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| 特集/2017年8月号 |
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| サンドイッチ専門店
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| アレンジ次第でどんな食材でも使えるのが魅力 | |
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映画好きに端を発して
サンドイッチに捧げた人生 そんな鈴村さんがサンドイッチの魅力にとりつかれるきっかけとなったのは、そもそも大の映画好きだったことだ。自分で映画館を開きたいという夢を持っていた。 「映画を見ながらもつまんで食べられるものとして販売したいと思ったのがサンドイッチでした。ただ気が付いたらサンドイッチの方の虜になっていましたね」(鈴村さん)。 当時はまだ20代前半で、百貨店で働いていたが、サンドイッチの専門店を立ち上げるためには野菜に関する勉強をする必要があると考えるようになり、スーパーに転職、野菜の流通に関する様々な知識を身につけた。 その後、たまたま地元の近くで「鞍馬サンド」に出会い、修業のつもりで就職。店長を務めるなど紆余曲折あったが、12年前に親会社が「鞍馬サンド」を手放す事になった際に、鈴村さんが「鞍馬サンド」のブランドを引き継いだ新会社の代表に就任した。 限定サンドでは冒険し 野菜の勉強もする 「鞍馬サンド」ではそれまでのサンドイッチの常識を変えるような商品もあった。一時期その奇抜さがメディアで話題になった「納豆コーヒーゼリーサンド」などもその一つだが、他にも例えば焼きサバや青椒肉絲といったものも挟んできた。 「アレンジ次第でどんなものでも合わせられるのがサンドイッチの魅力だと思います。パンと合う食材がこんなに色々あると知って欲しいですね」(鈴村さん) ただし「コウジ サンドイッチ スズムラ」は「鞍馬サンド」に比べると奇抜さは少なく、一般的に受け入れられやすいものを中心に揃えた。 唯一、毎月の限定サンドでは冒険していて、7月の限定サンドはイギリスへ行った経験から「イングリッシュブレックファースト」(税抜540円)を発売。ベーコン、スクランブルエッグ、焼きトマト、グリルドマッシュポテトなど本来ならプレートに並ぶおかずを挟み込んだ。 また野菜を多く使う以上、旬や端境期を考慮した鮮度管理が命だが、スタッフには野菜の勉強をする事が大切だと伝えている。また、新鮮な野菜を使いながらもロスを防ぐため「量を見て、今日はどれ位作ってどれ位販売するかを常に頭に入れておくように指導しています」と鈴村さんは話す。 サンドイッチ一筋の人生を歩み、現在もサンドイッチを現場で作り続ける鈴村さんだが、目標はいずれ全国展開を目指す事だ。少しでも多くの人にサンドイッチの魅力をもっと知ってもらいたいと考えている。 ただ、同店で出しているようなサンドイッチを作るためには「職人技」レベルのスキルが必要だという。味だけでなく見た目も綺麗な完成品を一定の時間内で作れるようになる職人技が身につくには3、4年位かかるそうだ。 「ですので社員として長く働いてもらえる方を増やし、スタッフの指導に力を入れていきたいと考えています。それができたらまずは埼玉にまた出店したいですね」(鈴村さん)。 鈴村さんの挑戦はまだまだ長く続きそうだ。 SHOP DATA 店名:コウジサンドイッチスズムラ(Kouji Sandwitch Suzumura) 住所:〒278−0022 千葉県野田市山崎1357−1 電話:04−7124−0313 営業時間:午前9時〜午後7時 定休日:火曜 品揃え:サンドイッチ53品目、ドリンク47品目 スタッフ:製造常時3、4人、販売常時2人 店舗面積:厨房40坪、ホール60坪(104席) 月商:1200万円 |

[M&T(エムアンドティ)] サンドイッチには自由な自己表現を可能にする無限の可能性がある | |||||||||||||||||||
「好きなものだけ挟んでも いい」という発見 M&Tでは、レギュラーメニューは店内で注文を受けてから作って提供するスタイル。店内に現在4席のイートインスペースが用意されているが、テイクアウトの利用が主流。 ラップは、レタス、赤玉ねぎ、きゅうりといった野菜がトルティーヤにぎっしり詰まったイメージから、「ヘルシー」という点でも注目を集めている。それについてオーナーシェフの高村宗幸さんは「ヘルシーであることにも好評を頂いていますが、それは当店がヘルシー志向のNYテイストや、アメリカ各地のサンドイッチをイメージしているからなんです」と話す。 元々サンドイッチが好物だった高村さんが本格的にサンドイッチに魅力を感じたのは、大学卒業の頃に出掛けた欧州旅行だった。大柄でボリューム感が一杯のサンドイッチが日本のおにぎりのように安価な存在であり、日常的にカジュアルに食べられているのが新鮮だったという。 その後、渡米してNYのサンドイッチを体験し、「肉だけ挟んだサンドイッチ」や「肉とチーズだけのサンドイッチ」「フライドポテトを挟んだサンドイッチ」などに接し、高村さんは「自由な発想で作れる料理」という点に強い魅力を感じたそうだ。 また、アメリカで生まれる料理も高村さんのイメージを刺激した。「食材への固定概念が破られるんです。アメリカ人が海外の食材を自分たちの思い付きで自由にアレンジしているのを見ると、思いもよらない組み合わせで料理を作ってしまうので面白いんです。これは欧州では感じなかったアメリカ独自の魅力でした」と高村さん。 欧州系の料理店、和食店、カフェなど様々なジャンルの飲食店を経験し料理を学んだ高村さんにとって、「この料理はこう作る」といった定義や食材の使い方の固定観念に捕らわれないアメリカのサンドイッチは、面白さの尽きないものだった。 