日々の作業の意味を少しだけ変えてみると... - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話 - ブランスリー電子版

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連載/2017年8月号

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日々の作業の意味を少しだけ変えてみると... - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 ベーカリーの繁盛店にパンを買いに行くと、店内に人が一杯いて、活気があります。人が多ければ、そこに会話も生まれるし、動きも生まれるでしょう。人の心を高揚させる活気も当然生まれてくるでしょう。
 店内に活気があれば、そのことがさらにお客さんを呼び、お客さんがさらに集まれば、さらに活気が出るという留まるところを知らない好循環が生まれます。そうなれば、笑いが止まらないのではないでしょうか。
 しかし、繁盛店も、多くの場合、最初から繁盛店だったわけではなく、様々なプロセスを経て繁盛店になったのです。店が動き出す瞬間があるという話を聞いたことがあります。
 以前、本誌で取材させていただいた「イトキト」というパン屋さんは、売り場3坪、厨房14坪の小さな店ですが、店内に活気を出すためにあることをしていました。それは、陳列棚に商品を並べるときに、基本的に1品目につき、商品を1つだけ並べるということでした。
 なぜ、これが店内に活気を出す対策になるかというと、商品が1個陳列棚からなくなるごとに、販売スタッフが厨房に声をかけ、製造スタッフが、そのなくなったパンをひとつ運んできて、所定の場所に陳列するからです。例えばクリームパンが売れれば、販売スタッの「クリームパン、追加お願いします」という元気な声が発せられ、製造のスタッフは、厨房から1つクリームパンを運び補充するのです。たった1つでも、その空いた穴を埋めるかのようにその都度補充するのだそうです。
 つまり、商品がひとつなくなるごとに、販売スタッフの元気な声が響き、製造スタッフの機敏な動きが繰り広げられることになるのです。
 車の運転でもそうですが、ものごとは最初に走り出すときが、最もエネルギーを使います。飛行機だって、飛び立つときは莫大なエネルギーを使います。ベーカリーの場合も、繁盛の歯車が一定のスピードでまわり出すまでには、やはり色々なことをやらなくてはならないでしょう。
 「イトキト」の場合は、ルーティーンの作業が、店に活気を出すための方策も兼ねるようにした好例ではないでしょうか。さらには、小さな店でも、店に活気を出す方法はいくらでもあるということを示唆しているように思えます。
 「イトキト」のオーナーシェフは、彼がずっと気になっていたベーカリーを訪ねたときに大きな感銘を受けて、パン職人をめざすことになったといいます。
 「こんな住宅街にあるんだろうかと地図を見ながら探し歩いた先に人だかりができていて、きらきらと輝いて見えたんです。こういう店を作った人と一緒に仕事がしたいと思いました」 ベーカリーの日々のオペレーションでは、極度にスピードを求められ、決められた時間内に決められた作業を一定以上のクオリティーでこなすことが至上命令となりますので、そのことに集中するあまり、店全体のありとあらゆる要素が関係してくる繁盛の歯車の道理にまで、意識がまわらないことも多いと思います。
 そんな時は、ゆっくり全体のことを考える時間をとって、毎日のオペレーションでのルーティーンの作業が、繁盛の歯車の道理にもかなうように、少しだけ工夫を加えてみるのがいいのではないかと思います。そうすれば、日々の作業を着実にこなすことが、繁盛への道を突き進むことと同義になってくるのではないでしょうか。(RO)







原価計算女王
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