第30回特別講習会 - 東京製菓学校校友会 - ブランスリー電子版

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講習会/2019年12月号

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第30回特別講習会 - 東京製菓学校校友会
モーンクーヘン
ヴァニレキッフェル
オースターフラーデン
ゾンネンブルーメンケルンブロート
講師を務めた根岸靖乃氏
講習会の様子
 東京製菓学校校友会(藤生義治会長)は8月22日、東京・新宿区の同校で、「第30回特別講習会」を開催した。パン、洋菓子、和菓子の3コースで行われ、パンコースでは、ドイツで長い間製菓製パンに関り、ドイツの製菓と製パンのマイスター資格を持つ根岸靖乃氏が講師を務めた。根岸講師は、「モーンクーヘン」「ヴァニレキッフェル」などのドイツ菓子と「オースターフラーデン」「ゾンネンブルーメンケルンブロート」などのドイツパンの製造実演を行った。



ドイツパンとドイツ菓子を紹介
講師を務めた根岸靖乃氏
講習会の様子
 根岸靖乃講師の話 今日は、ドイツ菓子とドイツパンを紹介する。ドイツパンの食べ方は、8ミリから1センチぐらいの厚さにスライスして、バターを塗って食べるのがいいと思う。あとはチーズやハムを合わせて食べるのがいい。ジャムを塗って食べても美味しい。店で販売するときは、顧客がこうした食べ方を知っていないと、定期的に買ってもらうのは難しいので、食べ方を啓蒙していかなくてはならない。



モーンクーヘン
モーンクーヘン
写真1
写真2
写真3
写真4
 けしの実フィリングをたっぷりと流して、焼き上げる製品。けしの実はドイツではポピュラーな食材。

ミュルベタイク
【配合%】
フランスパン用粉‥‥‥‥100
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥75
粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
バニラオイル‥‥‥‥‥‥0・2
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・1
【工程】
①10コートの縦型ミキサーでビーターを使用し、無塩バターと食塩、バビラオイルをクリーム状になるまで混ぜ合わせ、篩った粉糖を加えて混ぜ合わせクリーム状にする
②(1)に全卵を徐々に加え、クリーム状にする
③(2)に篩ったフランスパン用粉を加え、混ぜ合わせる
④ミキサーボウルを下ろし、生地の手合わせをしてまとめてから、冷蔵庫でねかせる
⑤(4)を4・5ミリ厚に延ばし、8取り天板の大きさに合わせて長方形にカットし、上火170度C下火170度Cで18分空焼きする
モーンマッセ
【配合%】
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
ブルーポピーシード‥‥‥‥‥33
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥22
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
デュラム小麦粉‥‥‥‥‥‥‥10
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・1
バニラオイル‥‥‥‥‥‥0・1
レモンオイル‥‥‥‥‥‥0・1
シナモン粉末‥‥‥‥‥0・05
【工程】
①牛乳、グラニュー糖の半量、無塩バター、食塩、バニラオイル、レモンオイル、シナモン粉末を手鍋に入れ煮立てる
②ブルーポピーシードとデュラム小麦粉を篩にかけたものとグラニュー糖の半量をボウルに入れて混ぜ合わせる
③(1)を(2)に注ぎ入れてよく混ぜ合わせ(写真1)、ラップをかけて密閉し、冷蔵庫で冷却する
シュトロイゼル
【配合%】
準強力粉(メルベイユ)‥‥100
粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
バニラオイル‥‥‥‥‥‥0・3
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・2
【工程】
①キッチンエイドなどのミキサーを使用し、無塩バターと食塩、バニラオイルをクリーム状になるまで混ぜ合わせ、さらに篩った粉糖を加えて混ぜ合わせ、クリーム状にする
②(1)に牛乳を加え、クリーム状になるまで混ぜ合わせる
③(2)に篩った準強力粉を加え、そぼろ状になるまで混ぜ合わせる
④冷蔵庫で冷却してから使用する
仕上げ
【工程】
①冷却したモーンマッセを室温に出し、全卵16%を加えて混ぜ合わせる(写真2)
②空焼きしたミュルベタイクの上にラム酒に漬けたサルタナレーズン(配合外)をのせ、(1)をおよそ2000グラムを流し入れ(写真3)、その上にシュトロイゼルを振りかける(写真4)
③(2)を、上火190度C下火180度Cのオーブンで40分焼成する
④焼き上がり後粗熱がとれたら、5センチ×8センチの大きさにカット
 根岸講師のコメント モーンは、黒けしの実のことでドイツのほか、東ヨーロッパ各国でよく食べられている食材だ。バニラエッセンスは水溶性で、熱をかけると香りが飛んでしまうので、バニラオイルを使用している。



