地元の人が誇れる店にしたい - ブーランジェリーオンニ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2018年5月号

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地元の人が誇れる店にしたい - ブーランジェリーオンニ
オーナーシェフの近賀健太郎さん
「ブーランジェリーオンニ」の外観。右にテラス席がある
パンの整頓はまめに行う。隙間なく並ぶよう、補充も欠かさない
パンはL字型の陳列台に隙間なく並ぶ
フルーツとクリームのバランスが人気の「ダークチェリー」(税込260円)や「オランジェ」(税込260円)などのデニッシュ
素材の異なるかごや皿などを使って変化を付けた陳列
主婦が気分転換できる場所をつくりたい

 神奈川県横浜市の「ブーランジェリーオンニ」は、京急線上大岡駅から線路に沿って、800メートルほど歩いた場所にある。
 オーナーシェフの近賀健太郎さんは、同市内の出身。知人から、上大岡駅周辺は、大手のベーカリーはあるが個人店が少ないという話を聞き、地元からも近いこの場所に開業を決めたという。
 店舗入り口のドアまで3メートルほど、木製のアプローチが続いており、その横には、日除けのテントと丸太椅子とテーブルがあるテラス席が設けてある。周りには、植木の花や緑が飾られており、店内で購入したパンを早速外で食べたくなるような気分にさせる。
 「一息つける場所として、イートインは絶対設けたいと思っていました。例えば、主婦の方が子育てや家事で疲れたなと思ったとき、5分でも10分でも座って、コーヒーを飲んだりパンを食べたりできる場所があったら、気分転換になると思うんです」(近賀さん)
 実際、ベビーカーと一緒に来店し、イートイン席を利用した客から「子育てで行き詰っていた気持ちが晴れた」という内容の手紙をもらったことがある。
 店内にも3席のイートインスペースがある。カウンターテーブルと、座り心地の良い革張りの椅子が用意されている。
 「もともと売り場は広くないので、イートインスペースをなくしてその分広げたらという意見もありましたが、なくせない大事な場所になってきていることを実感しています」(近賀さん)
 店内の所々には、妻の希さんが集めたという北欧雑貨や、花瓶に活けられた花や木が飾られており、心が安らぐ空間づくりを手伝っている。

子育てしながら無理なく続けられる環境づくり

 2015年7月に開業した同店のスタッフのほとんどは、開業当初から辞めずに勤続している。また、現在、販売担当の10人のほとんどが子育てしている主婦だ。
 「お子さんが熱を出したり、学校行事がある場合など、無理せず休んでもらえるようにしています。ただ、通っている学校が同じだと、行事日程が被って休みが集中してしまいますので、採用時に、お子さんがどこの学区かを聞いて、皆が同じにならないように調整しておきました。私たち夫婦も子どもがいます。子育てしながら働くという同じ立場に立って、互いに補い合っていきたいという気持ちがあります」(近賀さん)
 近賀さんには3人の子どもがいる。妻の希さんは、店の仕事と子育てと家事で、開業からこれまで全力で走ってきた。
 「妻は、最近ようやく、休みがとれるようになり、少し余裕を持てるようになってきました。それに伴うようにして、売り場が整ってきましたし、不定期ですが、『パンやのおたより』という、お客様にお渡しする手紙のようなものを書けるようにもなりました。今までやりたいと思ってきたことを、少しずつできるようになってきたところだと思います」(近賀さん)
 商品のプライスカードも、希さんの手作りだ。商品説明にイラストを交え、万年筆で細かく丁寧に書かれている。



半年前にリニューアルした「カレーパン」(税込250円)
「カレーパン」の断面
マスタードの色が鮮やかな「ベーコン&カシューナッツのグリーンマスタード」(税込230円)
「ベーコン&カシューナッツのグリーンマスタード」の断面
最近始めた「パンやのおたより」。店の近況などを手書きで綴った読み物
右にイートイン席が3席あり、コーヒーも楽しめる
人気アイテムに磨きをかける

 パンは現在80種類ほど揃う。人気なのは、「クロワッサン」(税込240円)や、「オランジェ」(税込260円)などフルーツののったデニッシュ、「カレーパン」(税込250円)、見た目はハード系だが食べてみるともちもちとした食感の焼きこみ調理パン「ベーコン&カシューナッツのグリーンマスタード」(税込230円)などだ。
 どのパンも、トッピングなどに使われている具や、焼き色や形などが様々で、見た目も楽しませてくれる。さらに、素材の異なるかごや皿などを使い、変化を付けて並べることで、どれにしようか目移りしそうなほど、すべての商品が魅力的に目に映ってくる。
 「入って、わあっと気持ちが高まるような店にしたいと思っています」(近賀さん)
 近賀さんが開業前に働いた千葉県松戸市のベーカリー「ツオップ」に、客として初めて行ったときに受けた衝撃を、今でも忘れないという。
 「自分だけでなく、ほかの来店客もとても楽しそうにパンを選んでいたのが印象的でした。自分の店も、パンが店中に溢れているような、パンに包まれるような気持ちになるような空間にしたいと思いました」(近賀さん)
 近賀さんが好きだという、ベーコンを入れた「ベーコン&カシューナッツのグリーンマスタード」は、バジル風味のマスタードの緑色が目に鮮やかだ。味は、カシューナッツの食感や、グリーンペッパーの爽やかな風味とピリッとした辛さが効いており、見た目を裏切らない驚きも感じさせてくれる味わいだ。
 ベーコンは、人気の「カレーパン」にも入れている。「カレーパン」は、半年前にリニューアルした。
 「大阪のインドカレー店のオーナーから連絡をもらったのがきっかけで、リニューアルしました。以前は自分で一から作っていたのですが、今はそのインドカレー店でカレーのベースを作ってもらって、それを元に、当店で具材を入れるなどして仕上げています。カレーパンをずっと改良したいと思い続けていたので、連絡をもらえたことに感謝しています」(近賀さん)
 「カレーパン」は、リニューアル後、全国の書店に並ぶ雑誌の手土産部門で、全国1位に輝いた。
 「自分で納得できる味の『カレーパン』にできたこともよかったですし、雑誌で1位に選ばれることで、当店のお客様にもそれを喜んでもらえると思って、本当に嬉しかったですね。この地域に当店があってよかったとか、地域の誇りに思ってもらえるようになりたいと思っています」(近賀さん)
 「カレーパン」は、土産としての用途も考慮し、時間が経ってもできるだけ味が落ちないよう、揚げ方などを工夫したり、「カレーパン」専用の箱も用意している。
 近賀さんは、年末年始やお盆など帰省の際にも、手土産として使ってもらえるような、日持ちのする焼き菓子などを、今後充実させていきたいという。

SHOP DATA
店名:ブーランジェリーオンニ
住所:〒233−0002 神奈川県横浜市港南区上大岡西3−10−1
電話:045‐367‐8501
営業時間:午前8時〜午後6時
定休日:日曜日
品揃え:90品目
営業時間:製造常時2〜3人、販売常時3人
店舗面積:厨房9坪、売り場(イートインスペース含む)6坪
日商:平日20万円、土曜40万円



この記事の読みどころ

●顧客と心でつながる場所としてイートインを設けた。
●「子育て」で強まるスタッフ同士の連帯感。
●商品のプライスカードは、希夫人の手作りで、商品説明が万年筆で細かく丁寧に書かれている。
●入って、わあっと気持ちが高まるような店にしたい。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。





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