「そんな自由なサンドイッチを、日常的な存在として手頃な価格で楽しんでもらいたい」との思いから、M&Tは、サンドイッチひとつで一食を満たすボリュームを持ち、それを600円台から食べられる店になっている。 具材の組み合わせは無限 パンは具材を受け止める役割 サンドイッチについて高村さんがこだわるのは、パンよりも具材。「パンの個性と具材の相性を見るよりも、具材の組み合わせの面白さを重視しています」と話す。パンはむしろ主張のないプレーンなものを選び、多種多様な具材を受け止める役割を担わせている。同店で現在使われているのは、ラップサンドのトルティーヤ、サンドイッチのソフトフランスとライ麦パンの3種類がメイン。トルティーヤは弾力性に富んだ柔らかさで、口当たりも良く、辛味とも甘味とも調和する。ソフトフランスはハムや鶏肉など肉をメインにした厚めの具材の食感と同程度の厚みを感じさせる。提供前に表面をカリッと焼き上げているため、内の柔らかさと表面の香ばしい硬さ、肉をメインとした具材のボリューム感が好相性。一度に噛み締めた時の噛み応えが心地よい。また、パンはライ麦パンとソフトフランスを選択できる。 そしてラップやサンドイッチに使われる基本のドレッシングは、マスタード、ハニーマスタード、ランチ、ブルーチーズの4種類。一部メニューでは、注文時にドレッシングを選べる。 3種のパン、4種のドレッシング、ここにシェフの感性で食材を組んでいくと、「ラップ」「サンドイッチ」という2種類のメニューから無数のバリエーションが生み出せる。メニュー構成はラップサンド約10種、サンドイッチ約5種、サラダ約4種、スープやポテトチップス、焼き菓子などのサイドメニューが数点。アボカドなどのトッピングも仕入れに合わせて用意される。ドリンクはテイクアウトのコーヒーやお茶。手作りメニューボードやカジュアルな内装から、自由で肩ひじ張らずリラックして気軽に楽しめる雰囲気が店内に出来ていた。 同店は平日のランチタイムを主眼に置き、そのコアタイムにレジのアルバイト一人を雇っている以外は、高村さん一人で店を運営している。小サイズの厨房や、製造一人で注文を受けて作るというスタイルから、製造工程の複雑な具材については一定の限界もある。だが、その点を高村さんは「日替わり限定メニュー」という方法でカバー。このメニューは朝から具材を作り冷蔵ケースで保存出来るものにし、肉や魚の揚げ物といった工程の多い具材も使用しているのだ。限定メニューは約10種類。レギュラーメニューではないので冒険も試みも可能。気になった食材も使っていける。 このコンパクトで無数のバリエーションを持つサンドイッチ店は、26歳の若さで独立し、4年間専門店を維持して人気を保っている高村さんの工夫の結晶と思われた。 | |||||||||||||||||||

| 見た目のインパクトよりも美味しさを重視する | |
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根本は「自分流」
NY文化の再現ではない 同店の中心客層は20〜30代の若い世代。ヘルシーであることから健康志向の40代以上の支持も得ているが、個性的で斬新なラップに興味を示すのは好奇心旺盛な若い世代が圧倒的。海外文化に親しみ、興味の高い青山学院大学の学生のリピーターも数多く、女子学生のファンが一人付くと、その友人達も連れだって来店する。週5日通うコアなリピーターや、週1〜2回来店する常連客も獲得。半地下という目立ちにくい場所も「隠れ家的」「穴場」と評判になり、長所のひとつとなっている。 サンドイッチといえば、現在「爆盛り」「極厚」が大流行している。写真映えするものも人気だが、そういったサンドイッチの流行について高村さんは「お客様のご要望を取り入れることはありますが、流行に添ったメニュー開発は考えません」と語る。 ラップという珍しいメニューをメインにして始めたが、開店当初から客の反応も良く、そこが自信につながったという。これからも独自の道を進む意向だ。 「写真映えに関しては、色合いを料理に生かす考え方もありますが、経験上、美味しさを優先して具材を組み合わせたサンドイッチが見栄えがしないことはまずありません。美味しいと思うものを提供することを一番大事にしています」と高村さんはいう。 以前、チキンカツ、トマトソース、パルメザンの具材をバゲットで挟むメニューを出したところ、味の良さが好評となり人気が出た。色合いは単調でも、やはり美味しさが大事だと実感した出来事だったという。 NYをはじめアメリカの食文化や流行は絶えずチェックし、定期的に渡米しては現地の食材も熱心に研究している高村さん。しかしM&Tを「アメリカのサンドイッチを再現する場所」とは考えていない。インスピレーションは受けても、提供するメニューのセレクトやアレンジはM&Tの個性によって行われる。 「海外のメニューを日本で販売するとき、隠し味に醤油のような日本人に馴染みある食材を加えるという方法がありますが、私はそうしたことはしないんです。、食材も調味料も現地と同じものをベースにして、そこに自分なりにアレンジを加えるんです」と高村さん。 源流をNYやアメリカに持つサンドイッチ店は複数あるが、それぞれの店が大切にする個性は様々。M&Tも「NY風」に囚われる事無く、オーナーシェフ自身の感性を生かし、オーナーが「良い」と思ったメニューを作り、自由な自己表現を実現した店を作っていた。 SHOP DATA 店名:M&T(エムアンドティ) 住所:〒150−0002 東京都渋谷区渋谷2−2−4 電話:03−3409−3969 営業時間:午前10時〜午後6時(平日)、午前11時〜午後3時(土曜) 定休日:日曜、祝日 品揃え:サンドイッチ類 約15種 スタッフ:製造1人、販売(レジ)平日ランチタイムのみ1人 店舗面積:売り場4坪、厨房3坪 |
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