売れ筋商品徹底比較! - 東京、大阪、名古屋、北海道、九州 - ブランスリー電子版

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特集/2002年10月号

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売れ筋商品徹底比較! - 東京、大阪、名古屋、北海道、九州

本誌がこれまでに行った東京、大阪、名古屋、北海道、九州の各地区のベーカリーに対する売れ筋商品調査の結果をもとに、各地区間の売れ筋商品の傾向の違いについて考えてみた。大阪、北海道、九州が比較的似ていて、名古屋は東京と大阪の要素を併せ持っていることなどが浮かび上がってきた。

調査の方法
各地区とも基本的に電話帳からベーカリーをなるべく無作為に選び出し、電話でアンケートを依頼した。FAXか電話のいずれかで回答してもらった。回答ベーカリー数は、東京が31軒、大阪、名古屋がそれぞれ30軒、北海道と九州がそれぞれ25軒。
主な質問事項は「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください?」「1年前に比べて売上は、(1)伸びた(2)横ばい(3)落ちた、のいずれですか?」など。






東京

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対する東京のベーカリー31軒の回答を、パンのカテゴリー別にまとめた結果……。
「食パン類」が29軒、「ハード系(ソフトフランスなども含める)」が16軒、「調理パン(焼き込み調理パンも含める)」が14軒、「菓子パン類」が9軒、「デニッシュ類」が6軒の順になる。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合2軒と数える)
東京の特徴として、「ハード系」のパンをあげたベーカリーが他の地域に比べて多いことがある。
「ハード系のパンの売上が3〜4割を占める」(世田谷区のベーカリー)、「柔らかいパンから、ハード系へお客様の好みが移行しているように感じる。お年寄りの方でも意外とハード系を好んだりする」(世田谷区のベーカリー)などといった声が聞かれた。
一方で、「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理も含む)(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」(有効回答ベーカリー数31)との質問に対しては、「菓子パン類」と答えたベーカリーが15軒と、「食パン類」の21軒に次いで多い。ハード系の売上が多いと答えたベーカリーは6軒と少なかった。
「最近ハード系のパンの販促に力を入れている。試食提供や食べ方の提案に努めている」(世田谷区のベーカリー)などといった声が示すように、ベーカリーの側で、積極的にハード系のパンを普及させたいという意思はあるが、実際の売上の柱は、まだ食パンや菓子パンなのだ。
しかし、ハード系のパンの需要がゆるやかな増加傾向にあることはまちがいない。健康志向の定着などが、ハード系のパンの普及に一役買っているようで、「定番商品で売れているパン」として名前があがったパンの中には、「雑穀入りライ麦パン」「パン・ド・フィグ」など健康志向に対応する副材料を練り込んだハード系と思われる製品が多かった。
「ヘルシー志向は根強く、ゴマやナッツ類、かぼちゃの種などを使ったパンの動きがいい」(町田市のベーカリー)、「ライ麦とか玄米とかグラハムとか体にいいというイメージの材料を使ったパンに対する反応がいい」(世田谷区のベーカリー)といった声が聞かれた。
一方、「定番商品で、売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対して菓子パン類をあげたベーカリーが他の地域に比べて少ないのも東京の特徴だ。



大阪

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問に対する大阪のベーカリー30軒の回答を、パンのカテゴリー別にまとめた結果……。
「菓子パン類」が30軒、「調理パン類(焼き込み調理も含める)」が15軒、「食パン類」が14軒、「デニッシュ類」が7軒、「ハード系」が6軒の順になる。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
大阪のベーカリーは、菓子パン類をあげた割合が高かった。「甘いパンやケーキっぽいものとか、飾りが多いものとかが好まれる」(大阪府富田林市のベーカリー)といった声が聞かれ、見た目の華やかさが求められていることを伺わせた。東京と比べてパンの価格が安い傾向もあった。
「食パン類」をあげたベーカリーが少ないのも大阪の特徴。しかし一方では、「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」(有効回答ベーカリー数28)との質問に対して、「食パン類」と答えたベーカリーが17軒と、「菓子パン類」の18軒に次いで多く、「食パン類」が、売上の大きな柱になっていることを示している。食パンの品目数を絞り込んで、効率よく売上を上げていることを伺わせた。
大阪府富田林市のベーカリーオーナーは「食パンで客を捕らえられるかどうかが勝負だ」と話した。
食パンについて「最近の傾向として、甘くないものが好まれる。砂糖が少ないものが伸びている」(大阪府堺市のベーカリー)という指摘もあった。
「定番商品でよく売れているパン」として、ハード系をあげたベーカリーは少なかった。
「定番商品で、よく売れているパン」としてあがったものを単品集計すると、最も多かったのは、「メロンパン」の11軒だった。次いで「アンパン」の8軒。



