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| 特集/2019年2月号 |
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| ベーカリーのインスタグラム | |
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インスタグラムのフォロワー数は順調に伸びており、1月現在、1階のベーカリー「なんとかプレッソ」は約5500人。3階のカフェ「パンとエスプレッソと自由形」は、同ベーカリーより開店がひと月遅かったこともあり、約3700人となっている。 「2店舗とも、インスタグラムに投稿する写真の多くが、新商品の紹介です。ベーカリーの方が新商品を出す頻度が高いので、必然的に投稿数が多くなっているのですが、それが、ベーカリーのフォロワー数の方が多くなっている主な理由だと思います」(小山さん) また、パンの焼き上がり時間や商品の在庫などの確認に、インスタグラムが役立っているという。 「当店の投稿に対して、お客様から『このパンの焼き上がりは何時頃ですか』というような質問を受け、タイムラグはありますが、返答させてもらうことがあります。また、売り切れてしまうことの多い人気の食パン『ムー』(税込300円)については、在庫の有無をインスタグラムに投稿することがあります。渋谷区の表参道にある姉妹店『パンとエスプレッソ』では売り切れで、当店にはまだあるという場合、その情報をインスタグラムで知って、当店にわざわざ買いに来てくださるお客様もいらっしゃいます」(小山さん) 「ムー」は、たっぷり使用したバターの風味が豊かな食パンだ。そして3階のカフェの人気メニューが、この「ムー」を使って作る「ムーのティラミス」(税込500円)。多くの人が、アイスの「カプチーノ」(税込550円)と合わせて注文し、撮影する。「ムーのティラミス」とアイスの「カプチーノ」が並ぶ画像は、インスタグラム上でもはや、お決まりの風景として、かなりの投稿数を誇っている。 「牛乳にこだわってクリーミーに泡立てた『カプチーノ』は、『飲むティラミス』と表現できそうな見た目で、『ムーのティラミス』と並べると、異なるタイプのティラミスが二つ並んでいるような面白さを感じます。その面白さが、インスタグラムに投稿する人の数を増やし、次はその投稿を見た方が来店して同じように投稿してくださるという、循環が生まれるのだと思います」(小山さん) | ||||||||||

これまで最も反響の多かったインスタグラムの投稿は、一昨年の冬に新発売した「ロイヤルミルクコーヒー」(税込400円)の画像だ。この投稿を機に、フォロワー数が一気に1500人ほど増えたという。 「当店は自由が丘という場所柄、一眼レフを持って街歩きをする人や、新しいもの好きの若い女性の利用が多いので、斬新な見た目の『ロイヤルミルクコーヒー』の画像は、ちょうど受けたのだと思います」(小山さん) 「ロイヤルミルクコーヒー」は、「時間出しコーヒー」を使用し、生クリームを入れて濃厚な味わいに仕上げたという独自性の高い味であることはもとより、一見おしゃれな化粧品のように見えるボトル入りの見た目が、同店の主となる客層を魅了したのだ。 「常連の方の多くが、フォローしてくださっている実感があるので、営業時間の変更といった重要なお知らせも、インスタグラムでお伝えするようにしています。店頭に貼り紙をするよりも、効果的な気がしています」(小山さん) 多くのフォロワーを獲得できたことによって、顧客への連絡手段として活用できるまでになった。そして今後、新たな使い方も試していきたいという。 「カフェで、順番待ちを余儀なくされるお客様に申し訳ない気持ちがあるので、お待たせしている間に楽しめるよう、インスタグラムの投稿画像を使ったフリーペーパーなどを作ってみようかと考えています」(小山さん) SHOP DATA 店名:なんとかプレッソ 住所:〒152−0035 東京都目黒区自由が丘2‐9‐6 電話:03‐5701‐0508 営業時間:午前10時〜午後7時 定休日:なし 品揃え:パン約30品目 店舗面積:厨房約6.5坪、売り場約15坪 スタッフ:製造常時2人、販売常時2人 日商:平日約10万円、土日祝日約15万円 | |||||||||||||

| トロパントウキョウ | |||||||||||||
東京・目黒区、東急田園都市線・池尻大橋駅前の商店街の中にあるベーカリー「トロパントウキョウ」で、入社7年目を迎える坂口公美(ひろみ)さんは、同店のシェフである田中真司さんからすすめられ、昨年6月頃から店のインスタグラム更新の仕事を任されるようになった。 それまではスマートフォンを持ってはいたものの電話やメールをするくらいで、インスタグラムはおろかフェイスブックやLINEも使った事がなかったという坂口さん。ただ写真を撮るのは好きだった。 「写真に簡単なコメントを入れるだけなので、インスタグラムは仕事の合間などに比較的簡単に更新できます。実は私は何か物事を始めても三日坊主で終わってしまう事が多く悩んでいたのですが、ブログなどと比べると続けやすいかなと思いました」(坂口さん) 同店はパン職人として製造の仕事のみに専念するシェフの田中さんと経営業務を一手に引き受ける上野将人さんが手を組む形で2009年にオープンしたベーカリー。