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| お店拝見/2002年10月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 顧客との遭遇 - 聖庵 | |
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午後3時から深夜12時まで営業するベーカリーが大阪にあった。聖庵。大阪市北区の高級クラブや大手企業のビルが混在する地区。店内に並ぶパンの多くは、ハード系のハースブレッドだ。近くの梅田阪急と大丸梅田の2つのデパート内にも販売スペースを構え、ほぼ同じ商品を販売する。オーナーの亀田聖冶氏の主張するパンと、顧客のニーズが思わぬ形で合致した。
住所 大阪府大阪市北区堂島1-4-23北新地吉本ビル1F 電話 06-6341-2130 営業時間 午後3時〜午後12時、9月18日からは午前11時〜午後12時 定休日 日曜、祭日 |

| ベークオフベーカリーから出発。あるとき、天然酵母に惹かれた | |
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聖庵への来店客は一般のベーカリーとは違う。まず目に付くのは、ホステスと思われる顧客だ。「彼女たちの店に来るお客さんへのお土産用として買っていく人が多いようです」と亀田さんはいう。
夜遅くなると急に男性客が多くなる。亀田さんによると、遅くまで飲んだ人たちが家族への手土産として買っていくのだそうだ。「彼らにとってウチのパンは免罪符なんです」と亀田さんは笑う。 夕方の来店客の主役はOLだそう。「夕方焼きたてのパンが揃っている店」として人気を呼んでいる。 亀田さんが聖庵の現在の営業形態に行きついたのには、それなりの理由があった。 大阪市生野区の精米店の長男だった亀田さんはおよそ25年前、2代目として米を販売しながら、あるベークオフベーカリーのフランチャイジーとしてパンの製造販売を始めた。当時、パンはおもしろいように売れた。「朝パンを焼き上げて店に並べる前から、お客さんが並んで待っている状態でした」と亀田さんは振りかえる。 しかし、あるとき「売上の割には利益が出ない」と思った。出入りの業者らの強いすすめもあって、小麦粉を捏ねるところからパンを作るスクラッチ製法に切り替えることにした。スクラッチ製法でのパン作りの経験はまったくなかったが、製粉メーカーなどの技術指導を受けながら、必死で技術を身につけた。粗利が向上し、パンもよく売れた。 そんなあるとき、「食品の安全性」という言葉がひっかかるようになった。天然酵母に興味を持った。それ以前に「ホシノ酵母」の名前が耳に入っていて、亀田さんは同酵母の製造元が開いている製パン講習会に参加した。「イースト臭がしないパンがあるんだ」と驚いた。同酵母で発酵させて作るパンを品揃えに加えた。 程なく、ある大手自然食品販売業者から「天然酵母パンを作ってほしい」という依頼が舞い込んできた。かなりの量だった。天然酵母パンの宅配も手掛けた。天然酵母のパンの製造量がどんどん増えていった。 |

| こだわればこだわるほど顧客の理解が得られた | |
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亀田さんがパンについて考えれば考えるほど、こだわればこだわるほど、顧客の理解を得られなくなるというジレンマを感じるようになった。
今から4年前、大阪・堂島に5坪ほどの小さな物件の話があった。亀田さんは、その物件を天然酵母パンの専門店としてオープンさせたいと考えた。パンは生野区の本店で製造し、車で運ぶことにした。当時、本店で天然酵母パンがすべて出揃うのは午後3時ごろだった。パンを運ぶ時間と陳列する時間を考えて、開店時間を午後5時に決めた。閉店時間は明けて午前2時に決めた。 「午後5時に焼きたてパンがたくさん並んでいる店」と評判になった。「深夜2時まで開いている店」と喜ばれた。「天然酵母パンだけを売っている店」と話題になった。メディアが相次いで取り上げた。 自分を主張すればするほど、顧客から理解される、という感覚を初めて知った。「顧客との遭遇」だった。水を得た魚、いや客を得たパン職人に、さらに新たな展開が待っていた。 |

| デパートへの出店で売上急増。路面繁盛店をもう1軒作りたい | |
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聖庵の成功を聞きつけた梅田阪急から、「催事に参加しないか」との誘いがあった。亀田さんは快く引き受けた。
自分のパンに黒山の人だかりができるのを見て、「やった!」と心の中で叫んだ。目頭が熱くなった。 今度は梅田阪急の担当者が菓子折りを持って亀田さんの元を訪ねてきた。「よろしくお願いします」。 亀田さんは現在、創業地生野区の本店と堂島の2号店のほか、梅田阪急と大丸梅田にも売り場を構えている。 「聖庵のパンがここでも買える」と話題になった。「雑誌で見て探したが、ここにもあった」と喜ばれた。 梅田阪急店は、約10坪の広さで、1日40万円を売り上げる。出店以来売上がずっと伸びつづけている。約4坪の大丸梅田店も日商12万円をキープ。 「有名百貨店の場合、商圏がかなり広く、食に関心のある人が多く来店します。そういう人たちと多く出会える場所を得たということだと思います」と亀田さんはいう。 |
| 売上急増が怖くなることも
亀田さんの現在の目標は、売上の柱となる路面店をもう1店育てることだ。
「デパートに出店したことによる売上の急激な上昇が時々怖くなるんです」と亀田さんは打ち明ける。 全店で販売するパンの製造を一手に引き受ける本店が手狭になったことも気がかりだ。 路面の繁盛店で、しかも聖庵全店のパンを作るキャパシティーを持った店舗を実現するために、亀田さんは現在、思いを巡らせている。 「できたら、ベーカリーカフェにしたいですね」。 |
| クランベリーの酸味がとても爽やか! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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クランベリーパン
クランベリーの酸味がとても印象的なパン。特にOLに人気が高いという。200円。 【配合%】
【工程】
※成形後、上面に小麦粉をふる。 ※ホイロ後、クープを入れる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ご飯を生地に練り込み、もちもち感を出す | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ゴマンベール
黒胡麻を練り込んだ生地でカマンベールチーズを包み、平たく焼き上げる。生地にはご飯も入っていて、もちっとした食感が特徴だ。ひとつ円150円。 【配合%】
【工程】
※焼成する際に天板をもう1枚上にのせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 具沢山のハースブレッドが売れています! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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クラフトコーン
クラフトコーンが入ったパン。かぼちゃの種とカレンズもたっぷりと練り込む。聖庵のハースブレッドの中で、最も人気が高いという。1つ280円。 【配合%】
【工程】
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| シンプルで上品な味。聖庵の人気No.1商品! | ||||||||||||||||||||||||||||
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クロワッサン
シンプルで上品な味のクロワッサン。聖庵の4店舗合計で1日500以上売れるという。ひとつ150円。 【配合%】
【工程】
※折り込み油脂は、四ツ葉バターを225グラム使用。 | ||||||||||||||||||||||||||||
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