改良を続けて進化する人気商品 - ブーランジュリ シマ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2020年4月号

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改良を続けて進化する人気商品 - ブーランジュリ シマ
「チキンスパイスカレーパン」(税抜280円)と「チーズ揚げパン」(税抜300円)は注文後に揚げるため、商品写真とプライスカードのみが売り場に置かれている
オーナーシェフの島健太さん
揚げたての「チキンスパイスカレーパン」
揚げたての「チキンスパイスカレーパン」の断面
注文を受けてから揚げるカレーパン

 「お声がけください」と書かれたPOPの付いている「チキンスパイスカレーパン」(税抜280円)。売り場には商品写真とプライスカードのみがあり、実物は並ばない。その理由は揚げたてを提供するため、客が注文した後、揚げる仕組みをとっているからだ。
 土日など多い日は1日に100〜150出る人気の同商品を提供するのは、東京・世田谷区の「ブーランジュリ シマ」。オーナーシェフの島健太さんが2007年に開業した。「チキンスパイスカレーパン」は開業5年目の頃、開発期間2年を経た後に販売を開始した。
 「実は開業当初、カレーパンは揚げていなかったんです。そもそもフライヤー自体を置いていませんでした。当時は揚げ物をして厨房を汚してしまうのが嫌だという気持ちもありました」(島さん)
 カレーパンを焼いて作っていた頃、その焼きカレーパンについて取材を受けた。そのときカレー研究家として知られる水野仁輔さんに出会い意気投合、スパイス料理の食事会に招かれた。
 「スパイスの香り豊かなカレーを食べて、今まで自分で作っていたカレーとは違うと思いました。そして従来のイメージに合わせて作るのではなく、独自のカレーを見つけていくべきだと思いました。焼きから、揚げに変更したのは、学生の頃、朝通学で通りがかるベーカリーでよく買っていたカレーパンの記憶が蘇ったからです。いつも揚げたてでおいしくて。オリジナルのカレーと揚げたてのおいしさを、皆に食べてもらいたい、そう思って開発に取り掛かりました」(島さん)
 カレーに使うスパイスは実のままの状態のものが5種類、パウダー状に挽いたものが5〜6種類で、肉は鶏肉を使用。北インド風だが油分は控えめにし、さっぱりとした味にしている。
 「スパイスは調合だけでなく、調理での扱い方によっても香りや味が変わってきます。ですので賄いでカレーを作ったりして毎日のように色々と試し、改良を続けています。そうして毎回少しずつですが変わっていってますから、8年前の発売時のものと比べれば、間違いなく違う味になっていると思います」(島さん)
 同商品に次ぐ2番人気の「チーズ揚げパン」(税抜300円)も注文後に揚げる商品で、賄いから誕生した。温かい状態で食べて欲しい両商品だが、土産に購入していく人もいるという。
 「当然ですが冷めてもおいしいということは大事にしています。パンはもちもち弾力があるように、カレーは油分を少なくあっさりといただけるようにしています」(島さん)
 自宅でおいしく温める方法についての案内もしている。販売担当で妻のやすよさんは温め方を書いた紙を作成し、必要に応じて渡している。
 「カレーパンの温め方は、お客様からよく聞かれます。私自身も温めた方が好きなので、案内の紙を作りました。口頭の説明だけより、紙もあった方が、温めてくれる確率は上がるんじゃないかなと期待しています。また、カレーパンを複数個購入されるお客様の中には、温め方の紙も複数枚お持ちになる方もいます。自宅用とは別に、お土産にしていただいているのかなと思っています」(やすよさん)
 手土産として人気なのはこのほかに、「アイスパン」(税抜198円)がある。白焼きしたパンにぎっしりとバニラアイスまたはチョコアイスを注入した商品。アイスは甘さ控えめの自家製だ。アイスとパンのボリューム感がちょうどよく、デザートにも軽食にもなるので、季節を問わず売れている



赤と白を基調とした明るい雰囲気の店内
「ブーランジュリ シマ」の外観。黒板で「チキンスパイスカレーパン」は注文後に揚げることを掲示している
パンが並ぶ陳列台の向かいのスペースには、「オレンジサブレ」(税抜150円)など約10種類の焼き菓子が並ぶ
日替わりの楽しみを創出し喜んでもらう

 同店は最寄り駅から徒歩で10分以上のところにあり、「駅近立地のように通りすがりや買い物ついでではなく、当店のパンを買う目的でわざわざ足を運んでくれます」と、島さん。
 「お客様の好みや購入頻度、家族構成などの情報は大事なデータとして頭に入れて活用しています。例えば、いつも購入されるものはすぐに用意したり、反対に購入されていなかったら買い忘れがないか声をかけたり。欠品のときは代わりになるような商品をご提案させていただいたりします」(島さん)
 月曜と火曜の2日間を定休日にしているので、平日の営業は水曜からの3日間。この3日間は、日替わりで1〜2アイテムの特売を行う。取材日は平日の木曜だったため、「山食パン」と「角食パン」を40円値引きして税抜240円で販売していた。
 「売上げアップのための特売という訳ではなく、日替わりで何か楽しみがあったらいいんじゃないかと思ってやっています。平日の3日間を淡々と過ごすのではなく、変化を打ち出すことによって、常連の方に楽しんでもらえたらいいと思っています」(島さん)
 土日は「週末限定スペシャルメニュー」を販売することで楽しみを提供。例えば2月の第1週の土日は「バターチキン揚げカレーパン」、第2週は「とろーり生カスタード ザクザクシュークリーム」といったように、カレーパンや菓子、サンドイッチなどが週替わりで土日2日間限定のメニューとして登場する。
 島さんはベーカリーの個人店一カ所で10年間勤め、開業準備に1年間ほどかけて同店をオープンした。準備期間中は大阪や神戸など関西地方に視察に行き、店舗づくりのイメージを膨らませていったという。
 「売り場と厨房の隔たりがない店を見たとき、それまでの考えが変わりましたね。温度管理など厨房の環境面ではデメリットはありますが、お客様にとっては、作り手の顔が見える安心感があっていいと思いました。作り手も、お客様に見てもらえることによって、厨房を清潔に保とうとか、いい意味での緊張感を持つことができます」(島さん)
 修業時代から好きで現在も作り続けている「もっちりゴマチーズ」(税抜350円)は、たっぷりの黒ゴマが入っている点が特に女性客に好評だという。パンは黒ゴマのほか、パルメザンチーズとオリーブオイルを練り込んでいる。黒ゴマの油分を引き出すようにミキシングし、歯切れの良い食感にしている。
 「クロワッサン」(税抜220円)も修業時代から作り続けている商品で、「チキンスパイスカレーパン」などに次ぐ同店の3番目の人気となっている。
 「修業していたときは、こうしたらもっとおいしくなるはずだなと考えながら作っていて、開業後はそれを実現するために試行錯誤しながら作っています」(島さん)

SHOP DATA
店名:ブーランジュリ シマ
住所:〒154‐0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-45-7-103
電話:03‐3422‐4040
営業時間:午前9時〜午後7時
定休日:月曜、火曜
品揃え:40〜50品目
スタッフ:製造常時1人、販売常時1〜2人
店舗面積:売り場約3坪、厨房約10坪、休憩室約2坪
日商:平日7〜9万円、土日10〜15万円



この記事の読みどころ

●カレーパンは、注文を受けてから揚げて提供する。
●温かい状態で食べてほしいパンだからこそ、冷めた時の味も考える。
●何曜日に誰が来てどの商品を買うかは概ね頭に入っている。
●修業していた時は、こうしたらもっとおいしくなると考えながらパンを作っていた。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



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