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| 特集/2020年6月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| 経営状況とのバランスを考えてパート、アルバイトも多数雇用する - BEAVER BREAD | ||||||||||||||||
「能力的に優秀かどうかという側面よりも、当店のマインドを理解してくれるかどうかという事が定着につながっているのではないかと思います」と話すのは、歴史ある老舗と若い世代の店が新旧共存し立ち並ぶ東京・東日本橋のベーカリー「BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)」の「創設者」こと割田健一さんだ。同店は割田さんの自由な発想で生み出した個性的な商品が話題を呼び、2017年11月のオープン以来急ピッチで繁盛店へ成長を遂げてきた。 「経営状況とのバランスを考えると、かけられる人件費の幅は限られてきますが、必要な人材には十分な待遇を与えなくてはなりません。そのため当店では正社員は数名のみの採用にとどめ、その他多くの業務をパート・アルバイトスタッフの方の力に頼っている状況です」(割田さん) 同店で現在、正社員として働く従業員は4月下旬の取材日時点で3人。そのほかパート・アルバイトスタッフが26人在籍しているが、そのうち2人が6月から正社員登用される予定という。残りのパート・アルバイトスタッフは、ほとんどがフルタイムではなく、空いた時間を利用して働く学生や主婦、自ら協力したいと働きに来てくれている知人で、他の飲食店を経営する人もいる。 これらのスタッフはフルタイム勤務の者はほとんどいないが、社員の者とともに常時8人体制で動く製造業務のほか、接客やレジ対応といった販売業務、品出しや商品の袋詰めといった雑務まで広く店の業務に携わるなくてはならない存在だ。 入社後の研修や業務内容まで含めて、正社員とアルバイトで大きな違いはない。ただし、採用時に正社員登用希望である事を伝えれば、2、3カ月ほどの勤務を経て、ほとんどの者が正社員になる事ができるという。正社員になれば、ボーナスや保険、有給などが保障される。 想いが強い人の方が定着しやすい 同店の採用の面接は希望する条件が一致しない場合を除いてほぼ100%合格する。しかし、長く続く人は知人や専門学校からの紹介で来た人が圧倒的に多いという。 紹介以外で応募してくる人も多くはフェイスブックやインスタなどを経由して連絡してくる人たちで、同店の事をもともとよく知っている人が多い。 一方、求人媒体などを通じての募集は割田さんの過去の経験から、あまり適性のある人材がくることがなかったため全く行っていない。 「単にベーカリーで働きたいだけではなく、当店に対する想いが強い人の方が定着しやすいのかも知れません」(割田さん) ただ、なるべく働きやすい環境をつくるため割田さん自身も始終苦心している。 例えば女性が多い職場のため、従業員同士の人間関係で気を遣う事もあるが、なるべく平常心で業務に集中してもらえるよう定期的な個人面談を行う事も重視。残業は月4時間まででおさまるようにし、その分の手当も出すなど、ある程度プライベートも守れるような働き方をさせたいと考えている。 育てるのではなく機会を与える また、割田さんは、独立希望者など、将来に対する想いの強い人は十分に支援していきたいと考えている。ただその際には「育てる」というより「機会を与える」という考え方を重視しているという。例えば、昨年は、そういった想いの強い一部の社員をフランスへ研修旅行に連れて行った。 「育てようという考え方になると、何が本人にとって良いかがわからないまま、無理にこちらの考えを押し付ける結果になってしまいがちですが、成長のため必要な研修を受けさせたりするなど機会を与えてあげることはできます。店の利益を考えれば、即戦力として働き、なるべく長く勤めてもらう方がよいのかも知れませんが、私は、3年も勤めあげてくれたら十分だと思っています」と割田さんはいう。 さらに「今は独立を希望している従業員も二人ほどいますが、与えられるものは与えて、あとは本人の考えで頑張って欲しいと思っています。その過程で当店のために尽くしてほしいとも思いますが、あまり見返りを求めすぎないようにはしていますね」。 コロナ禍後は、主婦のパートスタッフの数が減ってしまったが、幸いその分休校中の学生が多めにシフトに入ってくれるようになったので、今のところは大きな人手不足に陥ってはいない。 今後については「先行きは不透明ですが、コロナ禍が落ち着いた後は不況でも働きたい人自体は一杯出てくるはずなので、例えばパンではなく料理全般を極めたい人も入れるなど、採用の間口をもっと広げて様々な人材を活かせるようになればとも思います。ただ勿論、その過程で多少のトラブルもついてくるとは思うので慎重に進めていきたいですね」(割田さん) SHOP DATA 店名:BEAVER BREAD(ビーバーブレッド) 住所:〒103−0004 東京都中央区東日本橋3-4-3-1F 電話:03‐6661‐7145 営業時間:午前8時(緊急事態宣言中は午前10時)〜午後7時(土曜、日曜、祝日は午後6時まで) 定休日:月曜、火曜 品揃え:パン約80品目 スタッフ:製造常時8人、販売常時3人 店舗面積:厨房(1、2階合わせて)16.8坪、売り場2.7坪 | ||||||||||||||||

