ハワイの田舎町がテーマの店 - KOMOPAN - ブランスリー電子版

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お店拝見/2020年12月号

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ハワイの田舎町がテーマの店 - KOMOPAN
ブリトーの仕上げに取り掛かる店主の小森俊幸さん
「KOMOPAN(コモパン)」の外観。クリーム色と明るめの茶色が基調になっている
販売は妻の圭さんらが担当。売り場の脇にはキッズスペースがある
小森さんと2人のスタッフが働く厨房
1年前に開業を決意しコロナ禍で開業準備

 「海で遊ぶついでに来てくれる方も結構いらっしゃるんですよ」
 こう話すのは、神奈川県鎌倉市のベーカリー「KOMOPAN(コモパン)」の店主、小森俊幸さん。同店は、湘南の海沿いを走る江ノ島電鉄・腰越駅から、海を背に歩いて5〜6分という立地だ。
 集客だけを考えれば、土曜日曜ともの営業は外せないが、同店の定休日は日曜と月曜だ。その理由は、「子どもの休みに合わせた定休日を一日作ることで、家族と過ごす時間を確保したかった」(小森さん)からだ。小森さんは店の営業日は、早朝3時から夜まで厨房におり、家族と過ごす時間はとれないのだ。
 オープンは今年の8月20日。外出自粛期間の後だったが「客足が読めなかった」(小森さん)。いざ開けてみると好調な滑り出しとなり、駅近にも関わらず、設けた4台分の駐車場は、満車状態が続いた。
 「不安はありましたが、頻繁に連絡を取り合っているリテールベーカリーの仲間から近況を聞いたり、励ましの言葉をもったり、それらが心の支えになって、無事オープンまで漕ぎつけられたのかなと思います」(小森さん)
 早くも混雑が避けられない人気となった同店。店内は密にならないよう、約8坪の売り場は比較的広々としているが、入店人数を4人までに制限している。入り口のドアには、この人数制限のほか、マスク着用とアルコール消毒の協力を求める貼り紙がある。
 小森さんは神奈川県横須賀市のベーカリーで今年3月まで4年間、シェフを務め上げた。独立開業することを決意したのは昨年8月だ。
 「希望条件に見合う今の物件が見付かったのは、今年の1月で、新型コロナウイルスが世間で騒がれ始めたときです。これから世の中、どうなっていくんだろうという不安な思いの中、開業準備を進めていくことになったのですが、3月に退職して、本格的に準備を始めたのは外出自粛期間のときでした。結果として、その期間は貴重でしたね。ゆっくり考えていくことができたからです」(小森さん)
 店舗デザインは、小森さんが好きな菓子店を手掛けたデザイナーに依頼。外観、内観ともに、クリーム色と明るい茶色の木目が基調となっている。売り場中央にどんと置かれたパンの陳列台は、パイン材を使用したオーダーメイドのもの。明るい色味なので、やわらかく温かな雰囲気を店内全体に醸し出している。
 「デザイナーには、妻も好きな、ハワイの田舎町が舞台となった映画の空気感を出したいとオーダーしました。店舗デザインだけでなく、商品に関してもハワイがテーマになっています」(小森さん)
 妻の圭さんは、販売担当として売り場に立つ。「実はまだハワイに行ったことがないんですよ」と笑いを誘い、場を和やかにする。肩肘張らない接客だ。



「OPU(オプ)」(税抜250円)のクラムの食感は驚くほどとろっとしている
「山食PAN(パン)」(税抜500円)とその断面
「KOMO’S MALASADA(コモズ マラサダ)」(税抜130円)
「PUKA(プカ)」(税抜230円)や「LILIKO’I CHOCOLATE(リリコイ チョコレート)」(税抜390円)などハワイの言葉が使われた商品が目立つ
好きな映画の空気感を再現したデザイン

 陳列台には、「商品に関してもハワイがテーマ」とあって、「PAKA SALT(パカ ソルト)」(税抜200円)や「PUKA(プカ)」(税抜230円)、「OPU(オプ)」(税抜250円)などと、ハワイ語で名前を付けられた商品が並ぶ。
 「ハワイで『パカ』はバター、『プカ』は穴、『オプ』はお腹という意味なんですよ」(圭さん)
 ドーナツのマラサダや、パンでソーセージなどの具を巻いたブリトーといったハワイのローカルフードもある。「KOMOS MALASADA(コモズ マラサダ)」(税抜130円)は、午前中に2回揚げたてを並べる。ブリトーは2種類あり、チョリソーと豆サラダを巻いた商品が税抜390円、ハムとチーズを巻いた商品が税抜300円。どちらも、チーズがたっぷりトッピングされている。
 「ブリトーは一般的にはトルティーヤなどの薄い生地を使うのですが、当店はフォカッチャ生地をベースにしたソフトな生地を使っています。映画の世界から想像力を膨らませたので、かなりオリジナリティーがあるものになっていると思います」(小森さん)
 お腹という意味の「オプ」もフォカッチャ生地がベースだ。見た目はブールのようだが、中のクラムは、食べてみると、その食感と味に驚く。色は黄色味がかった白で、食感はとろっとしていてまるで、クリームがフィリングとして入っているかのようだ。
 「希少性が高く、農家さんから特別に分けていただいている『キタノカオリ』を使用していて、その特徴を引き出しています。甘みはあるし、乳製品は一切使っていないのに、クリーミーな味わいになります」(小森さん)
 同店で使用している小麦は100%国産で、北海道のほか、栃木県で自然栽培をしている農家からも直接仕入れている。
 「栃木県の上野さんからいただいている小麦は、石臼で自家製粉して全粒粉にし、1日に2キロほど使います。貴重な小麦ですから、製粉時ふるいにかけるのがもったいなくて、粗さをカバーするために、熱湯処理して使っています。『山食』に、これを湯種にして使用しているのですが、小麦の甘みが楽しんでいただけると思います」(小森さん)
 「山食PAN(パン)」(税抜500円)は、10%の湯種と、北海道産小麦「ハルユタカ」を90%使用した食パン。乳製品、砂糖不使用で、油脂は太白ごま油を使用している。健康志向の人にも人気で、リピート客も増えてきた。
 「お腹がすいたから食べに行こうかと言ってもらえるような、普段使いの毎日通えるパン屋になりたいですね。そのためのパン作りを考えています」(小森さん)
 「CINNAMON ROLL(シナモン ロール)」(税抜230円)の甘さをかなり控えめにしていることや、全粒粉入りブリオッシュにカシスクリーム入りの「カシス」のボリュームを控えめにしていることも、「もう1個食べたいと思えるおいしさにしたい」(小森さん)という思いが込められている。
 先日社員が新たに加わった。ベーカリーは未経験で、カフェ勤務経験者だという。
 「これから、パン屋の枠にはまらず、カフェや料理の要素など色々なものを取り入れていくことで、面白いものを生み出していきたいと思っています」(小森さん)

SHOP DATA
店名:KOMOPAN(コモパン)
住所:〒248‐0033 神奈川県鎌倉市腰越4丁目9番4号
電話:046‐755‐5142
営業時間:午前8時30分〜午後5時
定休日:日曜、月曜
品揃え:約50品目
スタッフ:製造常時3人、販売常時1〜2人
店舗面積:売り場約8坪、厨房12坪
日商:約16万円



この記事の読みどころ

●コロナ禍でのオープンで、不安はあったが、仲間からの励ましの言葉が心の支えになった。
●子供の休みに合わせた定休日を確保した。
●ハワイをイメージした商品を、国産小麦で作る。
●普段使いの毎日通えるパン屋になりたい。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



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