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| 特集/2018年5月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| SNS時代の顧客掌握術
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同店はこれまでHPやフェイスブックなどSNSを利用した顧客コミュニケーションにも力を入れてきたが、上野さんは「アプリ登録のようにある程度の個人情報があると、お客様それぞれの購買行動の傾向などの実態がつかみやすい。来店履歴に合わせたメッセージなども効果的に送る事ができます」と話す。 会員には定期的に同店から、店の最新情報などに関するメッセージを送っている。スマートフォンのトップ画面にリアルタイムでポップアップメッセージを表示させるものだ。 「雨の日の割引情報や新商品情報など緊急性の高いものは常連の方を中心に送りますね。誕生日が来た人にはお祝いのメッセージを送るといったこともしています」(上野さん) 一方、近日中のフェアやイベントの開催を知らせるメッセージや、定番品の魅力を改めて伝えるようなメッセージは、登録のみで来店履歴のない人に積極的に送ったりする。同店の場合、折り込みチラシを見て興味を持ちアプリ登録をしてくれたが、まだ来店してくれていない会員もいるので、一度来て店の事を実際に知ってもらうためにも、メッセージ送信は効果的という。 アプリ会員の募集は昨年4月から開始し約1年経ったが、3月末の取材時現在で800人以上の登録者がおり、今も月50人のペースで増え続けている。 「PCは持っていなくてもスマートフォンは持っているという人もいるので広げやすく、またフェイスブックと違い、相手の実態がある程度つかめる中でこちらから積極的に情報を発信できるので、多くのお客様と密になれるという意味では今は最も効果的な方法ですね」(上野さん) | |||||||||||||||||||

ただしアプリ登録は押し付けではなく、店内に設置したボックスにチラシを置いているくらいで、接客の際に特に紹介する事はない。チラシやHPから登録してくれる人もいるが、いずれも登録自体は自発的に行ってもらう。 店側としてはスマホ上での情報発信も確かに効果的と考えているが、その一方で、実際に店頭へ来た人へフェースツーフェースのコミュニケーションで店の情報を伝えていく事も大切だと考えているからだ。 そのため、昼時の混雑時はなかなか厳しいが、客足が落ち着く昼下がりの時間帯などは何かあれば来店客に話しかけるようにとスタッフには伝えているという。「店の規模がある程度大きくなってくると個別に話しかけるのは難しくなってくる事ではありますが、上野さんは「お客様が今、何を必要としているのか、考えてもらえるようになるため必要な事ではと思います」という。 また、来店客に店側の思いが伝わるような売場作りも大切にしている。商品のポップの説明は、商品開発した人の想いが伝わるように、素材や製法のこだわりをイラストなども取り入れ書き入れるなどの工夫を施している。 定期的に行っている小学生までの親子を対象としたワークショップでも、店や店の商品に関する感想や意見を聞く事があれば大切にしている。 | |||||||||||||
同店はPOSシステムを導入しており、商品別の売上構成比を逐一把握している。定期的な新商品開発に力を入れ、約80種類の商品を展開する同店だが、データを見ると、それでも売上個数が多いのは「お肉のカレーパン」(税別160円)、「塩パン」(税別100円)、「ハレビノ食パン」(税別220円)と定番商品が多くを占めている事がわかる。 新商品や趣向を凝らした商品など、フェイスブック上で話題になることはあっても、実際の売上はやはり定番のものが手堅い。 「それでも新商品など店側の情報を拡散し、何らかの変化を伝えていく事は意味があると思います。宣伝になるというだけでなく、色々な意見をもらう事もあるので直接の売上には結びつかなくても情報交流していく必要性を感じます」(上野さん) 実は同店は「柏の葉パンフェスタ」という地域のリテールベーカリーが多数参加するマルシェイベントの主催もしている。