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| 海外情報(20)/2002年9月号 |
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| よみがえるアメリカのコンビニエンス ストアー最新事情 - 高橋秀尚=(株)パンワールド代表取締役、海外情報研究会主宰
食品専門のSM、食品重視型Cストアー
全米コンビニエンス ストアー協会が分類 アメリカで生まれ日本で成長 アメリカ生まれのもので、日本で本国をしのぐ勢いで成長したものは何か? クイズめいた質問であるが、例えば自動車産業やプロ野球などがあげられよう。そして日本人の生活に今やなくてはならないコンビニエンス ストアーを加えても異論はないだろう。日本でCVS(アメリカではCストアー)と呼ばれるこの業態はご存知世界最大のセブンーイレブン(最近になって旧名称のサウスランド社から社名変更)を始めとする100社以上の企業(チェーン)がしのぎをけずっている。 車社会のアメリカでは、通勤などの移動手段は、電車に頼ることはほとんど皆無であるから、日本のように駅前商店街などは存在しない。したがってコンビニエンス ストアー(以後Cストアーと呼ぶ)の出店条件といわれる「住宅街に隣接すること」はアメリカの場合、かならずしも必要としない。筆者もアメリカに行くごとにCストアーを見るように心掛けているが、出店場所が日本のそれとかなり異なることに気がついた。そのほとんどは、フリーウェイと呼ばれる高速道路に通じる一般道路に面しているのだ。そして、アメリカのCストアーはガソリン給油施設を持っていて、車による移動中に給油をすると同時に軽食をとったり日常生活の最小必需品(ミニマム ネセシティ アイテムという)を買ったり、という購買パターンが多いことを知った。また日本でいうファストフードやカジュアル レストランの多くは同じ条件の場所に出店している(ちなみにファースト フードと仮名で書くのは適切ではない。早いサービスという意味であるから、ファストが正しいだろう)。 問題点は利益率の低下 さて、アメリカのCストアー業界規模はどのくらいであろうか? 2001年度の資料を調べてみた(出典・CSニュースほか)。 ◎年商合計2830億ドル(約33兆9600億円)。 ただしガソリン販売額が半分以上の1710億ドルを占めるので日本と同様の物販年商総額は、1120億ドル(円換算額は約13兆4400億円)となる。 また物販部門の前年度伸び率は約7・6%であり、アメリカにおける昨年度小売業伸び率の平均値が3・4%であったから、Cストアー業界は善戦したといえよう。では問題点は何かといえば利益率の低下である。2001年度の税前利益率は24・6%に低下したが、これは過去4年間で最低である。またここ数年間で高い利益率を確保してきたCストアーにおけるフードサービス部門の利益率も昨年度は18・5%に低下した。 ◎商品群別売上構成比率 ▼タバコ類…………38・7% ▼容器入りドリンク類………………………………11・7% ▼フードサービス……11・4% ▼ビール……………9・9% ▼日用品……………3・6% ▼キャンデー類………3・4% ▼乳製品……………3・0% ▼シガータバコ類……2・7% ▼塩味スナック類……2・3% ▼出版物類…………2・0% ▼その他(ベーカリー商品、コーヒーなど)…………11・3% フードサービス部門の強化がカギ さてCストアー業界における競合対策は、どのような手段が考えられるのであろうか? アメリカの専門家は次のように述べている。 ◎フードサービス部門の充実 最近のニュースとして最大手のセブンーイレブンが発表した「ビッグイート デリサンドイッチ」が、食品関係の団体であるアメリカ テイスティング協会から、ゴールドメダル(金賞)を受けたことが報道された。この協会に属するプロのシェフが審査をした結果で、品目は次のようだ(単価はすべて3ドル29セント)。 ▼クラシック チキン ▼セーボリー ローストビーフ ▼スモーク ターキー ▼バーボンマスタード味ハム ▼ターキークラブ これらの商品を扱う店舗ではサンドイッチの売上が35%も伸びたという。 かってはCストアーの創始者として名門との評価を維持していた同社も、ライフスタイルと商品トレンドの変化に追従できずに方向性を失った時期もあったと思われるが、日本の流通企業であるイトーヨーカ堂の支援とノウハウ提供により最近は店舗、商品とも活性化に向かっているようだ。前述のサンドイッチ開発も、その成果の一例であろう。 ライフスタイルが著しく変化 さてCストアー存続にかかわる重要なカナメとなるフードサービス部門であるが、その内容はどのようなものであろうか? まずアメリカにおける顧客のライフスタイル(生活様式という訳語が最もわかりやすい)が著しく変化していることを知っておこう。それは…。 ●家族構成の変化(単身者、ノーキッズと呼ばれる子供を産まない夫婦の増加) ●それに伴う食品など生活必需品の一回の購買量の減少 ●不定時勤務者の増加 ●食事摂取パターンの変化(朝、昼、夕食というレギュラー・ミールの崩潰傾向と中間食=ビトウィーン ザ ミール=の増加)――などである。 ちなみにアメリカにおいて1世帯が毎週支出する食費は87ドル、また1人あたりの支出は36ドル、つまり平均的家族構成は2・41人となる。この中でスーパーマーケット(SM)における購買金額は25・66ドルであるから、1人あたりの食費の71%がSMで使われていることになる。 