名古屋

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対する名古屋のベーカリー30軒の回答を、パンのカテゴリー別にまとめた結果……。
「食パン類」が32軒と最も多かった。
次いで「菓子パン類」の26軒。さらに「ハード系(ソフトフランスなども含む)」の16軒、「デニッシュ類」の6軒、「調理パン(焼き込み調理パンも含む)」の4軒と続く。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
名古屋は、食パン類とハード系が多い点で東京と似ていて、菓子パン類が多い点で大阪と共通している。
「定番商品で、よく売れているパン」として「ハード系」をあげたベーカリーは、東京に次いで多く、東京と同様に、ベーカリー側の、ハード系を普及させたいと言う思いが強いことが感じられた。 
「カンパーニュやライ麦パンの動きが少しよくなってきたように思います」(名古屋市のベーカリー)、「ハード系のパンが少しずつ動き出した気がします」(名古屋市の別のベーカリー)などといった声が聞かれ、少しずつではあるがハード系へのニーズが高まっていることへの期待感が、ハード系の定番商品をあげた背景にあると考えられる。
しかし、「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理も含む)(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」(有効回答ベーカリー数29)との質問に対しては、多い順に「食パン類」が21軒、「調理パン類(焼き込み調理も含む)」が15軒、「菓子パン類」が13軒、「ハード系」が5軒、「デニッシュ類」が4軒という結果で、「ハード系」は少ない。
「ハード系が売上の柱になっている」と答えた5軒のベーカリーは、もうひとつの売上の柱を「食パン」としたケースがほとんどで、食パンを売上の柱としながら、ハード系のパンに力を注ぐベーカリーと、同じく食パンを売上の柱にしながら、菓子パンや調理パンに力を入れるベーカリーに二極化する方向にあると考えられる。

北海道

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対する北海道のベーカリー25軒の回答を、パンのカテゴリー別にまとめた結果……。
「菓子パン類」が32軒と最も多かった。次いで「食パン類」の24軒。
「ハード系のパン(ソフトフランスなども含む)など」が7軒、「デニッシュ類」と「調理パン類(焼き込み調理パンも含む)」が5軒ずつ。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒とかぞえる)
「食パン類」と「菓子パン類」が多く、「ハード系」が少ないという結果だ。
「ハード系はさっぱりだめ。ソフトでもちっとした食感のパンに人気があります」(川上郡のベーカリー)、「ハード系はあまり売れません。ソフトなパンと惣菜パンがよく売れます」(函館市のベーカリー)といった声が聞かれた。
しかし、少数ではあるが「カンパーニュやライ麦パンなどのハード系に力を入れていますが、それなりに売れています。遠くから足を運んでくれるお客様もいるようです」(中川郡のベーカリー)といった声も聞かれた。
「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対する回答を単品集計すると、豆パン類が7軒と、多いのが特徴的だった。
「北海道では金時豆は馴染みの深い食べ物です。赤飯にも金時豆を使うぐらいです」(札幌市のベーカリー)といった声が聞かれた。
あんドーナツが3軒と比較的多いのも北海道に特徴的と思われる。
ドーナツ類は比較的よく売れるようで、「ドーナツ類はあらゆる世代の人に人気があります」(山越郡のベーカリー)、「油っこいフライものはあまり好まないようです。しかし、あんものはよく売れ、特にあんドーナツは人気商品です」(網走市のベーカリー)といった声が聞かれた。

九州

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問対する九州のベーカリー25軒の回答を、パンのカテゴリー別にまとめた結果……。
「菓子パン類」が30軒と最も多く、次いで「食パン類」の19軒。「調理パン(焼き込み調理パンも含む)」が11軒、「ハード系のパン(ソフトフランスなども含む)」が9軒、「デニッシュ類」が2軒。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
各カテゴリーの回答数の割合は、大阪と北海道に比較的似ている。
アンパンやメロンパンなど、昔ながらのパンに人気がある傾向が強いのが特徴。
「昔ながらの菓子パンや調理パンがよく売れます」(北九州市のベーカリー)といった声が多く聞かれた。
メロンパンがよく売れる理由について、回答者の一人は「店に入って「何を買おうか」と思ったとき昔ながらの馴染みの深いパンをどうしても買うのではないでしょうか」と答えた。