これは、アプリサービスのように日常の売上自体を押し上げてくれるものではないが、行う価値があるという。その理由について「自分としては、町にある個人店のベーカリー全体を応援していきたい、業界全体を活性化していきたいという想いがありますね」と上野さん。 実は同店は昨年末に姉妹店となる店を同じ千葉県内の松戸市稔台にオープンした。店のコンセプトは異なるコッペパン専門店だが、「色々な所で色々な人に個人店のベーカリーの魅力を知ってもらう事自体が必要と考えています。そのためには各地域で色々な店を出したいですね。3、4号店の出店もいずれ考えています」と上野さんは話す。 稔台店では客からの新商品リクエストを書いた紙「リクエストコッペ」を壁に貼って集計するといった事も行っており、これにより、これまで2品ほどが実際に商品化された。フェイスブックなどの感想やコメントを見る事も大切にしている。 「お客様が喜ぶ事をしたいというのもありますが、ある意味お店自体をお客様が作っていってくれるところがありますね。街全体で個人店のパン屋を盛り上げていってもらえるような流れが作れればと思います」(上野さん) SHOP DATA 店名:ベーカリーハレビノ 住所:〒277-0023 千葉県柏市中央2-11-13 電話:04-7166-7166 営業時間:午前7時30分〜午後8時 定休日:無休 品揃え:約80品目 スタッフ:製造常時4〜5人、販売常時2人(平日)、製造常時6人、販売常時3人(土日) 店舗面積:売場15坪、厨房15坪、カフェ10坪(22席)、バックヤード5坪 日商:23万円(平日)、35万円(土日) | |||||||||||||
| 近所の人が絶えず行きたいと思える店作り | |||||||||||||
店内のパンが見える大きな窓ガラスには、桜の木が描かれ、その横の掲示板には様々な貼り紙が施され、温度計がかけられている。パン以外にも見どころがある外観のこの店は、東京・目黒区の「ブレッドプラントオズ」だ。 「外から見たら、何の店だろうって思ってもらえるように、描いています」 こう話すのは、窓の装飾を担当している、販売担当で店長の渡部美菜子さん。 「子ども連れのお客様も多いので、お子さんに、『このお店楽しそう』とか『入ってみたい』って、興味をもってもらいたいんです」(渡部さん) 外観や窓ガラスだけでなく、店内の装飾にも力を入れている。取材時の花見シーズンに合わせ、天井から紙製の桜の花飾りを吊るしたり、プライスカードに桜のイラストを取り付けるなど、店内も桜の飾りで華やかに演出している。 こうした装飾は、季節のイベントを意識して、一カ月ごとに変えている。 「夏なら、店内が涼しく見えるような装飾を考えます。中に入ってみたいと思ってもらえるようにです」(渡部さん) 季節感を出したり、はたまた、何の店だろうと思わせるような装飾を施すことについて、オーナーシェフの大島剛志さんは、こう話す。 「窓の装飾は、『窓が大きいから、そのままにしておかないで活用してみよう』と思ったのがきっかけです。イラストを描いたり、飾り付けたりする作業は、好きだったり、得意だったりするスタッフに、やってもらうようにしています。ですのでお題は出しますが、具体的にどのような飾り付けにするかなど詳細は、自由に決めてもらっています。また、最寄り駅から離れた立地ということもあり、当店にいらっしゃる方は、近所の常連の方がほとんどですので、装飾で変化を付けて、マンネリ化するのを防ぎたいという思いもあります」 | |||||||||||||
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サービスをするなら思い切りの良さが大事
装飾だけでなく、様々なサービスやイベントも日常的に行い、常連客を飽きさせない工夫をしている。 「雨天のときの雨の日サービスは、例えば、税込205円の『クロワッサン』を、3個で税込500円、また、税込500円以上買うとコーヒープレゼント、さらに800円以上買うとパンのプレゼント、ポイントカードのポイントを税込500円以上ならプラス1ポイント、1500円以上ならプラス2ポイントという具合です。やるならケチケチせず、思い切りの良さを大切にしています」(大島さん) 大したことのない内容では、つまらなく終わるだけだが、思い切りの良い内容であれば、告知の時点でも面白く、話題性があり、やる意味があるのだという。 