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| 特集/2019年7月号 |
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| 総菜パンの美味しい店
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| 食べ歩きで蓄積した料理の知識を活かして総菜を作る | |||||||||||||||||||
「パン家のどん助」は2001年にオープン。当時、齊藤さんはまだ25歳だったが、17歳でパン業界に入り、ブランジェ浅野屋や知り合いのベーカリーなどで8年間修行したあとだった。 独立したきっかけは、齊藤さんの祖父と父親が以前ベーカリーを経営していたことがある。その店は齊藤さんが10代の頃に閉店してしまったが、店舗があった場所はそのままテナントとして貸していた。子供の頃から馴染んで愛着があったパン屋の姿を齊藤さんの力でもう一度新しく生まれ変わらせたかった。 「約3500万円かけて、内外装を作り変え、機械・設備も全て新しいものを購入しました」(齊藤さん)。 オープンから5年間は売れない時期が続いた、それでも齊藤さんは「おいしい」と直感的に感じるものをどんどん取り入れていく事を怠らなかったという総菜パンが増えていったのは、客の需要に応えて商品を出していったからだが、その結果、商品数はどんどん増えていった。 同店のパンは、齊藤さんが修行時代に培った食パンやハード系のパン生地作りの技術を生かしたものだが、総菜パンや菓子パンに関しては、外食好きで色々な店を食べ歩いているという齊藤さんのアイデアも生かしている。外でそのまま食べられるような一食完結型の商品が多いのが特長だ。 オープン当時は全体で60種類ほどの品揃えだったが、リニューアルを繰り返しながら、オープンから5年で、80種類以上まで増やしていった。 「それでも逐次リニューアルを繰り返しながら増やしていった感じです。中には3回ほどもリニューアルした商品もあります」(齊藤さん)。 例えば、現在では定着した「手作りハンバーグ」(税込226円)は、自家製ハンバーグを楕円形のクロワッサン生地のパンの上にはめ込んで焼いたものだが、最初はソフトなパンで中に包み込むような形で、あまり売れなかった。しかし、齊藤さん自身は売れるようになるという自信があったという。 齊藤さんは、ホットドッグのパンにハンバーグを挟み込んだ形へ変更。しかしそれでも売れない。 最終的には楕円形のクロワッサン生地を使った今の形にし、ようやく売れるようになった。 | |||||||||||||||||||

「子供の頃、親友のお母さんが食に色々と造詣が深い人で、色々な外食のお店へ連れて行ってもらったんです」と話す齊藤さん。 当時、齊藤さんの家では外食は全くしなかった。そんな中での外食は家庭の料理とは違った世界だったが、新鮮な驚きがあって貴重な経験だった。 「外食は今でもよくしますね。実を言うとプライベートでの食事はほとんど全てが外食です」(齊藤さん) 外食は家庭で毎日食べるものと違った特別な刺激があるが、フレンチやビストロなど、様々な外食の店を回り、食材の組み合わせの斬新さを参考にして、自分の店の様々な人気商品を生み出していった。 例えば細長いフランスパン生地に味噌、ベーコン、コーンを入れた「みそベーコン」(税込226円)は、味噌とパンの意外な相性の良さがわかる商品。 一番人気の「ネコの手 ゴマあんぱん」は、今はもう亡くなってしまった愛猫どん助の手をモチーフに作り上げた。生地の中にぎっしり詰めた黒胡麻風味の餡があっさりした程よい甘さだ。 店が軌道に乗り始めたのは6年目だった。商品数を増やした事なども奏功してか、口コミで客数が増えていった。 7年前の2012年には、東新宿の駅前にオフィス・商業の複合施設「新宿イーストサイドスクエア」が竣工したことで、勤務中の昼休みに来るOLや会社員が急激に増えた。2001年のオープン当初は1日100人だった客数は、開店12年目で180人位まで増えていたが、「新宿イーストサイドスクエア」のオープン直後は250人位まで増えた。