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| インタビュー/2017年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 改装で誕生した新たな個性<ぱんやのパングワンの太田雅巳店長> | |
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東急・田園都市線三軒茶屋駅から程近い場所に、「ぱんやのパングワン」(東京・世田谷区、電話03−3421−0615)がある。明治40年前後に、現在の港区青山に牛乳店として創業した。1925年(大正14年)に現在地でパン屋としてスタート。3年半前、現店長の太田雅巳さん(35歳)が4代目を継ぐにあたり、それまでの卸し中心の業態からリテールへと移行した。店舗を大幅に改装し、店名も精養堂からぱんやのパングワンに変更。より親しみやすさを意識した。大学卒業後、パンの専門学校で学び、その後、大手ベーカリーやリテールベーカリーで計8年余り修業し、今、同店の舵を取って3年半になる太田さんに話を聞いた。
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湯種製法で作るモッチリ食パン
―――名実ともに店の看板商品というわけですね。ペンギンパンに続く商品はありますか。 太田 それなら「パングワン食パン」(税込300円)です。今一押しの商品です。当店では高めの価格設定です。お客様にはぜひ一度試していただきたい食パンです。湯種製法で作っています。水分量が多くて軟らかく、その上モッチリ感のある食パンです。カフェのメニューとして、厚切りをトーストして提供しています。私の一番のお薦めの食べ方は生食です。焼かずに食べてみてください。 ―――ペンギンパンには内麦を使っていますが、こちらの商品には。 太田 使っています。でも内麦だけではありません。通常の小麦粉の他に内麦の薄力粉それに米粉をブレンドして使っています。通常の小麦粉は「超強力粉」と呼ばれるものです。配合の割合は秘密です。現在の配合に至るまでは試行錯誤が続きました。丁度いいと思われるモチモチ感を出したかったので、悩みました。本当にこの商品は形を安定させるのが難しいのです。形を整えようとしてグルテンをつなぎすぎると、別のパンに仕上がってしまいます。湯種部分以外の吸水は牛乳で仕込んでいます。お陰さまでお客様の評判も上がってきています。 待遇を改善して人材を育成する か。 太田 1時30分には地下にある工場に入ります。大変な仕事です。 ―――最近は人手不足もあるようですが。 太田 私どもも新しい職人さんが中々集まらなかったのですが、最近、ようやく製パン経験者が入社してくれました。少しホッとしています。 ―――職人さんを雇うのは大変ですか。 太田 販売員の募集には応募も多くて困りませんが、職人さんは思うように集まりません。 ―――来てくれても、育てるのに一苦労では。 太田 目的をキチンと持って応募してくる真面目な人もいますが、パンが好きだからといった興味本位の人も多いですね。 ―――パン屋さんへのあこがれですか。 太田 店づくりは企業努力の一つの表現です。お客様に気持ちよく商品を購入して頂くために、売り場の内装を考えたりするのです。 ―――見た目に引きずられてイメージだけが膨らんでしまう。 太田 だから、華やかなイメージとのギャップを感じるのでしょう。朝は早いし、仕事はきついですから。 ―――良い人材を集め、定着させるのは大仕事ですね。 太田 若い人を採用してもすぐやめてしまいます。先輩の指導が厳しいと思うともう出てきません。丁寧に教えているはずなのに、上手く伝わりません。研修期間中はその人の理解力を見ながら対応しているんですが。残念ながら、多くの個人店には人材育成のためのマニュアルが揃っていないのが現状と言えないでしょうか。 ―――失礼ですが待遇面はどの様になっていますか。 太田 待遇面は、パン屋さんの中ではいいほうだと思います。住宅手当や福利厚生も当然つけています。能力給も提示して、新人でもやる気次第で望みに早く近づけるように考えているのですが。 ―――労働時間が関係するのでは。 太田 そうですね。販売員は8時間の基準時間で収めていますが、製造の担当者は難しいですね。なるべく時間内に終えるようにしていますが、思い通りにはいかないのが現状です。 ―――人を育てることは店を育てることに通じるのではないですか。 太田 そうです。当店は土地そのものが自社のものですから、余分な負担がありません。その分、社員の待遇に振り向けられます。そして、お客様には安定した価格で商品を提供できます。つまり、安心感ですね。社員には安心して働いてもらい、お客様には安心して購入してもらうのが、店の個性にもつながるのではないでしょうか。 |


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