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| お店拝見/2002年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 品揃えの中心はデニッシュ - マルグレーテ | |
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デニッシュ類を店の顔として打ち出すベーカリーが、神奈川県川崎市にある。マルグレーテ。大学病院の隣に位置し、顧客の多くは病院に何らかの形で関わる人だという。デニッシュと病院…。一見結びつきにくいこれらの言葉は、実は同ベーカリーを最もよく特徴づける2つのキーワードだった。
住所 神奈川県川崎市多摩区長沢2−20−30 電話 044−977−1071 営業時間 午前8時〜午後7時 定休日 日祝日、第1、第3土曜日 |

| デニッシュが最も差別化しやすい。季節感も出しやすい | |
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「コンビニや大手ベーカリーとの差別化が最もしやすいのがデニッシュだと考えました」。社長の片山悟さんはこう話す。
「集客は、駅前立地のチェーンベーカリーのようにはいかない。地道に固定客をつかんでいくには独自性を打ち出すことが先決だ」と考えたとき、デニッシュ類を店の顔として打ち出すことが最も有利だと思われた。 デニッシュ類の品揃えは15〜20品目。できる限り手間をかけて作ろうと様々な施策が講じられている。 例えば、「自家製ブラックベリー」(180円、レシピを10ページに掲載)。近くの畑で自家栽培しているブラックベリーを厨房で加工し、トッピングとして使っている。「素材が本来持っている味を素直に出して、多くの人にそのおいしさをわかってもらいたい」と片山さん考えていて、ブラックベリーの加工方法もいたってシンプルだ(10ページ参照)。店先には実をつけた鉢植えのブラックベリーの木が置いてある。ブラックベリーが収穫できる6月末から8月まで季節限定の商品。 「フロマージュ」(200円)は、クリームチーズにカスタードクリームやオレンジピールなどを混ぜ込んだものをドーム状にトッピングしてあるデニッシュで、人気アイテムのひとつだ。 デニッシュ類の品揃えを強化した理由はほかにもある。「デニッシュが充実していれば、フライものをやらなくても大丈夫なのではないか」と考えたのだ。「揚げものは、油の管理が難しいし、厨房も汚れます。廃油も多く出ますし、できればやりたくなかったんです。たまに『ドーナツはないんですか』などと聞かれることもありますが、それがウチの独自性ということで自分としては納得しています」(片山さん)。 トッピングのフルーツなどを変えることで季節感を出しやすいのも、デニッシュ類の特徴だ。 ブラックベリーのほか、さつまいもも自家栽培していて、9月中旬〜11月中旬に作る「スイートポテト」(180円)のトッピングの材料として使っている。 同ベーカリーのデニッシュ類にはこのほかにも秋から冬にかけての「りんごのパイ」(180円)や春の「ストロベリー」(160円)など季節限定の商品が多い。 |

| 対面販売できめ細かな対応、病院近くの立地に特有の客層 | |
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同ベーカリーは、基本的に対面で販売する。「お客様と会話が交わしやすいし、衛生管理がしやすい。それと、ガラス越しだと商品がよりきれいに見えます」と片山さん。
マルグレーテは聖マリアンナ医大病院の隣に位置する。「病院に見舞いに来る人、入院患者、病院の職員などが顧客の大半」(片山さん)だ。対面で販売することの意味はここにもある。「ハンディキャップを背負った人や体調のすぐれないと思われる人も来店するので、そうした人たちにきめ細かに応対するには対面の方が絶対にいいと考えました」と片山さんはいう。各商品には年配者でも注文しやすいように、わかりやすい名前をつけている。 「病院の近くの立地とデニッシュとはイメージが合わないのでは」との質問に片山さんは「そんなことはありません」ときっぱり。「食事を制限されている方ばかりではないし、見舞いに来たり、看護に来たりする人たちも多いんです。