食品重視型のCストアー そのSMであるが、昨年度年商総額は5175億ドル(約62兆円)、従業者数350万人、店舗数約16万店という巨大産業である。置いてある品数(アイテム数)は約2万5000、店舗サイズはおおよそ4000万平方メートルという。 そのSMでの買い物であるが、最近は顧客の目から見ると「店が広すぎて自分がほしい品物がどこにあるか分かりにくい。店の中をすべて歩くのは疲れる」という苦情が多いという。筆者などはアメリカのSM店舗を見て歩くのが大好きであるから広すぎると思ったことはないが、高齢化が進むとこのような苦情も出てくるのであろう。となればSMの4〜5倍も大きいスーパーセンターでの買い物はどうするのであろうか? 筆者の大胆な憶測であるが、将来はSMのような大型店舗も「食品専門店」と「非食品専門店」とに分かれるのではないだろうか? 食品専門SMにすれば店舗サイズは半分でよい。食品の購買頻度はアメリカの統計では毎週2・2回であるが、非食品の購買回数はそれほど多くないであろう。また要求される条件も「低価格」であろうからスーパーセンターやディスカウントストアーで買えばよいだろう。 そこで注目されるのが、この小型化されたスーパーマーケットであるが、すでにアメリカでは10年ほど前から業態開発が行われており「スパレット」と呼ばれている。この食品中心の店舗として、例えばニューヨーク市内に展開する「アソシエーテッド」という名前のチェーンが知られている。 ところが今月のテーマであるCストアーの食品重視型店舗開発が進められているというニュースが入ってきたのには驚いた。今まで「業態の交錯化・フォーマット クロスオーバー」の例は数多く見ているが、スーパーマーケットとCストアーの例は初めて聞く。 Cストアーは、細分化されつつある ちなみに業界で指導的立場にある全米コンビニエンス ストアー協会が定めているCストアーの区分は次の通りである(Cストアー自体が既に業態区分されているので、これらを業態区分と呼べないと思う)。 (1)Kiosk(キオスク) 75平方メートル以下の店舗面積でガソリン給油設備と必要最小限の日用品を揃える。食品類の品揃えはほとんどない。ガソリン給油が最大目的。 (2)ミニ コンビニエンス ストアー 店舗面積は75〜110平方メートルで現在最も多く見られるタイプのCストアー。ガソリン給油施設を持つ店が多いが、ない場合もある。食品の品揃えは少ないが最近ではサンドイッチなどを置く店も増えている。 (3)リミテッド セレクション Cストアー 店舗面積が140〜205平方メートルの最も平均的なCストアーとされる。石油会社が展開するCストアーは大部分がこのタイプ。フードサービスを含む食品類の強化に力を入れているチェーンも多い。 (4)トラディショナル Cストアー 店舗面積が222〜232平方メートルで、ベーカリー、乳製品、スナック、グローサリー、飲食物の充実を図っている。将来はプリペアード フード(調理済食品)も品揃えすると予測される。 (5)エキスパンデッド(Expanded)Cストアー 店舗面積が370〜465平方メートルで、インストア・ベーカリーや店内飲食スペースを置く場合が多い。対象顧客には中高年層も含まれ、また顧客サービスに力を入れている。 ◇ このようにCストアー業態も細分化されつつあるが、次のような共通点を持っている。 (1)店舗面積は465平方メール以下 (2)店舗前面に駐車場を持つ (3)営業時間は24時間、週7日 (4)所有するSKUは、最低で500 (5)商品構成(プロダクト ミックス)にはグローサリー類も含まれる。 業態ごとのフードサービスの内容は? さて前述の「フードトサービス」について内容を説明しよう。この用語の一般的な意味は文字通り「フードをサービス、つまり人手をかけて顧客に提供すること」であるが、業態別にみたフードサービスの提供区分は次の通りである。 ▼ファストフード レストラン……………………………43% ▼フルサービス レストラン……………………………28% ▼スーパーマーケット内デリ部門………………………18% ▼Cストアー……………3% ▼その他…………………8% (注)Cストアーのフードサービス部門は今後も伸びが予測される。 そして、そのメニュー内容は次の通りである。 ▼店内調理(プリペアード オンサイト)………………27% ▼ホット サンドイッチ…25% ▼コールド ドリンク類…………………………………20% ▼その他のドリンク類…14% ▼冷蔵サンドイッチ類…8% ▼その他…………………6% また2001年度におけるCストアーのフードサービス年商総額は141億ドル(約1兆7000億円)、伸び率は4%であった。 それではベーカリー業界としてはCストアーのこのような変化をどのように見たらよいのであろうか? 日本におけるCストアーの今日の姿はアメリカが手本にするほど豊富な品揃えと顧客サービスを既に持っていると思う。しかしながら店内飲食スペース置くタイプのCストアーは参考例として研究が必要と思われる。また前述のミニスーパーマーケット型Cストアーも日本市場に適した業態ではなかろうか。 そして何よりも重要なのは異なる業態にマッチする商品開発であろう。なお参考例として筆者が6月に渡米した際に撮影したCストーアー向け商品例の写真と、アメリカの店舗開発例を示すレイアウトを掲載した。 |




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