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| 海外情報/2004年3月号 |
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| 海外展示会の探し方、行き方、見方のノウハウを公開
万全な準備が実りある展示会視察を可能にする
日本の出先機関に確認インターネットも活用 繰り返し言われているように「情報武装は最強のツール」であるが、その中でも海外で開かれる展示会は情報を伝えたい出展者と最新情報を入手したい参観者が一堂に会する最良のチャンスであろう。 製パン業界に関連する展示会は全世界あわせて約40ほど存在すると言われるが、毎年開催されるものは筆者が知る限りではその半数ほどであろう。 最近のトレンドとして注目しなければいけないのは製パン業界主催の展示会に加えて、デリ、グルメ、スナックフードはもとよりスーパーマーケットやコンビニエンスを含む流通業界、店舗開発設計業界などが主催する展示会にも相当量のべーカリー関連情報が展示されている事である。最近のトレンドである「クロスオーバー リテイリング・販売業態の交錯化」を考えれば、これは当然の結果である。むしろ、これらの展示会で製パン業界の従来の発想を超えた新鮮なアイデアと商品開発例を見る事が多い。これは日本で開催される展示会を考えてみれば分かる事で、例えば製パン業界主催の「モバック」と食品製造、流通業界を幅広くカバーする「フーデックス」の違いを考えてみれば理解出来ると思う。「ベーカリー商品を売るのはベーカリーのみ」であったスタイルが既に過去のものであり今後はさらに販売業態の交錯化が加速するであろうと推測するならば、展示会の選択も改める必要があると思われる。 そこで今回は筆者の過去30年間の100回を超える展示会視察の経験から「海外における展示会視察のノウハウ」を公開しよう。今年は3年ごとにラスベガスで開催される「IBIEベーカリーEXPO」が例外的に8月に開催されるが、今から準備を始める必要がある。ではどんな準備をどうやって進めたら良いのだろうか? [1]海外における展示会情報の入手 これには最低限の英語の読解力が必要となる。ただし東京、大阪などには欧米主要各国の大使館(通商部)、観光局が事務所を持っていて日本語での問い合わせに対応してくれる。ただベーカリー業界の展示会はどちらかというとマイナーな存在なので手持ちの資料が無い事が多く、本国に問い合わせるという場合が多い。最も代表的な情報提供機関の例をあげておく。 トイツ デュッセルドルフ見本市(電話03‐5210‐9951)、ケルン見本市事務所(電話03‐5405‐2202)、ハンブルグ見本市(電話03‐3586‐0415) フランス 見本市協会(電話03‐3405‐0171) イタリア 貿易振興会(電話03‐3475‐1401) アメリカ 主な州は東京などに州政府事務所をおいているが、開設・閉鎖などの動きが多いので省略する。ただし次の展示会は英語ではあるがホームページを持っているので展示会情報を直接入手する事が出来る。 2004年度ラスベガスIBIEベーカリーEXPO http://www.bakingexpo.org今年は8月15〜18日に開催される。 FMIスーパーマーケット展示会 http://www.fmi.org どっちがいい?個人旅行と団体旅行 [2]旅行の形態はどうするか? 実はこれが最も重要な課題だろう。結論を先に言えば、「最低限の英語の読解力があり英語が話せるのであれば単独または2人での旅行がお勧め」。もしこの条件に自信がない場合は業界関連の主催する団体旅行に参加することをお薦めする。それでは、この両者の一長一短は何か? [個人旅行と団体旅行の長所・短所] ちなみに何ゆえ2人かというと、「ほとんどのホテルは宿泊料が1人でも2人でも同額、つまり2人で泊まって割り勘にすれば半額負担ですむ(3人部屋はベッドを1つ入れれば可能であるが実際には狭くて何かと不便)」というのと、「タクシーでの移動もトランクなど大きい荷物を積む事を考えれば2人が限界、ただし同じように料金は半額ずつ負担」というのがその理由だ。 