社長の考えを深め、従業員のやる気を引き出す - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話 - ブランスリー電子版

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連載/2019年3月号

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社長の考えを深め、従業員のやる気を引き出す - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 本誌今月号のお店拝見の記事を読んで、ベーカリー経営において、販売や製造の心構えや手順などについて書いた冊子を作って従業員に渡すことは、大事なことだと改めて思いました。「マニュアル通りの接客」などというと、心がこもっていない通り一遍の接客というイメージがありますが、そこは、心がこもった通り一遍ではない接客ができるような手引書を作ればいいだけの話です。
 従業員用の手引書を作るメリットのひとつに、まずは、社長が自分の想いや実現したいことに改めて気付くということがあります。社長である以上、誰よりも会社の発展を強く望んでいて、そのために何をしたらいいかについて、日々考えていると思いますが、日々考えていることを、文章で表現しようとする行為は、それらの考えに深みを与え、さらに発展させるという効果があります。自分の考えを従業員たちにどう伝えたらいいかについて深く考えることで、新たな発見をし、会社のコンセプトは、さらに深く明確になっていくはずです。
 従業員用の手引書を作るメリットはまだまだあります。最も大きいのは、やはり、社長の考えを従業員全員が共有できるということでしょう。基本は、社是ともいえる例えば「食を通じで、お客様の幸福実現に貢献する」などといった、会社が存在する根本的な理由を明確に示した上で、それを実現するために従業員はどうしたらいいのかについて、具体的な言動に落とし込んで書いていくことです。大手企業が作る従業員マニュアルに、若干冷たい印象を覚えることがあるのは、おそらく、社長の熱い想いの部分が、従業員の間に充分に共有されずに、具体的な言動の部分だけが一人歩きしているからだと思います。
 社長の熱い想いを実現するための具体的な作業手順でなければならないわけですから、ただ日々の業務の手順を書くだけでは不充分です。従業員が日々行う具体的な作業の中に、社長と同じぐらいの熱い想いがこめられるように、書かなくてはなりません。
 では、具体的にどのように書いたらいいのでしょうか。当然ながら、決まった正解があるわけではありません。一例としては、接客であれば、前述のように、最初に基本的な心構えを書いて、次に客の入店時の挨拶や、レジでの接客など具体的なシーンに沿って、とるべき言動と、とってはいけない言動を具体的に記述する方法が考えられます。
 しかし、言動の具体例が多すぎると、それらを覚えることが苦痛になってしまい、例えば「お客様に喜んでもらうため」などといったその言動の本来の目的が忘れられてしまいますので、注意が必要です。
 また、例えば客の入店時の挨拶について、「いらっしゃいませ」などと、発すべき言葉を統一するのもいいのですが、従業員一人一人の個性を接客に生かすという観点からは、基本の言葉だけは決めておいて、あとは、各従業員が自然に心のこもった接客ができるように、「こんにちは」「ご来店ありがとうございます」などと、自然に挨拶ができる自由さを確保しておいた方がいいのかも知れません。
 ポイントは、従業員が客に対してどのような言動をとるにしても、その言動の背後に、客に対する心からの思いやりが持てるように仕向けられるかどうかです。(RO)









原価計算女王
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