第28回のレーズンパンコンテストを開催 - カリフォルニア・レーズン協会 - ブランスリー電子版


アーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
ブランスリー新聞/2020年8月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


第28回のレーズンパンコンテストを開催 - カリフォルニア・レーズン協会
審査員らと受賞者らが集合しての記念撮影
レーズン大賞に輝いた「ざっくりとろけるラムレーズン」
レーズン大賞に輝いた「カリフォルニアの恵み 〜美味しい三重奏〜」
カリフォルニア・レーズン協会(駐日事務所=東京・千代田区、ジェフリー・マクニール駐日代表)は、6月12、13の両日、東京・江戸川区の日本パン技術研究所で、「第28回カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト」の最終実技審査を行った。
 カリフォルニア・レーズン大賞は、量販・インダストリーベイク・ベイクオフ製品部門が、福岡のベーカリーフランソア、谷口美幸さんが出品した「ざっくりとろけるラムレーズン」が、オールスクラッチ製品部門ではリテールベーカリーチェーンのドンク、西川亜季さんの「カリフォルニアの恵み 〜美味しい三重奏〜」がそれぞれ受賞した。
 「ざっくりとろけるラムレーズン」は、ラム酒に漬け込んだレーズンと酸味のあるクリームチーズ、ラズベリージャムなどを使用した製品。レーズンの甘み、ジューシーな食感が存分に味わえるように仕上げたという。レーズンのジューシーな 食感が引き立つように、パン生地は、口溶けのよい配合にして、トッピングにクランブルとグレーズを使ってざっくりとした食感に仕上げ、一口食べていろいろな食感が味わえるようになっているという。
 「カリフォルニアの恵み 〜美味しい三重奏〜」は、レーズン、クルミ、バレンシアオレンジを使用した甘みと酸味のバランスが取れた製品。レーズンはラム酒に漬けて甘みとジューシーさを、オレンジはコアントローに漬けて酸味と爽やかさを引き出した。クルミは刻んでクラックランにし、食感のアクセントとして使用。仕上げに使用したバレンシアオレンジのジュレは見た目を華やかにし、またスターアニスと煮つ めることで、スターアニスの効能と風味をプラスしている。
 今回のコンテストは、「量販・インダストリーベイク・ベイクオフ製品部門」(工場で生産し、完全包装で販売する製品とベイクオフ・ QBD製法で生産し販売する製品が対象)と「オールスクラッチ製品部門」(店舗や工場でのオールスクラッチ製法で生産し販売するパン)の2部門で製品を募集し、合計136製品の応募があった。その中から、第一次書類審査を通過した19人が最終審査に臨んだ。
 審査員は、カリフォルニア・レーズン協会駐日代表のジェフリー・マクニール氏、ベーカリーコンサルタントの西村一雄氏、ベーカリーコンサルタントの渡邉睦氏、辻製菓専門学校の伊藤快幸氏、東京製菓学校の高江直樹氏、服部栄養専門学校の若松貴之氏、全国パン専門新聞協会代表の高家正史氏が務めた。
 審査の結果、カリフォルニア・レーズン大賞2人のほか、カリフォルニア・レーズン金賞が3人に、カリフォルニア・レーズン特別賞が6人に授与された。合計で11人の受賞者らには入賞楯と、副賞としてカリフォルニア・レーズンの産地であるカリフォルニア州フレズノへの研修旅行が贈られた。
 今回のコンテストは、コロナ禍の中で行われたため、最終審査当日は、来場者全員に対し非接触温度計による検温を実施し、石鹸による手洗いとうがいを済ませてから会場入りしてもらうなど、感染拡大防止に万全を期して行われた。
 審査員の山粼豊氏の総評 どの作品も、レーズンを主役としてレーズンの美味しさを究極に求めており、色々な食品、食材と組み合わせておいしさを表現していて、本当に素晴らしい作品が多く、技術レベルの高さを感じることができました。季節商品や健康をコンセプトにした商品、また、食材として和の材料やスパイスなどを幅広く使用した商品が多く、レーズンパンの可能性を感じさせ、消費者にも十分楽しんでいただける作品ばかりだったと思います。その中から本日、大賞が決まりましたが、第一次審査の審査員全員が納得できる作品が選ばれたのではないでしょうか。
 二点ほど、今後のレシピ提出についてお願いがあります。 まず、 第一次審査は作品の写真が大切です。自分の作品を最初にアピールするのが写真です。今一度、作品写真の撮り方を考えていただきたいと思います。また、未だに、レシピの材料名に商品名を記入して減点されている応募作品があります。選考で僅差の場合、この減点が響く可能性もありますので、提出前に再度確認し、見直してほしいと思います。
 審査員の渡邉睦氏の総評 最終審査には非常に素晴らしい作品が揃って、甲乙つけがたく、選考は本当に悩みました。今回の特長として、和素材とレーズンを組み合わせるなど、色々な素材の使い方に工夫が見られ、色々と試行錯誤されたことがうかがえる作品が多かったように感じました。以前は、 組み合わせた味に少々疑問を感じる作品が出たこともあったのですが、今回はいずれも大変美味しく、どの作品が選ばれてもおかしくなかったと感じています。
 私からのアドバイスとして、商品開発中は、試作をしていくうちに味や食感を考えてどうしても色々と足していってしまい、あるところでどれを引いたらいいか分からなくなってしまうことがあります。そうすると、配合が複雑になり手間がかかりすぎてしまい、最終商品として実際にお店で販売するときにネックになってしまうケースもあります。ですので、どんどん足していったときは引いていくことが大事で、最終的にはできるだけ少ない材料、少ない手数、作業数で効率よくやっていき、利益を出せる商品作りを、検討していただければと思います。
   ◇
 各賞受賞者は次の通り。
【量販・インダストリーベイク・ベイクオフ製品部門】
▼カリフォルニア・レーズン大賞▽フランソア、谷口美幸さんの「ざっくりとろけるラムレーズン」
▼カリフォルニア・レーズン金賞▽ニューイングベーカリー九州、合田桃子さんの「くるくるレザン・ノワ」
▼カリフォルニア・レーズン特別賞▽神戸屋、近藤絢香さんの「『冬にほっと』シナモンレーズンフラワー▽神戸屋、田中悠さんの「和のレーズンツイスト 〜ジンジャーのかくれんぼ〜」
【オールスクラッチ製品部門】
▼カリフォルニア・レーズン大賞▽ドンク、西川亜季さんの「カリフォルニアの恵み 〜美味しい三重奏〜」
▼カリフォルニア・レーズン金賞▽カネカ食品、長野実加子さんの「Vague au Raisin」▽トモニパン、浅井一浩さんの「トリプル効果でおいしく健康! 小豆茶レーズンライブレッド」
▼カリフォルニア・レーズン特別賞▽ブーランジュリー アヴェック、上村昭博さんの「Flo raisin〜はんなり梅酒レーズン〜」▽グルマンマルセ、相田綾さんの「Campagne raisins secs 〜パンを分け合う人々へ〜」▽ドンク、小林莉子さんの「Pane all’uvetta giapponese」▽Boulangerie Kishimoto、岸本章さんの「大地の恵み」








2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら

読んでほしい記事

  1. コロナ禍を経て辿り着いた会話を楽しむ対面販売 - hnn
  2. 消費者はパン屋選びにSNSをどう使っているか? - 消費者アンケート
  3. ベーカリーの販促はSNSで決まり