美味しいパンと飽きないパン - ル・ミルトン パン - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2017年11月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


美味しいパンと飽きないパン - ル・ミルトン パン
小さな窓が一つのこぢんまりとした店構えの「ル・ミルトン パン」
店内には100種類ものパンがぎっしり並ぶ
陳列方法だけでなく、商品自体の形も様々で、目を楽しませてくれる
オーナーシェフの大場和幸さん
存在を知ってもらうための宣伝を欠かさない

 ベーカリーの開業支援会社に勤務した経歴のある大場知幸さんは2013年、自身の店をオープンした。神奈川県横浜市のベーカリー「ル・ミルトン パン」だ。
 同店は最寄り駅から徒歩15〜20分ほどと、好立地とは言い難い場所にある。しかしバス通りに面し、店の前にはバス停がある。
 「バス車内から当店を見付けてくれた人が来店してくれるとは限らないですし、『自分が思っているほど、当店の存在なんて、全然知られていないんだ』と思うようにしています。ですので、知ってもらうための宣伝には、力を入れています」(大場さん)
 大場さん夫婦2人とパート2人で始めた同店は、4年足らずのうちに、社員を7人雇うまでに成長。1日平均400人の来客数を稼ぐまでになった。
 「インターネットのSNSやアプリを販促に色々活用しています。また、タウン誌には、開業時からこれまで、4分の1ページの目立つ大きさで月に2回、広告を出すことを欠かさないようにしてきました。このように、認知度を上げるための努力は常に怠らないようにしています。『先月より売れたら、その分ちょっとでも多めにチラシを撒こう』という風な意識を持っています。とにかく、まずは知ってもらいたいので、そのために、広告は出していく必要があると思っています」(大場さん)
 広告には、割引きなどのクーポンを必ず付けるようにしている。
 「『行ってみたい』という以上に、『行かざるを得ない』くらいに思ってもらえる内容が、効果的だと思っています。割引きがなければ来ないという人にも、とにかく一度は来てもらうことが大事です。こうして来店のきっかけづくりを続けて、来客の循環を起こしていくことが、口コミを増やし、さらなる集客に繋がると思います」(大場さん)



商品の陳列には、木箱や天板、かご、ケーキ用ディスプレイスタンドなどが活用されている
昔ながらの味を想像して開発したという「60’Sメロンパン」(税込151円)
「みんなのクリームパン」(税込173円)は、30円追加でホイップクリームが入れられる
「みんなのクリームパン」の断面
くせがないことにこだわった「神大寺トースト」(税込270円)
王道の味も大事にしつつ違いを持たせる

 5坪の売り場には、100品目ものパンがぎっしり並ぶ。木箱や天板、かご、ケーキ用ディスプレイスタンドなどが活用され、様々な表情を持った陳列となっている。
 「みんなのクリームパン」(税込173円)と「60’Sメロンパン」(税込151円)のプライスカードには、「30円追加でホイップクリームをお付けします」というメッセージがあり、どんな味になるか想像がふくらみ、楽しい気分になる。
 「面白さを感じてもらえたらいいですね。また、メロンパンやクリームパンなど他店にとっても売れ筋の商品ほど、王道の味も大事にしつつ、何か違いを持たせると、それが当店らしさとして映えるのではないかと考えています」(大場さん)
 昔ながらの味を想像して開発したという「60’Sメロンパン」は、クッキー生地に重曹を使い、甘食のような食感を出した。
 「多くのベーカリーで、カレーやクリームなど、自家製でこだわりを持っていると思いますので、そこに少し、個性を持たせるためにアレンジを加えたいんです。王道の味でないと嫌だという人もいますので、多少リスクはあると思います。ですが、冒険しすぎない程度に、味でも形でも、何か違いを感じてもらえる商品づくりが大事だと思っています。また、各アイテムのどこを際立たせたいか考えて商品開発をしています」(大場さん)
 「自家製カレーパン」(税込205円)は肉と野菜の具感、「みんなのクリームパン」は自家製クリームを多めに詰めることとパンの口溶けの良さ、年配客に人気の「神大寺つぶあんぱん」(税込90円)は小さめのサイズと低糖あん、というように、それぞれ特徴を持たせたという。
 一方、1日に60斤出る同店の一番人気の角食「神大寺トースト」(税込270円)については、むしろインパクトを持たない味であることにこだわった。
 「食パンは、飽きのこないものであることを大事にしています。それは米と同じで、炊き込みご飯とか味付きご飯はおいしいけど、それが毎日続くと飽きてしまいます。ですので、味については、味があること自体が飽きを感じてしまう原因だと思うので、味にインパクトを持たせないよう、もの足りないと思う人もいるかも知れないというくらいに留めています。少し物足りなさがあるくらいの方が、ジャムを塗ったり、バターを塗ったりできる余地がうまれるので、お客様の方で毎日飽きのこないように工夫して、お召し上がりいただけるのではないかと思っています。材料は、灰分の低い小麦粉を使い、油脂は入れず、できるだけくせを出さないようにしています。乳風味がなく、香りも少なめです。ただ、程よい甘みがあるようにはしています」(大場さん)



肉と野菜の具感のある自家製カレーを包んだ「自家製カレーパン」(税込205円)
「自家製カレーパン」の断面
雇用の場が新たに欲しくて新店舗を出す

 大場さんは、同店を開業して1年半後、数軒離れた場所にカフェを、その半年後にはコッペパン専門店をオープンした。そして今年は、コッペパン専門店の2店舗目と、パンの販売店の2店をオープン。 「コッペパン専門店を開いた理由は、スタッフの雇用を維持するためです。これまで働き続けてくれたスタッフの成長があり、それらの労働力を活かす場を用意しなければならないと考えました」(大場さん)
 コッペパンも含めて新しく出した店舗で扱うパンは、すべて「ル・ミルトン パン」本店で製造している。そのため、厨房が手狭になり、上の階に位置するマンションの一室を厨房として新たに借りた。そこでは、サンドイッチと焼き菓子を製造している。
 「設備投資として、大きな店舗を探して移転するのも手だと思うのですが、今後の方針が決まっていない今の段階では、必要な分だけ拡張するというやり方でいこうと思っています。今回の拡張で生産能力が上がったので、これまで余裕がなくて出られなかった地域のイベントや催事に、積極的に出店していきたいですね」(大場さん)

SHOP DATA
店名:ル・ミルトン パン
住所:〒221‐0801 神奈川県神奈川区神大寺4‐1‐2
電話:045‐413‐1430
営業時間:午前7時〜午後5時
定休日:なし
品揃え:100品目
スタッフ:製造常時6人(土日は8人)、販売常時2〜3人(土日は4人)
店舗面積:売り場5坪、厨房8坪、別棟厨房6坪
月商:700〜800万円





原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら