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| 連載/2017年11月号 |
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| 障がい者と共に生きる社会を応援する企業 - 一粒の麦から40(文・本行恵子) | |
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日本セルプセンター主催の研修会
全国にある障がい者の自立を支援する就労施設では、パン・焼き菓子製造、縫製、木工製品や家具の製造、陶磁器の制作、野菜・果物・花の栽培など、様々な事業に取り組んでいます。それらの事業をバックアップする特定非営利活動法人日本セルプセンターは、企業・団体との連携による営業活動や情報発信、各種研修会による支援活動を行っています。セルプ(SELP)とは、働く意欲がありながら、障がいなどの理由で一般の事業所に就職しにくい人々のための就労の場(授産施設)のことです。1995年に授産施設に変わる新しい名称として社会就労センター協議会が作った名称で、自立を意味する英語「SELF HELP」から作られた造語です。 日本セルプセンターの製パン部会は活動の一つとして、講師を招き製パン技術・販売講習会や講演会を行っています。各施設で製パン事業を担当する支援員(就労施設利用者の作業をサポートする職員)のために、製パンを基礎から教えるという内容です。支援員はほとんどが、配属されてはじめて製パン事業に携わる人です。専門的な知識を身に着ける機会もないまま、その事業所のやり方を踏襲することが多いそうです。 過去の講習会や講演会では西川功晃さん(サ・マーシュオーナーシェフ)や、松本将宏さん(ブレッドハウス バンブーオーナーシェフ)も講師を務めました。西川さんは実技講習や講演会だけでなく、自分の店を開放し厨房の見学や売り場の演出、販売の仕方を紹介しました。また松本さんは福祉事業所で製パンの支援員をしていた経験もあり、「昔、福祉事業所のパン屋・今、街のパン屋」をテーマに講演をしました。受講者は同じ立場を経験している松本さんに親しみを感じ、支援員としてどのように教えるかなどについて質問もしやすかったのではないでしょうか。 冷蔵長時間発酵のパン3品を学ぶ 今回はカネカ食品(本社=東京・新宿区)の全面的な協力で、第1回目が、東京会場と大阪会場で、それぞれ9月5日〜6日、19日〜20日に開催されました。第2回目は11月〜12月に、関東と関西で開催されます。 東京・大阪会場の研修会1日目は「製パンの基礎講習会」と題して、カネカ食品の常務執行役員・商品企画開発部長、船岡利行さんから製パンメカニズムの基本を学びました。はじめに製パン原材料とその役割・注意点からスタートし、製パンの骨格、代表的なパンの特性と製法、製パンの基本的な流れなどの講義が行われました。その後「冷蔵長時間発酵製法」で作る食パン、クロワッサン、ブリオッシュ3品のそれぞれの生地仕込みを、商品企画開発部の大内良太さん(大阪は長野実加子さん)が紹介しました。この製法の特徴は安定した品質のパンを効率よく作ることができ、発酵風味が良好で、ソフトで硬化の遅いパンに仕上がることです。朝の生地仕込み作業が省けるため、労働時間の短縮にもつながります。前日仕込んだ冷蔵生地を使用することで、「高品質と効率化」を両立させるパンの製法を学ぶことができました。 翌2日目は、製パン作業の実習です。前日仕込んだ冷蔵生地を使って、生地の復温から作業に入ります。前日の座学で学んだ、原材料の役割・使い方、製パン工程における生地の変化、食パンの手成形とモルダーによる成形の違い、クロワッサンのバター折り込みのコツ、発酵やミキシングの見極め、生地の扱い方などを、実習で体感しながら学びました。ポイントごとに丁寧な説明があり、パンと初めて向き合う人にもとてもわかりやすい研修会でした。しかし研修会で学んだことを現場に生かすためには、何度も試作を重ね商品化しなければなりません。次回は今回の研修から見えてきた課題や疑問にも触れながら、より確実に技術を身につけられるような講義内容にしたいそうです。こうした企業の社会貢献が、障がい者と共に生きる社会を作り上げているのです。 本行 恵子(ほんぎょう けいこ) パンと食のライター。家庭製パン教室を10年間主宰した後、パン業界専門誌『B&C』の編集記者、編集長として勤務。16年間の在職中、日本各地のリテールベーカリーや欧米、アジア諸国を訪問し、パンと食文化を取材。現在はフリーの立場で、業界専門誌や企業ホームページでの執筆活動、業界関連団体への企画提案などを行っている。ライフワークは、パンのある食卓の提案。 |




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