客集めの極意は、共感してくれる人を見つけること - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話 - ブランスリー電子版

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連載/2018年5月号

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客集めの極意は、共感してくれる人を見つけること - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 今回の特集で取材したベーカリーのひとつは、スマホを媒体にした会員制度を運用しているという。レジで清算する際にスマホをかざすと、購入金額に応じてポイントが付与され、貯まったポイントもレジで清算する際に随時使用できる。
 会員登録は、顧客の自発性に完全に委ね、店内にその案内のチラシを置いているだけで、店側から勧誘することはしないという。
 私が注目したいのは、このシステムを使って、店側が随時メッセージを客に送れることだ。雨の日の割引や新商品などについてのメッセージを随時送っているそうだ。
 同店では一方で、店内でのフェースツーフェースのコミュニケーションも大事にし、さらには、商品のポップなどに、商品開発をした人の思いが伝わるようにと、素材や製法について、イラストも交えながら、心のこもった文章で伝えるようにしているという。
 店を経営している以上、客を集めなければならないわけだが、店に興味のない人を無理やり連れてくるわけにもいかないので、客を集めるということは、客に店の色々なことに興味を持ってもらい、「店に行きたい」「店にまた来たい」と思ってもらうように仕向けることに他ならない。
 一般企業の営業手法に、顧客に買ってくださいと積極的に働きかける「プッシュ型」と、顧客が興味を持って近づいてくるまで待つ「プル型」があるというが、ベーカリーの場合は、「プル型」が適しているだろう。
 しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、顧客が興味を持つまで待つといっても、何もしないで待っているわけではないということだ。まずは客が興味を持つような魅力ある商品を開発し、客が癒されるような接客をし、客がうなるような情報を提供することが先決だ。
 そして、ここが重要だが、こうした店からの情報や想いの発信作業を、押し付けがましさを微塵も出さずに、さりげなく爽やかに行わなくてはならない。その上で、ここがさらに重要だが、店からの情報や想いの発信内容に心を響かせる客を、見つけ出さなくてはならない。
 SNSの普及などで、ほとんどの個人が情報発信の主体になった今の世の中において、ある想いを強烈に発信したとしても、大多数が共感するなどいうことはあり得ない。大切なのは自分と心が響き合う人をいかにして見つけるかだ。
 個人が情報を簡単に発信できる現在においては、一昔前のように、メジャーな媒体が発信た内容に日本中が共感して、大きな流れになるというようなことはあまりない。色々な人が色々な価値観で情報を発信し、それぞれの価値観に共鳴する人のグループがいくつも自然にできていくというのが実態だと考えれば、リテールベーカリーは、その少し大きめのグループを作るのに最も適した主体になり得るだろう。
 話を今回取材させて頂いたベーカリーに戻すと、グループのメンバー(会員)に、タイミングよく生きた情報を、スマホを媒体として流せば、メンバーもまた情報発信の主体であることが多いので、さらなる拡散が期待できる。また、会員の中には、グループの一員と呼ぶには、店への共感度がそれほど高くない人もいるので、そうした人に、店への共感度を高めてもらうきっかけとなるメッセージを、押し付けがましさを出さずに流すとこともできる。まさに「プル型」の客集めがきるということになる。 (RO)









原価計算女王
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