「どうせやるなら、ひと笑い起こすくらいの、誰かに言いたくなるような面白い内容にしようと思っています。また、結果だめでも、色々試してみることで、得ることがありますから」(大島さん) 過去には、店舗の外に取り付けてある温度計を使ったサービスも行ったことがある。 「冬の寒い時期、5度Cを下回ったら購入金額から8パーセントオフのサービスをやったのですが、実際始めてみると、毎日のように5度C以下が続いてしまい、困りましたね。それでやめてしまったのですが、だめだと思ったらすぱっとやめるのも大事だと思っています」(大島さん) |
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カフェスペースを利用してイベントを開催
5年前の開業後、半年経ってから開始し、約4年半続いているイベントは、子どもを対象にしたパン教室だ。毎回好評で、キャンセル待ちが出るほどだ。 「告知は主に店頭で行っているのですが、すぐに定員に達してしまうので、お客様に楽しみにしてもらえるようになったのだと実感しています。常連客の中でも、特に、近所のコアなファンになってくれる方をつくりたいという目的で始めました。カフェスペースが10坪ほどとかなり広めなので、このスペースで何かイベントができたらという思いもありました」(大島さん) カフェスペースは、売り場の奥にあり、通常営業時は、購入したパンや、ランチメニューなどが楽しめる場所となっている。ここでは、主催が同店でないイベントを行うこともある。 「カフェスペースに、『イベントしませんか』という貼り紙をして、当店のパンに関わらない内容でも、使ってもらえるように呼び掛けています。これまで、フラワーアレンジメントやアロマオイルを使った石鹸作りなどの体験教室として使ってもらったこともありました。毎月開催しているのは、水彩画教室です。当店のパンを描いて、描き終わったらそのパンを食べるという内容で、5歳のお子さんもいますし、幅広い年代の方が参加しています」(大島さん) イベントの参加者募集は、店の外と中にある掲示板に貼り紙をするのが通例だ。 「開業当初から掲示板はあるのですが、地域の人に、色々貼ってもらいたいという思いで設けました」(大島さん) 現在貼り出されているものは、同店で行うものに限らないので、まるで地域の掲示板のような存在になっている。 様々な顧客に紙とSNSを併用して知らせる 先日、5周年を記念したイベントを開催した。周年イベントは恒例となっており、今回は、1000円以上の購入者にくじをプレゼントしたり、売れ筋商品を特売するなどした。パンの特売は、周年イベント以外でも、不定期で行っている。 「特売を告知する際は、掲示板の貼り紙のほか、買い物袋に商品と一緒に案内を書いた紙を一緒に入れさせてもらうこともあります」(大島さん) 同店は、フェイスブックでも情報発信をしているが、使用頻度は高くないという。 「高齢のお客様も多いので、貼り紙をしたり、直接口頭でお知らせするやり方も欠かせないですね。フェイスブックには、パン教室の様子や新商品のお知らせをのせることが多く、更新は毎月していますが、2回程度に抑えています。というのも、そのくらいの量が、ちょうど嫌にならず見ていただけると思うからです」(大島さん) 現在、インスタグラムの活用を試しているという。 「インスタグラムで、パンを作っているところを、動画で見てもらえたらと思っています。作っているところだけでなく、開発しているところや失敗しているところなども見てもらえたら、お客様も私たちと同じように、商品への思い入れが出てくるのではないかという期待があるからです」(大島さん) SHOP DATA 店名:ブレッドプラントオズ 住所:〒152−0023 東京都目黒区八雲4−1−19 電話:03‐6421‐2571 営業時間:午前8時〜午後8時 定休日:無休 品揃え:80品目 スタッフ:製造常時3人、販売常時2〜3人 店舗面積:厨房20坪、売り場10坪、カフェ10坪 日商:平日20万円、土日40万円 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。



