原価計算女王
原価計算女王
1年前と比べて、売上、客単価、客数は?
各地区のベーカリーに、売上、客単価、来店客数のそれぞれについて、「1年前と比べて、(1)増えた(2)横ばい(3)減った、のいずれですか?」聞いた。

東京
(有効回答ベーカリー数31)
売上については、「横ばい」が13軒、「減った」が11軒、「増えた」が7軒で、不況下で比較的健闘していることがわかった。
客単価については、「横ばい」が16軒、「減った」が9軒、「増えた」が6軒だった。
来店客数については、「横ばい」が20軒、「減った」が6軒、「増えた」が5軒。
「売上が増えた」と答えたベーカリーは、「客単価」「来店客数」とも伸ばしているケースが多いが、「客単価を上げる努力が売上増加のポイント」とするベーカリーが多かった。
「売上が減った」と答えたベーカリーについては、「来店客数は同じだが客単価が減った」というケースが比較的多かった。「お客様の財布の紐は固い。最近お金を払うときに財布の中のバラ銭をかき集める人が目に付くようになった」(大田区のベーカリー)などといった声が聞かれた。

大阪
(有効回答ベーカリー数29)
売上については、「増えた」が10軒、「横ばい」が9軒、「減った」が10軒で、不況下で健闘している。
売上が「増えた」と答えたベーカリー10軒のうち、客単価が「増えた」と答えたのは6軒、「横ばい」と答えたのは3軒だった。(売上が「増えた」と答えた1軒のベーカリーは、卸販売業者で、客単価と来店客数については無回答)
売上が「増えた」と答えたベーカリー10軒のうち、来店客数が「増えた」と答えたのは8軒、「横ばい」と答えたのは1軒だった。東京と違って、来店客数を伸ばして、健闘しているケースが多い。
売上が「横ばい」と答えたベーカリー9軒のうち、客単価が「増えた」と答えたのは2軒、「横ばい」と答えたのも2軒、「減った」と答えたのは5軒だった。売上が「横ばい」と答えたベーカリー9軒のうち、来店客数が「増えた」と答えたのは4軒、「横ばい」と答えたのは3軒、「減った」と答えたのは2軒だった。
売上が「横ばい」と答えたベーカリーについては、客単価は減ったが、客数を増やして売上を維持している、という傾向がうかがえる。
「必要なパンしか買わない傾向が強くなった」(大阪市此花区のベーカリー)、「店がスーパーの近くにあり、買い物ついでに寄っていくお客様が多く、値頃感が求められる」(大阪府泉北郡のベーカリー)といった声が多く聞かれ、低価格志向が強いことをうかがわせた。

名古屋
(有効回答ベーカリー数29)
売上については、「減った」が12軒、「横ばい」が9軒、「増えた」が8軒。
客単価については、「減った」と「横ばい」がそれぞれ12軒、「増えた」が5軒だった。
来店客数については、「横ばい」が12軒、「減った」が9軒、「増えた」が8軒だった。
「売上が増えた」と答えたベーカリー8軒のうち、「客単価、来店客数とも増えた」と答えたのは4軒、「客単価は横ばいだが、来店客数が増えた」と答えたベーカリーは2軒だった。「客単価が減って来店客数が増えた」が1軒、「客単価が増えて、来店客数が横ばい」が1軒。
「売上が減った」と答えたベーカリー12軒については、「客単価、来店客数の両方が減った」と答えたベーカリーが7軒、「客単価が落ちて、客数は横ばい」が3軒、「客単価は横ばいで、来店客数が減った」と答えたベーカリーが2軒だった

北海道
(有効回答ベーカリー数23)
売上については、「減った」が13軒、「横ばい」が7軒、「増えた」が3軒という結果。
「売上が減った」と答えたベーカリー13軒について、「客単価が減って、来店客数が横ばい」「客単価が減って、来店客数が増えた」と答えたのがそれぞれ2軒、「客単価、来店客数とも減った」と答えたのが5軒、「客単価が横ばいで、来店客数が減った」と答えたのが4軒だった。
「売上が伸びた」と答えたベーカリー3軒については、「客単価、来店客数とも増えた」と答えたのが2軒、「客単価は横ばいで、来店客数が増えた」と答えたのが1軒だった。

九州
(有効回答ベーカリー数25)
売上については、「横ばい」が15軒、「増えた」が6軒、「減った」が4軒、という結果。
客単価については、「横ばい」が20軒、「減った」が4軒、「増えた」が1軒だった。
来店客数については、「横ばい」が16軒、「増えた」が6軒、「減った」が3件だった。
「来店客数が増えた」と答えたベーカリーには「スーパーの寿屋が撤退したことで客がまわってきた」と答えたところがあった。


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