さらにガイドブックにも書いていない事をお話ししよう。例え1週間の旅行でも言葉が通じない、食べ物も違う外国に旅行すると(おそらく日本人のほとんどは)ホームシックに似た心理に陥ることが多い。またレストランで食事をする場合でも食事サービスに時間がかかるので終わるまでに2時間もとられ、楽しいはずの食事が苦痛になってしまう。こんな場合は1人旅より2人連れの方が食事中にも話が弾んでお薦めだ。また1人だと町中で道に迷ってもパニックになる事が多いが、2人だと落ち着いて地図を見る余裕も出てくる。ただし一緒に旅行する仲間の選択は重要だ。相性が悪いと帰国後に不仲になる例はよく聞く話だ。 さて個人旅行のメリットは団体とは異なり貴重な情報を独り占めできる事だ。団体旅行では説明者の情報も写す写真も他の参加者と同じになってしまうのは当然だ。説明と言えばアメリカ旅行では物の重さ、温度、距離、面積などの単位が日本と異なるので要注意。通訳があえて日本で通用している単位に換算して話す場合があるが、よく間違えて通訳する事がある。その場合はアメリカで通用している単位をそのままメモしておき、後で自分で直す方が正確で間違えが無い。簡単な換算方法は英和辞典の最終ページに載っている(ポンドからキロ、華氏から摂氏など)。昭和から西暦に変える場合は25を加える。また店舗面積を平方フィートから平米に換算するのは0・0929を掛ければ良い(929・苦肉の策と覚えると良い!)。 それでは個人旅行の最大の短所は何か? それは当然であるが旅行中のすべての事を自分でやらなければならないという事だ。旅行中は時間との戦いだ。自分が払った費用で時間を買ったと思えば良い。展示会視察などに出掛けた場合、自分の時間のすべてをその目的のために使うべきところが、空港とホテル往復の交通手段の手配、ホテルでの支払い、食事の手配などを自分でやらなければならないとしたら、時間はもとより慣れない英語で交渉する精神的負担と苦痛は大きい。ところが団体旅行では担当者がすべてをやってくれるから、自分は指示された通りに動けば良い。そして自分の時間とエネルギーは本来の展示会視察に使う事が出来る。それでは団体旅行がすべて良いかというと欠点もある。それは旅行の楽しさを決めるうえで重要な食事メニューの選定で自分の自由がきかないという事だ。もちろん10人程度の団体であればメニューも2〜3種類を選び、その中から決めるという事も可能だろうが、大団体となればそうもいかないようだ。それぞれの国の名物料理を食べたいと思っても自由にならないのほ残念だろう。旅行の評価は様々な要素が加わって決まる。いろいろな国や都市を見て歩くのであれば、いろいろな料理との出会いもぜひ心がけてほしい。 [航空会社の選択] これは旅行目的(目的地)によって異なると思ってほしい。単に展示会視察のみで帰るのか、他の都市でベーカリー店舗の見学などもする2〜3都市周遊型なのかによって異なる。最近の旅行は定額の正規航空運賃ではなく複雑な割引運賃を使う場合が多い。また欧米を往復する日本の航空会社(現在2社)を利用したいという希望があっても運行している都市が限定される。皮肉にも欧米の展示会開催都市の多くは日本からの直行便が飛んでいない。さらに格安運賃での旅行は利用するすべてが日本を出発するときと同じ航空会社(自社便)である事が規定なので、アメリカ国内やヨーロッパ地域内で乗り変えて目的地に行く場合は日系の航空会社は割高となり不利である。このような相談は航空会社や親しい旅行会社に相談すれば教えてくれる。なお乗り換えがしやすい便利な空港を運ぶ(つまり日本発の航空会社を選ぶ)事が重要だ。筆者の知識と経験から選んでみると・・・ [乗り換えのしやすい空港] アメリカではサンフランシスコ、シアトル、シカゴ。 ヨーロッパではアムステルダム、チューリッヒ、ウィーンなど。 [ホテルの選択] ホテルの選択は、団体旅行では主催者が予約をしてくれるので心配ないが、個人旅行では自分がしなくてはならない。アメリカでは展示会主催者が会場周辺の主なホテルを事前に押さえる(ブロックする)事が通例だ。展示会主催者が発行する「出席申込書」をもらうと同時にホテル予約申込書も添付されているので、どのようなホテルが会場に近いかも分かって便利だが、この段階で同じホテルに予約しようとしても既に遅い場合が多い。また一般に料金も高いので会場から少し離れていても料金が手頃なホテルを選べば良い。この場合は会場をタクシーで往復しても大差は無い。なおアメリカでの展示会は主催者が主なホテルからの往復連絡バスを無料で手配してくれる。運行するルートがいくつかあるので自分が宿泊するホテルに最も近い場所で止まるバスに乗れば良い。またほとんどのホテルチェーンは日本に予約事務所を持っているのでクレジットカードの番号と有効期限を言えば直接予約が出来るし、予約金は不要だ。 展示会の入場料は高額な場合も多い [3]展示会の選び方 展示会には毎年開催されるものと数年ごとに開催されるものとがある。開催場所も毎回同じ都市の場合と異なる都市の場合とがある。正確な開催時期、場所の把握がまず必要だ。毎年開催される展示会はその年の展示会で来年の開催都市、時期が発表されるので旅行計面を早めに立てる事が出来る。隔年開催の場合は1年ほど前になると開催都市、時期が決定する。 さて展示会の内容だが、参観する価値があるかどうかの判断が重要である。判断の方法としては・・・ ○今まで視察したことのある人に聞く 〇主催者のホームページで情報を集める(展示会の目的、出展企業名称、同時開催セミナーの詳細など) 〇展示会の入場料(日本とは異なり高額な場合が多い。例えばIDDBAというデリベーカリー業界のものは3日間で約5万円もする!)、ホテル予約などを確認する 〇展示会開催時間帯も確認する。日本のように毎日同じではなく、最終日は短い。またセミナーが同時進行するので自分の時間配分を細かく決める事が必要 〇そのセミナーだが、ほとんどの場合は展示会の入場料にセミナー受講科が含まれている。もちろん英語で行われるが内容は極めて有益なものが多い。事前にテーマと講師の名前が発表される。 [4]展示会出席を決める 最初にする事は・・・ (1)参加申込書の送付 ファックスまたはeメールで主催者へ参加申込書を送る。氏名、会社名、役職に加えて業種を記入するのがアメリカの展示会の特徴だろう。ベーカリー従業員か、関連業界従業員か、販売業か、という区分を明確にするためだ。展示会は入場切符ではなく胸につける身分証明スタイルのものが受付に用意されているが、業種によって色わけされている。なお参加申し込みは当日になって会場でしても良いが、長い列に並ぶ場合もあるので出来れば事前にした方が良い。入場料はクレジットカードで決済される。 (2)航空便およびホテル予約 この両方とも重要だが、まず航空便の予約を優先した方が良い。 その理由は航空便はホテルに比較して選択肢が少ないからだ。また格安航空券を利用する場合は、予約キャンセル、変更などで手数料がかかる場合が多いので慎重に進めた方が良い。ほとんどの場合ホテル予約をする際に現地到着の航空便および時刻を聞かれるので答えられるようにしておく。 またホテル予約にはクレジットカード番号、有効期限が必す必要。もしカードを持っていない場合は親しい銀行またはカード会社に問い合わせれば「海外旅行用に短期間で発行してくれるカード」のシステムがあるので利用しよう。また実際にホテルで宿泊手続きをする場合はカードは絶対に必要となる。 なお展示会期間が分かれば日本の発着日を決めるが、出来れば展示会の全期間は滞在したい。 ほとんどの展示会は期間が3〜4日間なので個人旅行の長所を活かし徹底的に見てまわるようにしよう。もし時間があまったら現地周辺のベーカリー、スーパーマーケット店舗の見学など、有効な時間の使い方はいくらでもある。 (3)展示会の見方 入場受付は開催期間の前日には始まっているので事前に済ませておくと「出展者カタログ」が入手出来るので前もって目を通しておく。出来れば「立ち寄ってみたい出展コマ番号」のリストを作っておくと効率良く見てまわる事が出来る。なお「英語の名刺」はあれば極めて有効だ。その理由はカタログがもらいやすくなる事、事後の連絡が取りやすい事、そして何よりだが英会話に自信がなくても意志の疎通がしやすくなる事などだ。 さて展示会が始まったら、初日はまず全体をくまなく見てまわる。そして出展企業のリストにコメントを書き込んでおく。余談だがアメリカでの展示会まで日本から出掛ける人は少ないので、どのコマでも親切にしてくれる事が多い。その際、最低限の英会話が交わせれば最高だ。挨拶や謝意などのごく簡単な会話に笑顔が加われば、ほしいカタログもどんどん増えてくること間違いなしだ。なお会場での写真撮影は原則として禁止だし、また意味が無い。もしどうしても写したいものがあればニッコリ笑ってカメラを見せて「OK?」と聞いてみよう。 さて次の日は会場を詳細に見て歩こう。そして興味がある展示は丹念に見よう。 この時点で「これは!」と思われる内容が見つかっていれば、その展示会に来た価値もあろうというものだ。 最終日は、もっぱらカタログ集めに努めよう。その理由は最終日には出展者はコマを畳む準備を始めるので持って帰る荷物を少なくしたいという思いがあるからだ。 また最終日には展示物を無料で提供したり安く提供したりする出展者もいるので、交渉してみるのも無駄ではない。 帰国する前日は入手したカタログや資料の整理に忙殺される事が多い。 気をつけなければならないのは航空会社に預ける荷物(チェックインパッケージ)の重量制限だ。 アメリカ旅行の場合1個32キロの重さの物が2個まで無料、つまり64キロまでの荷物が無料ということになるので有り難い。しかし、ヨーロッパ旅行の場合はエコノミー級は20キロまでが無料で、それ以上は料金を徴収されるから十分に気をつけなければいけない。 その場合には郵便局から送れば良いが郵送する物を入れる箱を用意するところから始めなければいけないので面倒だ。また簡単な「税関告知書」に記入する必要がある。 (4)帰国後の整理 旅行中に世話になった人がいたらお礼の手紙、メール、ファックスを出そう。ごく簡単な英語で十分だ。 また一緒に写した写真があれば必す送ってあげよう。このような簡単な交流が後で仕事をする上に役立つこともある。 持ち帰った資料は、系統だててファイルに入れるのが最良だ。なお会場で配布または販売される「出展者カタログ」は自分のものに加えて数冊の予備を持ち帰ると何かと役に立つ。あとで入手しようとしても不可能に近い。 カタログにはそれぞれの出展者の営業担当者氏名、eメールアドレス、企業のホームページアドレスが記載されているので帰国後のフォローに役立つ。 (5)今年開催される展示会 ヨーロッパは昨年10月にドイツで「イバ展示会」が開かれた後なので、いささか寂しい感じがする。 反してアメリカは今年8月にラスベガスで前述の「ベーカリーEXPO」が開催されるので注目したい。ちなみに同展示会は3年後の2007年には初めてラスベガスを離れてフロリダ州のオーランドで開催される事が決まった。 その他の食品関係の展示会の主なものを列記しておく。 〇スナックEXPO(フィラデルフィア、3月20〜23日) 〇FMIスーパーマーケット展示会(シカゴ、5月2〜4日) 〇ファンシーフード展示会(シカゴ、5月2〜4日) 〇ベーカリーショーケース(トラント(カナダ)、5月16〜18日) 〇ファンシーフード展示会(ニューヨーク、6月27〜29日) 〇アメリカ南西部べーカーズ展示会(オクラホマシティ、9月11日〜12日) 〇アトランティック ベーカリーEXPO(ニュージャージー州アトランティックシティ(10月4〜6日) |



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