ベーカリーよ、大志を抱け - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話 - ブランスリー電子版

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連載/2019年4月号

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ベーカリーよ、大志を抱け - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 今月号のお店拝見、東京・八王子の「パンプロ」の記事を読んで、べーカリーを営んでいくということは、客を理解することであり、自分を表現することであるということに、改めて気付かされた。そして、ベーカリーを運営していくには、明確なミッションが必要であることを、改めて感じた。
 「パンプロ」の絶対的なミッションのひとつは、小麦の香りを客に伝えること。すべては、それを実現するためにある。そして、フランスパンなどのハード系は、小麦の香りを出しやすく、客に伝えやすいパンだから、ハード系を表現手段に選んだ。
 まずは、ストレート法のバゲットと、低温長時間発酵のバゲットを真正面から客に提案する。さらに、遊び心を発揮して、花の形をイメージした製品を提案したりもする。さらに、チーズやオリーブを包んだもの、ピロシキの具を包んだものなど、フランスパンの生地を使った製品は、バラエティーに富んでいる。定番のフランスあんパンは、よくある形ではなく、カスクート形のフランスパンを背割りにして、そこにあんを挟むという気の利いた演出だ。
 ハード系のパンが持つ小麦の香りを、一人でも多くの人にわかってもらうために、ありとあらゆる手段を使って、ハード系のパンを客の口に届けようと心を砕いている。そこには、この店のオーナーの思いの深さと、食に対する敬意の念が強く感じられる。それは客に対する優しさに溢れた大きな志でもある。
 本誌はこれまで様々なヒット商品を取り上げてきたが、それらのほとんどは、売れ出すまでにはかなりの時間がかかっていた。発売してすぐにヒット商品になるようなことは、ごくまれなことだと言っていい。
 「パンプロ」のオーナーも「商品は、一気に売れていくわけではありません。お客様と会話をしてリピーターを作っていくという地道な努力を毎日続けていくことでしか、店を定着させることはできません」と話している。
 ベーカリーのミッションが成功するかどうかは、この辺のことにかかっているのではないかと思う。大きな志を抱いて、準備万端を整え、段取りを完璧にして、熱意を持ってことを進めていったとしても、ほとんどの場合は、結果が出るまでには長い時間を必要とするのだ。
 それは、モチベーションを途中で喪失してしまうかも知れないという危険性をはらんでいる。人間は、報われないかも知れない努力を続けていくことは、本質的に不得意らしい。だから、努力を続けていくためには、絶対に結果が出るという強い信念が必要だ。
 もしくは、毎日の努力の行動自体の中に喜びが感じられれば、結果のことはあまり気にせずに、その努力を続けられるかも知れない。
 前述のように、べーカリーを営んでいくことは、客を理解することであり、自分を表現することであるとすれば、客と会話をすることは、まさに客を理解し、自分を表現することであるから、客との会話が楽しめるのなら、モチベーションの維持はそれほど難しいことではないだろう。
 以上のように考えてくると、ベーカリーのミッションを成し遂げるためには、大きな志をしっかりと持った上で、それを実現するための日々の戦術を決める際に、その中に楽しみを見出せる戦術を考え出すことが、最も重要なことなのかも知れない。(RO)







原価計算女王
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