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| お店拝見/2018年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

常連客は必ずと言っていいほど、会計時に佐々木さんに話しかける。 「朝の通勤時は忙しいので、それ以外ならお客様の方から話しかけてきてくれます。天気など日常的なことや、パンの食べ方、当店のパンに限らずほかのベーカリーのパンについての感想まで、いろいろ話します。元々近所にいた方が、やはり当店のパンがおいしいと、転居先からわざわざ買いに来てくれたのは、嬉しかったですね」(佐々木さん) 同店は、佐々木さんの家庭の事情で営業時間を7月から変更せざるを得なくなった。開店時間を朝の7時から、11時に4時間遅らせた。 「朝食用に買いに来るのを日課にしてくれていた方や、通勤途中に寄ってくれていた方にはご迷惑な話なのですが、事情を説明すると、皆さん、温かい言葉をかけてくれます」(佐々木さん) 佐々木さんには3歳の子どもがいる。朝早く出て、夜遅い帰宅の佐々木さんは、妻と子どもとすれ違いの生活になってしまう。営業時間変更は、これを改善することが目的だ。取材時も、「そうだよね。子どもは小さい時が大事だからね。頑張ってくださいね」などと励ましの声をかける客がいた。 同店のバゲットは、「バゲット・若」という商品名だ。これには、客を気遣う佐々木さんの思いが込められている。 「若返りのビタミンと言われているビタミンEを多く含む小麦胚芽を練りこんでいます。『若』には、お客様にいつまでも健康でお若くいていただきたいという気持ちを込めています」(佐々木さん) 「バゲット・若」(税抜240円)の生地は、「バイエルン」(税抜168円)などの調理パンにも使用している。 好きなものづくりで地元に密着する 佐々木さんは電気メーカーに就職後、パン職人に転向したという経歴がある。転向した理由をこう語る。 「ものづくりが好きで、それができる仕事という点では、パン屋も電機メーカーも同じです。パン職人を選んだのは、一つの場所に定住したいという気持ちが強かったというのが、一番の理由です。子どもの頃から親の転勤で各地を転々としていたのが影響していると思うのですが。定住するというのはすなわち、地元に密着した仕事をするということです。実際開業してみて、ベーカリーはまさに地元に密着する仕事だと実感しています」(佐々木さん) パン職人を目指すと決め、当時働いていた電機メーカーを退職し、パンの専門学校に進んだ。その後関西を中心にベーカリー6店舗、パティスリー1店舗で経験を積んだ。 「転向した分、周りより遅くこの業界に入りました。そのため、少しでも早く先輩たちに追いつきたいという思いが強く、一時期は2店のベーカリーを掛け持ちしたり、ベーカリーで正社員で働きながら別のレストランで接客のアルバイトをするなどの生活をしたこともあります。そのせいもあってか、長時間一人で働くことも苦でなくなりました。従業員を雇ったら、そうはさせられませんが」(佐々木さん) それから、一般社団法人日本パン技術研究所で助講師を務めた後、大手油脂メーカーに勤務し、同店を開業した。油脂メーカー勤務中は、ユーザーであるベーカリーなどに向けて、商品の開発や提案を行うなどした。また、開発した商品の中の一つは、カリフォルニアレーズンコンテストで賞をもらった。 こうした経験もあって、現在も佐々木さんは日常的に商品開発に取り組んでいる。 「毎日40〜50種類作っています。店舗の規模や一人で製造していることなどを考えると、適切な品数の倍近いかと思いますが、お客様に楽しんで選んでいただきたいですし、私自身も、もっと多くの種類を作りたいという思いがあるんです」(佐々木さん) | |||||||||||||||||||

| この記事の読みどころ
●段取りを重視して製造を完璧にこなし、心に余裕を持って常に楽しい精神状態を維持して接客する。
●固定客の好みを記憶して、顔を見ただけで瞬時に求めている商品がわかるようにする。 ●地元に密着してベーカリーを営むということは、その地域に定住するということ。 ※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。 |

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