| 人材の確保はうまくいっているが、製造責任者育成が課題になっている - パラオア | |
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週4日営業で週休3日で運営
千葉県鎌ケ谷市のベーカリー「パラオア」は、木、金、土、日の週4日営業の週休3日で運営している。 同店は2009年に千葉県白井市にオープン、2012年に現在の場所に移転した。2018年11月には同県船橋市に販売機能のみの2号店「船橋法典店」もオープン。 開業当初は売り場と厨房合わせて8・5坪という小さなスペースで店長の池口康雄さんが製造と販売を1人でこなしていたが、移転と前後して徐々にスタッフの数も増えていった。現在は製造専門の社員とパートが2人ずつ計4人いるほか、販売専門のパート・アルバイトスタッフが15人働いている。 「人手に関しては週休3日でやっている現在はとりあえず大きくは困っていませんが、以前のように週休2日に戻せればという気持ちもあります。ただ自分がいなくても仕事を全て任せられるような製造責任者があと一人はいないと厳しいですね」(池口さん) 開業から11年経つが、その間の一時期、週休2日で営業していた事もあった。ただし現在は週休3日でないと営業できない状態が長く続いている。 いかに長く定着してもらうか 同店では、社員に関しては、ある程度の製造の経験がある人や、製菓・製パンの専門学校の新卒者などを採用。ただし、最近は若年層の人口減と仕事に対する考えの変化もあってか応募自体が減ってきた。 また新しい人を採用するという問題の前に、従業員にいかに長く定着して勤務してもらうかも課題だと考えている。 「労働時間や待遇の問題からプライベートを犠牲にしがちな業界である事は否めませんが、長く続けていくうちに仕事全体の流れがわかるようになり楽しくなるという事を知ってもらいたいと思います」と池口さんは話す。 以前、他の店を経営する知人と話した際、「研修自体の充実を図るために、お互いに、他店ではどのような研修を行っているかどうか訪問して視察しあうといった事ができればまた違うのではないか」といった話が出た事があった。 必ずしも独立したいという目標がなくても、各自の成長意欲を引き出すために、研修のやり方を考え直す必要があるかもしれないと池口さんは話す。 「普段の業務の中で、どういったパンを作りたいかといった気持ちや小さくても何らかの目標を持てるような環境づくりが必要かもしれません」(池口さん) 能力の高さより柔軟性がものをいう ただし経験者が入社する場合、職人としての能力の高さより、同店のやり方に合うかどうかや、馴染んでくれるかどうかの方が大きく影響すると池口さんは実感している。単純に給与を高く設定したからといって、店が要求していることに充分に応えてもらえるとは限らない、と考えている。 「当店の場合、大手と違ってポジションが固定されていないため、ある程度臨機応変に全体を見て仕事を進めていく必要があります。経験が長くても得意な工程が一箇所に偏っている場合、当店ではやりにくいかもしれません。逆に未経験でも、意欲的であれば新しい事をどんどん吸収してくれるので、育てやすいかも知れません」(池口さん) 池口さんには、販売のパート・アルバイトスタッフで決まったシフトで入れる人をもっと増やすことができれば製造スタッフの負担も軽減し、研修などに時間を費やすこともできるのではという思いもある。 現在はコロナ禍の影響で主婦のパートスタッフで休む人が続出しているため、学生アルバイトに多めに出勤してもらっている状態だが、シフト体制としては若干不安定だ。 できれば販売にも、リーダー的な人がいた方がいいのでは、と考えている。 そのため、該当する人がいれば採用したいと考え、店のHPには常に求人を出している。 SHOP DATA 店名:パラオア(本店) 住所:〒273-0107千葉県鎌ヶ谷市新鎌ケ谷4-6-28 電話:047−468−8046 営業時間:午前9時〜午後7時(緊急事態宣言中は午後5時まで) 定休日:月曜、火曜、水曜 品揃え:平日100品目、土日120品目 スタッフ:常時製造3人、常時販売2人 店舗面積:売場8坪(イートイン6席含む)、テラス席8席、厨房(倉庫、バックヤード含む)17坪 日商:14万円(平日)、21万円(土日) |