ヴァニレキッフェル
ヴァニレキッフェル
写真5
写真6
 バニラが入った生地をU字形に成形して焼き上げたドイツ菓子。

【配合%】
準強力粉(メルベイユ)‥‥100
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥75
アーモンドプードル‥‥‥‥‥40
粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
バニラ棒‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥粉300グラムに対して3分の1本
【工程】
①10コートの縦型ミキサーでビーターを使用し、無塩バターにバニラ棒のバニラビーズを加えて混ぜ合わせ、クリーム状にし、篩った粉糖を加えて混ぜ合わせる
②(1)に卵黄を徐々に加えて混ぜ合わせ、クリーム状にする
③篩った準強力粉とアーモンドプードルを加え、ひとかたまりになるまで混ぜ合わせる
④ミキサーボウルから生地を取り出してもみ直しをしてから冷却する
⑤(4)を10グラムに分割し、一度丸めてから、U字形に成形し、天板に並べる(写真5)
⑥(5)を上火180度C下火165度Cのオーブンで15分焼成する(焼成後にバニラシュガーをまぶす=写真6)
 根岸講師のコメント キッフェルは、「細長くて曲がった」という意味。ドイツではクリスマスによく食べられるクッキー。バターと卵は常温に戻してから使用する。



オースターフラーデン
オースターフラーデン
写真7
写真8(捏ね上がった生地を番重に移した状態)
写真9
写真10
 ドイツのイースターで食べらるる伝統的なパン。

【前生地配合%】
準強力粉(メルベイユ)‥‥‥‥45
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28
生イースト‥‥‥‥‥‥‥4・5
【工程】
ミキシング‥‥L2分M2分(10コート縦型ミキサー=フック=使用)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥25度C
発酵‥‥‥‥‥‥27度C75%30分
【本捏配合%】
準強力粉(メルベイユ)‥‥‥‥55
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥14
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・2
レモン皮‥‥‥‥‥‥‥‥0・2
バニラオイル‥‥‥‥‥‥0・2
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
牛乳‥適量(生地の硬さを見ながら調整)
サルタナレーズン‥‥‥‥‥‥50
アーモンドダイス‥‥‥‥‥‥10
オレンジピール‥‥‥‥‥‥‥5
シトロンピール‥‥‥‥‥‥‥5
ラム酒‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L4分M8分〜(サルタナレーズン、アーモンドダイス、オレンジピール、シトロンピール、ラム酒投入)L1〜2分(写真7、写真8、無塩バター、グラニュー糖、食塩、レモン皮、バニラオイル、全卵はあらかじめビーターで均一に混ぜておく、サルタナレーズンは水洗いしてラム酒につけておく、アーモンドダイスは牛乳=分量外=に約15分浸してざるにあけておく、ラム酒につけたサルタナレーズン、牛乳に浸したアーモンドダイス、オレンジピール、シトロンピールはあらかじめ均一に混ぜ合わせておく、30コート縦型ミキサー=フック=使用)
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥26度C
発酵‥‥‥‥‥‥27度C75%30分
分割‥‥‥‥‥‥‥600グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥20分
成形‥‥‥‥‥‥丸め直して綴目を下にして天板にのせる(写真9)
ホイロ‥30度C70%50分(ホイロ後室温に15分程度おいて、卵を2回塗り、十字にカットを入れる=写真10)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火170度C下火170度C25分後上火160度C下火160度C15分
 根岸講師のコメント 前生地を入れる理由は、発酵力を高める意味合いと、風味付けの意味合いの両方がある。今回は発酵時間が30分と短いので、粉の量の約半分を前生地として処理している。ドイツでは仕込み水として牛乳を使うことが多い。風味付けという意味合いがあるが、乳製品が安いということもあると思う。ドイツでは、春分の日の後の最初の満月の日がイースターとなる。ドイツではクリスマスよりイースターの方が重要視されている。

ゾンネンブルーメンケルンブロート
ゾンネンブルーメンケルンブロート
写真11
写真12
 ひまわりの種をたっぷりと使用したライ麦パン。

【サワー種配合%】
初種(TKスターター=ボッカー社)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
ライ麦粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥L3分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥26度C
発酵‥‥‥‥‥26度C12〜16時間
【本捏配合%】
ライ麦全粒粉‥‥‥‥‥‥‥‥40
フランスパン用粉(リスドウル)‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
生イースト‥‥‥‥‥‥‥1・8
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・8
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
ライ麦粉(粗挽き)‥‥‥‥‥‥10
ひまわりの種‥‥‥‥‥‥‥‥10
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・2
沸騰したお湯‥‥‥‥‥‥‥‥20
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥L8分〜(ライ麦粉=粗挽き、ひまわりの種、食塩、沸騰したお湯はあらかじめ混ぜ合わせて、冷却しておく)
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥27度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥15分
分割‥‥‥‥‥‥1000グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥5分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥棒状に成形して、ひまわりの種(配合外)をつけて(写真11)、型に入れる(写真12)
ホイロ‥‥‥‥‥‥30度C45分〜
焼成‥上火250度C下火250度C10分後上火190度C下火200度C45分(スチーム3回注入)
 根岸講師のコメント ひまわりの種と粗挽きのライ麦に沸騰したお湯を合わせるのは、ミキシングの際に生地の水分を奪わないようにするため。熱湯の方が水が浸透しやすい。サワー種は、製パン性をよくするために入れる。また、風味をよくする意味合いと、発酵力を強める意味合いもある。サワー種の中には酵母と乳酸菌が混在していて、きちんと管理していれば、イーストが少なくてもいいライ麦パンができる。サワー種は、ライ麦粉の配合が多くなれば、それだけ配合量も多くなる。

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