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| お店拝見/2002年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 自店のパンを味わう - ボナペェティ | |
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「ボナペェティ、たくさん召し上がれ」。心のこもったそんなことばがぴったりの小さなパン屋さん「ボナペェティ」が、昨年12月、東京・江東区にオープンした。
住所 東京都江東区東陽1‐15‐7 電話 03-5653-1613 営業時間 平日午前8時〜午後7時、土曜午前9時〜午後6時 定休日 日曜・月曜・祭日 |

| 買う人の立場で考える。バゲットは個包装して陳列 | |
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「いつもパンを買う立場で自分の店を見るようにしています」
夫の石田豊さんと共にボナペェティを切り盛りする石田理英さんは気負いなくこう話す。 自店のパンを味わってみることが基本だ。しかも、焼きたての状態、1日経った状態、2日経った状態、3日経った時の状態を自分の舌で確かめる。 「お客様は、焼きたての状態で食べるとは限りませんから」と理英さんはいう。 例えば、「胡麻チーズ」という商品。胡麻を練り込んだ比較的リーンな生地でさいの目チーズを包んだ製品だが、1日経った時点で食べたら、中のチーズが粉っぽく感じられた。 材料問屋に問い合わせたところ、チーズどうしがくっつかないように表面にかけた物質が、原因であることがわかった。 表面に何もかけていないものを求めたが、手に入らなかった。そこで、シュレッドチーズ(数種類のナチュラルチーズを混ぜ合わせたもの)をいっしょに包んで焼いてみたところ、1日経っても粉っぽさが気にならなくなった。 くるみを練り込んだ「くるみ食パン」は2〜3日経ってもやわらかかった。 この商品を購入する客には、「2〜3日後でもトーストせずにそのまま食べてください」と提案する。 早く中まで火が通るように成形に工夫を凝らしたパンも多い。 顧客の立場で考えるのはパンの製法についてだけではない。 バゲットの陳列方法も顧客の立場に立って考えた。一つひとつをバゲット用の紙袋に入れて、籐籠にさすのだ。「バゲットはトングではとりづらい」と考えたからだ。 客は、トングではなく手でバゲットをとる。 |

| 幅の狭いトレーにパンを陳列。親しみやすく暖かな雰囲気 | |
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石田理英さんは、パン教室の助手として働いたあと、フランスのノルマンディーやオーリャックのベーカリーでパン職人として働いた経験を持つ。帰国後は東京・青山のあるベーカリーの製造責任者を務めた。夫の豊さんとはそのベーカリーで共に働いた仲間だった。
「2人で店をやれたら」と考え、物件を探したところ、現在の場所がすぐに見つかった。「狭いのですが、面した歩道が広くていいなと思いました」と理英さんはいう。 店舗の内装、厨房のレイアウトはすべて自分たちで行った。パンが映えて、暖かい雰囲気の店にしたかった。子供から年配者まで幅広い年齢層の人たちに親しみやすい店にしたかった。小学生が一人でも入りやすい店にしたかった。 豊さん自ら陳列棚を設計した。「エレクター」と呼ばれる金属製の陳列棚は、冷たい印象を与えると感じ、使わなかった。 狭い陳列スペースにできるだけ多くの種類のパンを並べるために、幅の狭いトレーを陳列棚に隙間なく並べた。 |