それと普段抑制されているとたまにはカロリーを気にせずに、おいしいものを食べたくなるということもあるようです。そのためにも安心して食べられる品質の高い製品を作らなくてはと思っています。入院されている方で、『同室の人から、お見舞いの品をおすそ分けしてもらったので、そのお返しに何かを、と思って買いに来た』という人も多いようです」と片山さんは説明する。 「マルグレーテ」の店名は、現在のデンマーク王妃の名前からつけた。店舗の外観も北欧の田舎の民家をイメージした。店の前には、小さな庭を作り、チューリップやパンジー、プリムラなどさまざまな草花を植えた。「まったく未経験の私が、必死になって咲かせたかわいい花たちです。芽が出て感激し、花が咲いてまた喜ぶ、こんな単純なことですが、少しずつ楽しさがわかってきました」と庭の手入れを担当する片山さんの妻、久美子さんは話す。 |

| 元同僚と共にオープン、マネージメントと製造を分担 | |
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片山さんは、洋菓子・パン製造販売のジローのベーカリー部門に16年間勤務した経験を持つ。新店の立ち上げも多く手掛け、店舗のマネージメントに経験を積んだ。
同じ職場でパンの製造を担当していた都築秀典さんと共に、生まれ育った川崎の地でベーカリーを開業することを決意、1998年3月に現在の場所にオープンした。 主にマネジメントを担当する片山さんと、製造を担当する都築さんとの2人3脚で、店を切り盛りしてきた。 マルグレーテは、小田急線・向ヶ丘遊園駅からバスで約10分の距離。聖マリアンナ医大病院の隣に位置する。 店舗面積はおよそ24坪で、そのうち売り場が6・5坪、厨房が13坪。厨房はドライタイプで、上履きを履いて作業をする。 品揃えは、およそ60品目。製造スタッフは、都築さんを中心にパートが常時6人の体勢。パートスタッフは全員販売も担当し、販売専門のスタッフはいない。片山さんは、店舗全体のマネージメントのほか、厨房で窯を担当したり、販売をこなしたりすることもある。 日商は、多いときで約25万円、平均すると20万円強という。 |
| 自家栽培のブラックベリーを使ったデニッシュ | |
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自家製ブラックベリー
オーナーが所有する近くの畑で自家栽培しているブラックベリーから作るジャムをトッピングしたデニッシュ。ブラックベリーの収穫できる6月から8月までの季節商品だ。 【配合%】 リスドォル(フランスパン用粉)………………100 シママース(塩)……………………………1・5 キビ糖………………………………………12 全卵…………………………………………15 脱脂粉乳………………………………………3 生イースト………………………………………5 バター………………………………………10 水……………………………………………35 イーストフード……………………………0・25 シートバター(折り込み用)……………………50 【工程】ミキシングL5分、捏ね上げ温度24度C、発酵→室温で30分後、マイナス2度Cの冷凍庫で15時間、3つ折り3回、折り込みバター対紛50%、最終生地厚2・5ミリ、成形→(1)シートを9センチ四方にカット(2)対角線が折り目になるようにして三角形に折りたたむ(3)合わせ目の2辺に沿って1センチ程度のところにカットを入れる(4)[3]をはがし、再び9センチ四方の状態にして、カットを入れた部分を左右に交差させる(5)カスタードクリームを20グラム絞って、その上に▼ブラックベリーフィリングを20グラム絞る、ホイロ29度C40〜45分、焼成200度C17〜18分 ▼ブラックベリーフィリング 【材料%】 ブラックベリー………………………………100 グラニュー糖…………………………………30 水あめ………………………………………10 レモン汁……………………………………適量 【作り方】 (1)ブラックベリーを水洗いして、水の中に浸けておく(2)[1]とグラニュー糖、水あめを混ぜ合わせて、少し時間をおいてから、ブラックベリーの果肉をつぶす(3)[2]を中火にかけ、粘性のある泡が出てくる状態になるまで加熱する(およそ15分) |
