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| 連載/2020年6月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 日本のすべてのベーカリーが、セルフ販売の問題点について考えた - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(36) | |
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今回の新型コロナウイルス感染拡大は、世の中の様々なことについて、改めて深く考察する機会を与えてれました。キャッシュレス化について、働き方改革について、地獄の通勤ラッシュについて、そして、夫婦や親子関係について、普段は考えが及ばなかった様々なことが、多くの人たちの頭の中を駆け巡ったに違いありません。
リテールベーカリー業界に目を向ければ、巣ごもり需要で売り上げは伸びましたが、感染防止のための多くの施策の実施にてんやわんやの状態でしょう。パンに来店客の飛沫が飛ばないようにするためにパンを個別包装したり、パンに透明のカバーをかぶせたり、来店客にマスクをしてもらうことを徹底したり、店内で客同士が距離を保てるように、レジに並ぶ際の立ち位置の目安のしるしをつけたりと、日頃から忙しいベーカリーのオペレーションが、さらに忙しくなっているのではないでしょうか。 ベーカリーのオペレーションについて、様々な角度から改めて深く考えさせられたと思いますが、商売の進化はこういう時こそ、達成されやすいのだと思います。 ここで考えてみたいのは、リテールベーカリーの専売特許であるセルフ方式の販売方法です。焼きたてパンの新鮮な感じが伝わりやすく、パンの扱いも、顧客の立場からも、店のスタッフの立場からも、簡単にできるという優れた販売方法であり、だからこそ、日本中で、数多くのベーカリーが採用しているのでしょう。 しかし、本誌が頻繁に行っているベーカリーの様々な事柄についての消費者アンケート調査では、食品であるパンを長い間、多くの人が行きかう場所に裸で置いておくことに対する不安感には根強いものがあることが分かっています。ヨーロッパなどでは、日本のように食品を裸で陳列することを、衛生上の問題から法律で禁止している国もあると聞きます。 普段私たちは、パンの裸での陳列について、当たり前のこととして、知らず知らずのうちに、その本質から目をそらしていたのかも知れません。 しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、日本中のすべてのリテールベーカリーが、セルフ方式のパンの販売方法の問題点に否が応でも向き合わざるを得なくなりました。これだけ多くのパン屋が同じ課題について同じ時期に考えることは、多分戦後初めてのことではないかと思います。 私がベーカリーを回ってみて、「いいな」と思ったのは、陳列用のトレー2つ分ぐらいの大きさの透明のドームのような形の陳列ケースです。その中に2種類のパンがそれぞれ10個ぐらい陳列されていて、客は片手にトレーを持って、もう片方のトングを持った手で、トングを持ったまま簡単に扉を引き上げて、パンを取ることができます。扉を引き上げると、手を離した位置で固定されるので、扉をおさえている必要はありません。焼きたての時は、扉を最初から全開にしておけば、焼きたてのシズル感は十分に伝わります。私が見たものは、多分透明なプラスチックのようなものでできていたのですが、これがアクリル製であったら、高級感が演出できると思います。 いずれにしても、この機会に、衛生面の問題をクリアした次世代型のセルフ販売の方法が日本中のパン屋の英知を結集して、生まれてくることを期待したいと思います。(RO) |



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