていると思います。慣れ親しんだ作業手順は製造員もやりやすいし、あまり考えなくても毎日ことが進みます。工程表を作ったのがチーフであればいいのですが、「前からこの流れでやっているから」という店も多いと思います。現に私がコンサルティングしている店舗でも、チーフが考えた製造スケジュールではなく、以前からの工程に従ってパンを作っているケースが多いようです。世の中の流れが加速する中で、パン屋さんはかたくなに昔の流れを守っていることが意外と多いと思っています。 伝統といえるいい意味での歴史を感じる店はいいのですが、そろそろ自分たちで考えて行動するのも良いのではないかと思っています。 客が買いたい時間に焼き上げる それでは、製造スケジュールを変える目的について話したいと思います。自分のお店の工程表を一度作ってみてください。商品の焼き上がり時間はどうですか? お客様が望んだ時間に焼成していますか? お客様の望む製造スケジュールではなく、作り手にとって都合のいい製造スケジュールになっていませんか? これからのパン屋さんの課題は、いかにしてお客様が望む製造スケジュールを実現するかだと思います。 ドウコンに何が入っていますか?冷凍庫をもう一度チェックしてください。焼き込み調理パンや菓子パンは何時に焼き上がっていますか? 今一度この辺のところを考え直してみると、売上が上がり、ロス率は低下すると思います。 お店の売上曲線と製造金額曲線を一度出してみてください。グラフ1は、工程表を修正する前のA店のパン製造金額の時間帯別構成比で、11時にはほとんどが焼き上がっています。あなたの店での売上の折り返し点を覚えてください。朝方売上げが多い店は13時頃になりますし、夕方に売れる店は14時前後になると思います。その時間に全体の生産金額が70%前後なら理想だと思います。 図1 現在の工程表 グラフ1 ![]() |

| 工程表はベーカリー運営のあらゆる面を好転させる
夕方は本当に売れないのか?
図1の工程表に修正を加えて、図2のような工程表にするとグラフ2のような時間帯別製造金額の構成比になります。こちらの方がお客様に焼きたてのパンが提供できているということになります。タイムリーに焼成することが、結果的には売上の上昇、ロス率の低下に結びつきます。よく「夕方はうちは売れないんだよ」などと言いますが、実際にはどうなのでしょうか? 商品が並んでいなくて売れないのか、焼きたての商品がなくて売れないのか、本当に人が歩いていないのか、原点に戻ってその辺のところを考えてみるのもいいのではないでしょうか? どの商品がいつ売れるかをチェック 図3(16ページに掲載)では製品の棚卸を1時間ごとに行うための表です。忙しい時と暇な時にデータを取って表にしてみると、各商品の売れる時間がわかります。商品の売れる時間が一番お客様が望んでいる時間なので、その時間にパンを焼き上げる工程表を作りましょう。そうすることにより、お店の活性化が起こります。私は昔あるベーカリーで店舗廻りをしていた時、真っ先に工程表を作ってチェックし、調理パンや、ドーナツのような売れ筋は必ず当日に仕込むようにしました。おのずと売上は上がってきます。自分がお客様になって商品を考えたら、どのパンをいつ焼くのが良いかわかると思います。 工程表の利点はこんなにある 工程表の利点を整理してみましょう。 (1)全員が仕事の流れを把握でき、ただ作業をするのではなく、次に何が来るのかを考えながら、仕事が出来ます。 (2)仕込みの順番が書いてあるので、その通りに仕込めれば、パートでもミキサーを回せます。社員が仕込むよりも多少は時間がかかりますが出来ますよ。 (3)分割のタイミングがパートでもある程度分かるようになります。もし生地の温度が違っていたら、その時に報告させるようにすれば、問題ありません。基準があるのですから、それから何分という形で指示できます。販売員に工程表を見せておけば、お客様からこのパンは何時に焼き上がるのかと聞かれた時に、すぐに答えられます。もし時間がずれても前もって販売員に伝えておけば問題ありません。 お客様を待たせることがなくなります。ここが大切ですよ。お客様がフランスパンを買おうとした時、もしあと5分でフランスパンが焼き上がるのなら、その時点で販売員が「あと5分で次のフランスパンが焼き上がります」と言えますよね。待つか待たないかは、お客様が決めることで、それがサービスだと思いますし、顧客満足だと思います。それによってこの店は私の店と言わせるのだと思います。 (4)工程表を見れば、暇な時間と忙しい時間がわかりますから、忙しい時間にパートを補充し、暇な時間にはパートを減らすようにして、人員表を作成できます。図4(17ページに掲載)のような人員表も作りましょう。 工程表はこうやって作る さて図2は変更後の工程表です。焼き時間をお客様が望むように変更してあります。では工程表の作り方を簡単に説明します。まず方眼紙を2枚用意してください。1枚には縦軸と横軸にそれぞれ品目名と時間を書き込んで、もう1枚の一番端から仕込みから焼成までの各工程を書いていきます。書き終わったらハサミで切り取り、もう一枚の上で動かしてみます。するとその店の一番いい作業の流れが分かってきます。微調整は実際の作業の中でも出来ます。 よく工場などの図面をひく時に、まずオーブンやホイロのような物をハサミで切ってから、元の図面の上で動かすと、わかりやすいですよね。その要領で作ればいいと思います。 自分のお店の工程表を自分自身で、一度作ってみるといいと思います。そうすることで意外な発見があるはずです。配合や工程が分かっていないと書けませんので、いい勉強にもなります。一生懸命仕事はしているのですが、パンの配合や焼き上がり時間が分かっていない従業員が多いように思います。 まずお店に入ったら配合を覚えて、工程表を作りましょう。せめて自分の作っているパンの説明が出来るように、パンの特徴や食べ方くらいは覚えておきましょう。 次回は焼成について書きたいと思います。 図2 修正工程表 グラフ2 ![]() 図3 製造数管理表 図4 月間スケジュール表 |


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