| コロナ禍で、販売の人員が若干不足。社員の育成は、個人面談を重視する - トーホーベーカリー | ||||||||||||||||
東京・三鷹市のベーカリー「トーホーベーカリー」では現在、正社員が15人、パート・アルバイトスタッフが20人在籍している。正社員のうち10人は製造担当で、行く行くは製造の方へうつる予定の3人を含む5人が販売担当だ。パート・アルバイトスタッフは、8人がサンドイッチ製造で、12人が販売を行う。 店長の松井成和さんによると、製造の従業員は必要な人員を十分に入れており、人手不足に該当するような状況ではないという。 ただしコロナ禍の影響で、主婦で子供が休校になったため出勤できなくなったパートスタッフのほか、緊急事態宣言が出る前の時期に里帰りしていた一部の学生アルバイトスタッフもそのまま東京に戻ってこなくなったため、若干販売の人員が不足している。 実は、正社員はもともと製造担当の者しか採っていなかったが、数年前から販売専門の社員も採るようになった。パートスタッフのシフトを管理し、売場の状況など含めて何かあればスムーズに「ホウレンソウ」と呼ばれる報告、連絡、相談の業務をしてくれる販売の社員がいることで、全体が働きやすくなることに気づいたからという。 働き方改革で週休2日の必要性が叫ばれるが、実は販売の人員の労働量や働き方次第で社員が長時間労働せず週休2日で休めるかどうかが変わってくる。販売の人員が不足すれば製造担当者の社員が代わることもあるからだ。 現在はコロナ禍による営業時間短縮もあり、人手不足というレベルではなくても、求人は常に出し人材を募集している状況だ。できれば販売で不足した分の人材が確保できれば望ましいが、社員希望者も随時受け付けているという。 定期的な個人面談で状況を確認 同店の社員は全体の7、8割が製菓製パンの専門学校の新卒者で、その他、大卒の新卒者や中途採用や独立希望者などを採用している。 入社後の研修は個人面談を交えながら本人としっかり話し合い進めていく事を重視している。 はじめの1週間は毎日8時間労働でとりあえず店の環境に慣れてもらい、その後は半年間の試用期間を経て社員になるが、その間にどこか一つのポジションに絞って仕事を専門的に吸収してもらう。その間、定期的に個人面談を行い状況を確認しながら、入社後1カ月もすれば正社員と同じ仕事内容と労働時間で従事、月1回の全体ミーティングにも参加してもらう。こうした過程を経て正社員希望で入社した者の大体95%は正社員登用されるという。 「本人の希望を聞いて状況を確認し合う事で、社員として十分に成長していってもらえるようにしています」(松井さん)。個人面談は正社員登用後も毎回賞与を渡す前などに行い、その際はなぜこの額が適当なのかとはっきりとした説明を行うという。 全体的に平均で4年位勤務する者が多いが、他の職場と比べると女性が比較的多く、半数くらいを女性が占める。ただし女性社員の7割は数年で寿退社、残り3割は他店や類似する業種へ転職する事が多い。 また独立希望者の中には、実家のベーカリーを継ぎたいという者が割と多いのも特徴だが、松井さん自身が今の店の前身である実家のベーカリーを継いでリニューアルを経て繁盛店へ育ててきた事もあり、必要なアドバイスや支援はしているという。 パン屋という仕事の人気が下がっている 「社員採用の面接希望者は、前はウェブ上に出せば毎月1、2回位コンスタントに来ていましたが、ここ2年位はそれが激減してきた印象があります」と松井さんは話す。 同店は地域を代表する繁盛店だが、正社員登用の採用に関しては、最近は自ら専門学校の製菓・製パン科などへアプローチしていかないと充分な人材を確保できなくなってきているという。その背景には職場環境や待遇云々の前に、少子化で新卒世代の若者の数自体が減ってきている事、さらに「パン屋」という仕事そのものの人気が落ちている事などがあるのではないかと危惧しているという。 対策としてフェイスブックやインスタグラムなどのSNSを駆使して、商品や店内の様子などに関するより魅力的な「インスタ映え」する画像を発信。 「写真はお客様に対してのアピールでもありますが、実は将来を考えている若者へパン屋の世界の魅力を知ってもらい、働く場としても考えてもらいたいという気持ちもありますね」(松井さん) SHOP DATA 店名:トーホーベーカリー 住所:〒181‐0013 東京都三鷹市下連雀1‐9‐19 電話:0422‐43‐6311 営業時間:午前7時〜午後7時(緊急事態宣言中は午後6時まで) 定休日:日曜、第3月曜、祝日 品揃え:約100品目(緊急事態で現在75品) スタッフ:製造13人、販売7人 店舗面積:厨房25坪、売り場14坪 日商:平日75万円、土曜日120万円 | ||||||||||||||||

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