革命的でないのなら、ブランディングを知れ - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話 - ブランスリー電子版

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連載/2019年1月号

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革命的でないのなら、ブランディングを知れ - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 本誌2018年11月号と12月号は、「ベーカリーのブランディング」のテーマで特集を組んだが、あるブランディングの専門家が、ブランドの力について、コカコーラとペプシコーラを比較して面白い話をしていた。
 ある信頼できる調査で、コカコーラとペプシコーラを、どちらかわからない状態で飲み比べてもらったところ、ペプシコーラの方が美味しいと答えた人が、コカコーラの方が美味しいと答えた人より多かったという。一方で、同じ人たちに、コカコーラとペプシコーラのどちらを買いますかと聞くと、コカコーラの方が多数派だったという。
 このことが、ブランドの力を的確に表しているというのだ。ポイントを鋭く突いた話だと思った。
 ただ、ここでおさえておくべきことは、この話は、商品力の差が、ある一定の範囲内に収まっているということが前提条件になるということだ。コカコーラが飲みたいと思って、ペプシコーラしかないときに、どれくらいのストレスを感じるかと考えた時に、コカコーラの熱狂的なマニアは、大きなストレスを感じるかも知れないが、多くの人は、コカコーラがなければ、ペプシコーラでもいいと思うのではないだろうか。
 これに対して、ある難病の薬について、進行を抑える効果はあっても完治は期待できないものしかないときに、誰も名前も知らないようなマイナーな製薬メーカーが、完治が期待できる新薬を開発し、認可されたとしたらどうだろう。ブランド云々は、まったく関係のない話になって、その新薬が圧倒的なシェアを獲得することは明白だ。
 つまり、商品力に圧倒的な差が生まれたとき、もっと言えば、新商品が世の中を変えてしまうぐらい革命的に優れているとき、それまでのブランドの力関係による秩序は、いとも簡単に消え去るのだ。新興の会社が成り上がってくるのは、まさにこうした時に他ならない。
 商品を自ら開発して製造し、販売する仕事をしている以上、競合の商品を圧倒するような画期的な商品を生み出したいと思うのが人情だと思う。それが、もの作りを生業とするものにとっての理想の形であることは間違いない。
 パンはどうだろうか。他の商品を圧倒できるような革命的な商品は生み出せるだろうか。断言は出来ないが、難しいと思う。しかも、今は昔に比べると、かなり高いレベルでの競争になっているので、その状態で、他の商品を圧倒するような革命的な高品質のパンを生み出すのは至難の業だ。だから、ブランディングが重要なのだ。
 逆手に取れば、競合商品との商品力の差が一定の範囲内に収まっていれば、あとはブランドの力によって、どうにでもなるのだ。
 ブランディングといっても、大手企業が行っているような高額なお金を投じた大々的な広報活動は必要ない。例えば、「美味しいバゲットのAベーカリー」のように、ストーリーをできる限り単純に分かりやすくして、それを繰り返し客に訴えていけばいい。そして、客の立場に立って、心温まる笑顔の接客をし、客が気持ちよく買いものができるようにすればいい。自分の家に、世話になった恩師が来たときのような接客をすればいい。それをずっと続けていれば、いつの間にか、多くの客の心の中に、あなたの店に対する信頼が芽生える。それがブランドだ。(RO)









原価計算女王
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