根っからの職人気質の田中さんの生み出すパンは品質面で妥協がなく独自のものがあることから業界内外で注目されており、写真を通じた情報発信は遠方に住む同店のファンにとって必要だったという。 「店の情報をもっと外部に発信してほしいという声は根強くありましたね」(坂口さん) 坂口さんがインスタグラムでアップする写真で一番多くを占めるのは「本日パン」を含む新作や試作品を撮影したものだ。今日どんなパンが出るかなど、毎日通っている常連客でないとわからないような新作や期間限定商品などの情報を、インスタグラムの写真を通じて発信している。 坂口さんが撮る写真は、パンによっては角度を斜めにして撮ったり、「Just baked!」「Strawberry」といった英語の文字を大きく書き込んでいるなどの特徴がある。 「角度や距離を工夫して、なるべくパンのおいしい部分が見えるように撮っています。コメント欄には素材をどのように使っているかなどシェフのこだわりを伝える一方で、どんなものと一緒に食べるとおいしいかを伝えるなど、食べ方の提案もしっかりとするようにしていますね」(坂口さん) その結果、フォロー数が半年前は600台だったのが、今では800台後半まで増えた。 実際にどれくらいどのような効果が出ているかは計れないので難しいところだが、「インスタグラムをきっかけに色々な人とのつながりが増えてきた、という事は感じる」(坂口さん)という。写真を見て北海道からわざわざ来たという人もいた。 また他の店や知り合いのインスタグラムもちょっとずつ見て、参考にするようになってきた。 | |||||||||||||
またインスタグラムでは、新作や試作品の写真のほか、既存の主力品を改めて紹介するといった事にも力を入れている。 実は同店は約1年半前にコンベクションオーブンを導入し、ハード系のパンを焼くという挑戦を行っている。購入したメーカー側から頼まれ、展示会の企画で、田中シェフがデモンストレーションを行った事がきっかけで、それ以来、コンベクションオーブンの使用にはかなり力を入れ、その様子を積極的に外部へ発信している。 そのためインスタグラム上でも既存の製品をコンベクションオーブンで改めて焼いたという試みを紹介し、そして改めてその商品の魅力についてクローズアップ。作っている工程もアップする事で画面いっぱいでおいしさと香ばしさを伝えている。 従来はハード系や山型食パンの焼成には不向きとされてきたコンベクションだが、メーカー側からその定説を覆して欲しいと依頼され、前述の展示会でのデモンストレーションに協力。結果は好評で、コンベクションオーブンを導入してハード系を焼く動きが広まってきているという。現在同店では主力品の多くをそのコンベクションオーブンで焼成するようになっている。 そうした動きもあって、2018年7月31日に更新したインスタグラムでは店から徒歩2〜3分の所にある工場を紹介。同店の食パンやハード系のパンを朝からシェフがコンベクションオーブンで焼き上げている姿をアップした。「石窯仕様のようにゆっくり中まで熱を伝えて焼き上げていきます。石窯の様な輻射熱の遠赤外線効果で旨味成分のグルタミン酸も増えて美味しさがアップ」とのコメントを掲載している。 また7月27日更新分では「こちらの山食パンはコンベクションオーブンで焼いたもので平窯だと型1個分スペースを空けないと側面の焼き色がキレイに出ないのですがコンベクションオーブンだと指1〜2本分のスペースさえあればこんなにキレイな焼き色がつくんです」とコメント。 こうした活動を発信することで商品がさらにおいしくなっていっている事が伝わればいいと坂口さんは考えている。 | ||||||||||||||||
また、年末のクリスマスイベントなど、インスタグラム上でつながる事で、より盛り上げやすい企画もある。2018年は雑貨やケーキを販売する会社と3社合同でケータリングイベントを行ったが、インスタグラム上でも報告する事でまた新たなつながりができればと考えている。 「キーワードにどういったものを入れるかによって、検索される頻度がだいぶ変わるようですね」と坂口さん。効果的だったのは「東京パン屋」「パン好き」「パン好きと繋がりたい」など。 「インスタグラムを見てくれた企業の開発担当者から連絡があったり、卸での受注につながったりと、思わぬ方面でつながりが広がる事もあります」(坂口さん) ただ忙しい中で継続していく事はそれなりに手間がかかる事でもある。 「工場で撮った写真を家で見てコメントを入れてアップするという感じで、だいたい1更新につき30分くらいの作業ですが、なるべく肩の力を抜いてできる範囲でやると良いと思います。どれ位の効果が出ているかという事にこだわりすぎず、自分たちの興味や関心が広がる程度で続ける位がちょうど良いかも知れません」(坂口さん) また常に気をつけている事としては、コメントはわかりやすく伝えるため、長すぎず、写真を見ただけではわからない事、伝えきれない事に絞って入れている。 今後については動画のアップも徐々に増やしていければと考えているが、そちらはまだ始めたばかりなので、反響を見つつ、段々進めていくつもりだという。 SHOP DATA 店名:TOLOPAN TOKYO(トロパントウキョウ) 住所:〒153−0043東京都目黒区東山3−14−3 電話:03−3794−7106 営業時間:午前7時〜午後7時 定休日:火曜、第1、3水曜 品揃え:約70品目 スタッフ:製造11人、販売9人 | |||||||||||||
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