7年後の今は1日300人超となっている。 現在の夢は週休3日にすること そんな齊藤さんだが、「現在の夢は」と問うと、「週休3日にすることです」という答えが返ってきた。年齢とともに体力の限界も感じていて、とにかく休みたいのだという。 「自分が『おいしい』と思うボーダーラインを下げるような商品作りや手抜きはしたくありませんし、体力的に大変でも商品数を減らすことはしたくありません。だから将来的には1品あたりの製造個数を減らしていくしか選択肢がないのかなと藻思っています」(齊藤さん) | |||||||||||||||||||
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SHOP DATA
店名:パン家のどん助 住所:〒160−0022 東京都新宿区新宿7−13−3 電話:03−3203−6671 営業時間:午前7時30分〜午後6時30分 定休日:日曜、月曜 品揃え:100品目(常時80品目) スタッフ:製造常時3人(朝はサンドイッチの担当含めて4人)販売常時1人(昼のみ2人) 店舗面積:売場8坪、厨房12坪 日商:平日18万円 土曜23万円 |
| 野菜をたっぷり使用したボリューム満点の総菜パン - グーテ・ル・ブレ入谷店 | |||||||||||||||||||
「創業時と比べると少し減ってはいますが、今も商品全体の半分弱くらいは、調理パンなどの総菜系が占めていると思います」 こう話すのは、東京・台東区にあるベーカリー「グーテ・ル・ブレ入谷店」で店長を務める今山浩志さん。同店は今年8月、開業19年を迎える。 「当店は、スペイン製の石窯があるので、開業時からハード系にも力を入れています。ですが当初は、ハード系のアイテムの人気が定着していないこともあり、総菜系の占める割合が半分以上ありました。ここ10年くらいだと思いますが、近くにマンションが増えるなどの環境の変化に合わせるようにして、リーンなバゲットなどのハード系需要が高まってきました。その分、総菜系の割合が少し減ってきたという流れですが、人気上位は、総菜系アイテムがほぼ占めています」(今山さん) 今山さんが同店に入社したのは、開業後一年が経った頃。それ以来、下町という場所柄、ボリューム感と低価格を重視して、商品作りをしてきたという。 「ここでは、見た目きれいで量が少ない、というのは通用しないと思っています。ボリュームについては、見た目だけでなく、食べても納得いくものでなければいけません。お客様はほとんどが近所の方ですから、リピートしてもらえる商品として、次につながるものでなければ、意味がないんです」(今山さん) 同店の総菜系のパンは、ソフトな食感で甘めの生地にそれぞれ具をトッピングして焼き上げた「ベーコンエッグ」(税抜150円)や「ツナロール」(税抜150円)などの焼き込み調理パンや、「焼きそばロール」(税抜200円)や「あらびきチリドッグ」(税抜230円)などのコッペパンを使用したサンド系、フランス生地で様々な具を包み、石窯で焼き上げた調理パンなど、大きく分けて3タイプある。 開業当時から、今山さんが「若干の値上げはありますが、味や見た目などは何も変わっていません」と言うロングセラーは、長さ1メートルという迫力の長さの「超〜ロング」(税抜520円)で、ジューシーな粗挽きソーセージをフランス生地で包み、石窯で焼き上げた商品だ。ロングセラーかつ、現在の同店一番人気だ。 「ソーセージをフランス生地で包んで焼き上げるというアイテムは、他店でも定番だと思いますが、この長さでずっと作り続けているのは珍しいと思います。値段は据え置きでも、少しずつ短くなってきている店が多いなか、当店は開業時からの長さをキープし続けていて、その点もロングセラーの理由ではないかと思っています」(今山さん) フランス生地を使い、石窯で焼き上げた開業時からのロングセラーはほかにもあり、「ごぼうエピ」(税抜170円)もそうだ。エピと言えば、フランス生地でベーコンを包んだものが定番だが、同商品はベーコンではなく、ごぼうサラダを具に使用する。