| 顧客との関わりの中で成長する。思ったよりハード系を好む | |
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オープンして約6カ月。理英さんは「バゲットなどのハード系のパンは売れないのではないかと思っていましたが、いざふたを開けてみると意外と売れるんですよ。年配の方が買っていかれることも多いんです」と話す。
フランスパンは、小麦粉、イースト、水、発酵生地を捏ねて作る。ビタミンC、モルトは配合しない。発酵は低温で長時間とる。比較的歯切れがいいのが特徴だ。バゲットのほか、エピなど約5品目。ソフトフランスの品揃えも充実していて、「あんバターフランス」(110円)、「ミルクフランス」(110円)、「ブルーベリークリームチーズフランス」(140円)などおよそ8品目。 下町というイメージがあったので、最初はあんパンの品揃えを充実させていたが、ハード系やデニッシュなどを好んで買っていく顧客が多いことがわかり、現在はあんパンよりデニッシュなどの品揃えを強化している。 現在デニッシュの品揃えは、日替わりの商品も入れておよそ25品目。人気は「シナモンアップル」(180円)や「バナナデニッシュ」(170円)など。 子供連れの客も多いので、動物パンも作っている。子供の目線を考えて、陳列棚の最下段に並べている。問題は子供がパンを触りたがること。そこでさまざまな動物パンを見本として店のあちこちに飾り、子供が興味を示したら、見本のひとつを手渡すようにしているそうだ。「母親がパンを選んでいる間、じっと待っていられるし、売り物のパンに触ることもなくなりますから」と理英さんは説明する。 食パンもよく売れる。毎日作る「パンドミ」(1斤280円)と「イギリスパン」(1斤260円)のほか、「全粒粉パン」(1斤230円)や「レーズン食パン」(1斤230円)など日替わりの商品もある。 パンドミはバターを多めに配合したリッチな食パンで、イギリスパンは粉の旨味を楽しむリーンな配合の食パンだ。いずれも特徴をはっきりと出している。 ◇ ボナペェティは、営団地下鉄・木場駅から徒歩約5分の距離。「大門通り」という大きな通り沿いにあり、店舗の前の歩道がかなり広い。 店舗面積は11・5坪(売り場4・5坪、製造スペース7坪)。製造は、豊さんが中心に行い、理英さんは、製造と販売の両方をこなす。販売スタッフがもう1人いて、合計3人の体制だ。 |

| 買う立場になって開発した商品 | |
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パンオルヴァンクランベリーノア
全粒紛から起こした種で作る製品。この種はボナペェティのオープン以前から現在まで10年以上継ぎ続けている。「フランスでルヴァンシェフと呼ばれるものです。小麦粉の味を味わってほしいと思うので、種も、レーズンなどではなく、全粒紛から起こしたものを使っているんです」と石田理英さん。1つ450円。 同じ種で、クランベリーノアのほかに日替わりで、様々な製品を作っている。 クロワッサンオンザマンド 焼き上げたクロワッサンを、ラム酒をたっぷり入れたシロップに浸して、アーモンドクリームをサンドする。上面にもアーモンドクリームを絞って再び焼成する。フランスでパン職人として働いたことがある理英さんにとって、定番中の定番商品だ。1つ210円。 シナモンアップル 日替わりの商品も入れておよそ25品目あるデニッシュの中で、最も人気がある商品のひとつ。星型に入れたデニッシュ生地に、シナモンクリームを絞り、ソテーしたりんごをトッピングして焼き上げる。180円。 「時間をおいて食べてもとてもおいしいですよ。ギフトとしてまとめ買いするお客様もいます」と理英さんは話す。 |
| 特徴をはっきりと打ち出した定番の食パン | |
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パンドミ
バターを多めに配合した、口溶けのいい食パン。イギリスパンと並んで、ボナペェティの定番の食パンだ。1斤280円。「トーストしてもそのまま食べてもおいしいですよ」と理英さん。 イギリスパン リッチな配合のパンドミに対して、ハード系のパンに近い生地を焼き上げた食パン。「粉の旨味が生きたボナペェティ自慢の食パン」だ。1斤260円。 |
| クリスマス限定のつもりが、通年の商品に! | |
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シュトーレン&シュトーレン(アーモンド・チョコ)
オープンして間もない昨年のクリスマスにシュトーレンを作った。ドライフルーツやナッツを練り込んだ一般的なものと、ドライフルーツやナッツを練り込まずに、刻んだクーベルチュールとアーモンドだけを練り込んだものの2種類がある。価格はいずれも560円だ。 最初はクリスマス限定のつもりだったが、顧客から「いつもあったらいいのに」といわれ、通年の商品にしたところ、着実に売れている。 「ちょっとしたお遣い物として買っていかれる方も多いようです」と理英さん。 「ただ、これから暑くなると、シュトーレンはちょっとくどいかなとも思うので、現在夏向けの同じ意味合いの商品として、フルーツケーキやシフォンケーキなどを検討中です」とも。 |
| 店内の雰囲気を盛り上げる役者たち | |
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ドリンク用の冷蔵ショーケース
ドリンク類は、低温殺菌の牛乳や、フランスス産のオーガニックジュースなどを販売。 選んだ冷蔵ショーケースにもセンスが光る。 陶器のクグロフ型 フランス製の陶器のクグロフ型が店内の雰囲気を盛り上げる。販売もしている。フランス産のジャムやチョコクリームなども販売。 どうぶつパン 水を使わず、牛乳で仕込む。生クリームやバターを配合して、子供がそのまま食べておいしく感じるように配慮している。 |
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