| メープルの香りが素直に伝わってくる商品 | |
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メープル
ピュアメープルシロップをたっぷりとかけた商品。パンの中にもメープルシロップをしみ込ませてある。 【配合%】 自家製ブラックベリーと同じ。 【工程】バターを折り込んで、2・5ミリ厚のシートにするまでは「自家製ブラックベリー」と同じ。成形→(1)シート生地を30センチ×45センチにカットする(2)[1]を30センチの辺が巻き目になるようにロールする(3)[2]を60グラムずつに輪切りにする(4)輪切りにした生地を軽く手で押さえて、星型天板に入れる。ホイロ29度C40〜45分、焼成200度C23分(最初もう一枚の天板を上にのせて20分間焼成し、次に上にのせた天板をはずして3分間焼成する) ※焼成後、上面に十文字のカットを入れ、メープルシロップにくぐらせる。その後、スクイーザーで、十文字にカットを入れた部分からメープルシロップを2グラム注入する。 |
| 蒸し焼きにしたかぼちゃを皮ごとつぶしてフィリングに! | |
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かぼちゃのパイ
国産のかぼちゃをオーブンで蒸し焼きにして作る自家製かぼちゃフィリングを包んだパイ。 【配合%】 リスドォル(フランスパン用粉)……100 塩…………………………………1・8 砂糖…………………………………5 脱脂粉乳……………………………2 バター…………………………………5 生イースト……………………………4 イーストフード………………………0・5 水……………………………………53 シートバター(折り込み用)…………50 【工程】ミキシングL5分、捏ね上げ温度24度C、発酵→室温で30分後、マイナス2度Cの冷凍庫で15時間、3つ折り3回、最終生地厚3ミリ、成形→(1)3ミリ厚にのばした生地を菊型9番で抜く(2)[1]を麺棒で楕円形にのばし、▼かぼちゃフィリングを35グラムのせ、かぼちゃフィリングを包むようにして2つ折りにする。ホイロ29度C40〜45分、焼成200度C18分 ※ホイロ後に卵を塗る。 ▼かぼちゃフィリング 【材料%】 かぼちゃ……………………………100 キビ糖………………………………20 有塩バター…………………………10 生クリーム…………………………10 シナモン……………………………0・3 ケーキクラム………………………15 【作り方】(1)生のかぼちゃをアルミホイルに包み、200度Cのオーブンでおよそ1時間加熱する(2)串が通るようになったら、[1]のかぼちゃ(皮ごと)とほかの全材料を卓上ミキサーにかけてペースト状にする |
| クロワッサンとデニッシュの2番生地を使用して作る | |
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シナモンロール
クロワッサンとデニッシュの2番生地を使用して作るシナモンロール。ピーナッツをトッピング。 【配合%】 生地は、クロワッサンとデニッシュの2番生地を使用する。 【工程】成形→(1)クロワッサンとデニッシュの2番生地を合わせてのばし、3つ折り4回(空折り)(2)[1]の生地を3ミリ厚にのばし、30センチ×45センチにカットする(3)全面に▼シナモンペースト300グラムを塗って、30センチの辺が巻き目になるようにロールする(4)[3]をひとつひとつが80グラムになるように輪切りにする(5)[4]を紙ケースに入れ、八割のピーナッツをトッピングする。ホイロ29度C1時間、焼成200度C14分 ▼シナモンペースト 【配合グラム】 粉糖…………………………500 食塩……………………………10 ショートニング…………………400 シナモンパウダー………………50 卵白…………………………150 ケーキクラム…………………250 【作り方】(1)粉糖、食塩、ショートニング、シナモンパウダーをよく混ぜ合わせる(2)[1]に卵白を加える(3)[2]にケーキクラムを加える(4)[3]を300グラムのポーションにわけ、それぞれをラップに包み、冷蔵庫で冷やしておく |
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