ごぼうサラダをフランス生地で包んでエピの形に成形し、黒ゴマを振って焼成する。 「ごぼうのシャキシャキ感と、バリバリとした食感のフランスパン、それに香ばしい黒ゴマが相まって、食感や風味の豊なところが人気の理由かと思います。当店では、『ベーコンエピ』(税抜150円)より、売れています」(今山さん) 「石窯カレーパン」(税抜180円)も、石窯で焼き上げている人気商品で、12年ほど前に開発した。 「上野にあるカレーの名店から仕入れたカレーペーストを使用しています。そのカレーペーストに、当店で玉ねぎや挽き肉などを加えて仕上げたカレーを、レーズン入りのソフトな生地で包み、パイ生地をトッピングして石窯で焼き上げます。本格的な大人向けの辛さと甘さ、食感の違いが一つに詰まった、充実度の高い商品だと思います」(今山さん) | |||||||||||||||||||
| 手に入った旬の野菜を臨機応変に使用する | ||||||||||||||||
ソフトな食感で甘めの生地を使った焼き込み調理パンの中で、開業当初から人気なのは、きのこの醤油炒めとたっぷりのチーズを使った「きのこばやし」(税抜150円)だ。 「きのこの醤油炒めは、当店の厨房でさっと炒めた自家製です。きのこはマッシュルームとしめじの2種類を使っています。そしてきのこだけでなく、玉ねぎをたっぷり入れているのがポイントです。玉ねぎで味がまろやかになります。醤油やチーズからの塩気と、パンの甘みが、互いに味を引き立て合います」(今山さん) 実は同店の経営元、ココスナカムラは、都内に食品スーパーを8店舗経営しており、同店の目と鼻の先にも、同スーパーの入谷店がある。したがって、総菜系のパン作りによく使う、玉ねぎやキャベツ、旬の野菜や果物などを、同スーパーから、良い状態で調達できるという特権があるのだ。 「玉ねぎは、きのこ炒めやカレーのほか、オニオンスライスにしてピザなどのトッピングにもよく使います。キャベツは、かつサンドやドッグ系に挟む千切りキャベツとして欠かせないので、一日5〜6玉は消費します」(今山さん) ピザは、「照り焼きチキンピザ」(税抜270円)など3種類あり、メインとなる具はそれぞれ異なるが、どれにもオニオンスライスはたっぷりトッピングしている。また、オニオンスライスが主役となった商品もある。その名も「オニオンブレッド」(税抜210円)で、玉ねぎの甘みとチーズの塩気がきいた、ふんわり軽い食感の焼き込み調理パンだ。 かつサンドは、ボリュームと、サンドしてあるカツの厚みの違いで3種類あるが、そのうちの2種には、キャベツの千切りがたっぷりサンドされている。「キャベツどっさり厚切りカツサンド」(税抜320円)と、商品名でも謳うほどだ。片手で食べるお好み焼きをイメージして開発したという「お好み巻」(税抜210円)という商品にも、焼きそばとともに千切りキャベツがたっぷり巻き込まれている。 「旬の野菜もできるだけ使うようにしています。スーパーの売り場の前面で売られているものが、旬を感じられる野菜として分かりやすいのではないかと思って、行ったときには意識的に見ています。春なら、春キャベツや菜の花をさっと炒めてトッピングの具に使ったりします。例えるなら、冷蔵庫にあるもので、さっと作るような感覚で、旬野菜を取り入れた商品作りを心掛けています。そして、具の味付けに関しては、辛いのか、しょっぱいのか、甘いのか、はっきりさせるようにしています。その方が、お客様に各商品の魅力が伝わりやすいのではないかと思うからです」(今山さん) SHOP DATA 店名:グーテ・ル・ブレ入谷店 住所:〒110‐0013 東京都台東区入谷1‐18‐7 東京菓子会館1F 電話:03‐3871‐2333 営業時間:午前7時〜午後8時 定休日:元旦 品揃え:150品目 スタッフ:製造常時10人、販売常時5人 店舗面積:厨房30坪、売り場20坪 日商:平日65万円、土日100万円 | ||||||||||||||||
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。




































