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特集/2004年2月号

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どうします?総額表示 - 4月1日から総額表示、ベーカリーの対応は!?

4月1日から、商品やサービスなどの価格を表示する場合に、消費税込みの金額を表示することが義務付けられる。小規模リテールベーカリーもそのほとんどが対象となる。消費税込み金額の端数をどうするか、便乗値上げととられないか、などと対応に苦慮する声もあがっている。小規模リテールベーカリーに緊急取材を試みた。



2003年3月以降に年商1000万以上なら要総額表示

4月1日から、商品などの価格と消費税相当分の金額を合計した金額の表示を義務付ける「総額表示」の制度がスタートします。
対象となるのは、消費者に対して商品やサービスを販売する消費税課税事業者が行う価格表示で、値札やパッケージへの印字、チラシなど価格を消費者に伝える媒体であればその種類を問いません。パンの価格を書いたプライスカードなどももちろん対象になります。
総額表示のポイントは例えば本体価格が100円の商品の場合、消費税に相当する5円を含んだ105円という金額が表示されているということです。
具体的には、「105円(本体100円、消費税5円)」「105円(うち消費税5円)」「105円(本体100円)」「105円(税込み)」「105円」「本体100円(税込み105円)」などはよくて、「100円(税別)」「100円+税」「100円」などはだめだということになります。
しかし、価格の表示自体を義務付けるものではないので、商品の価格表示を行わない場合にはこの「総額表示」の義務付けは関係がありません。(ベーカリーで価格表示を行っていないケースはないと思いますが・・・)
この「総額表示」の義務付けは、消費税課税事業者が行う価格表示を対象にしています。
消費税課税事業者と免税事業者というのがあって、基準期間の課税売上高によってどちらであるかが決まります。
これまでは3000万円を超える場合、課税事業者となっていましたが、4月1日以降に始まる事業年度については、「基準期間の課税売上高が1000万円を超えた場合」に変更されます。
個人事業者の場合は平成17年3月の申告分から、法人の場合は平成17年3月決算分からこの変更が適応されることになります。
基準期間の課税売上高といいましたが、基準期間とは、個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々事業年度をいいます。
したがって、個人事業者の平成17年分の基準期間は平成15年分、法人の平成17年3月末決算分の基準期間は平成15年3月末決算分ということになります。
つまり、個人事業者であれ法人であれ、平成15年3月以降に終わった事業年度において、課税売上高が1000万円を超えている場合は、消費税課税事業者ということになって、総額表示が4月1日から義務付けられるわけです。もちろん、消費税に係る納税義務も生じます。
ちなみに総額表示の義務化違反に対する罰則規定はありません。
総額表示を義務付ける理由について財務省主計局は「現在主流の税抜価格表示では、レジで請求されるまで最終的にいくら支払えばいいのか分かりにくく、また、同一の商品やサービスでありながら税抜価格表示と税込価格表示が混在しているため価格の比較がしづらいといった状況が生じています。総額表示の義務付けは、このような状況を解消するために、消費者が値札等を見れば消費税相当額を含む支払総額が一目で分かるようにするためのものです。また、価格の比較も容易になります。これにより、これまで価格表示によって生じていた煩わしさが解消され、消費税に対する国民の理解を深めていただくことにつながると考えます」と説明しています。
でも、反論がある人も多いことでしょう。



1円単位の端数があっても総額として表示せざるを得ない。 - ベルアルプ(東京・豊島区)

5円未満の端数は切り捨てだったが…
これまでは外税表示をしてきましたが、4月1日以降は、もちろん内税表示にします。ウチの場合はこれまで消費税は5円未満は切り捨てにしてきました。というのは混んでいるときなど1円玉を扱うのが大変だったからです。しかし、同じやり方で内税表示(総額表示)にすると100円未満の商品について消費税をいただけなくなってしまいます。しかも、100円未満の商品を10個買っていただいた場合も、消費税はゼロということになってしまいます。したがって、今後は1円単位で消費税をいただかなければならなくなります。

本体価格と消費税が求まらない
4月1日以降は、消費税込みの値段を1円未満は切り捨てで、本体価格と消費税は表示せずに、例えば100円の商品は「105円(税込み)」というように表示しようと考えています。本体価格と消費税を表示しようとすると例えば90円の商品の時に困ってしまいます。
その場合、ウチのやり方でいうと、税込みの価格が94円50銭なので、50銭を切り捨てて、94円となるわけですが、そうすると消費税が5%ではなくなってしまうわけです。内税表示94円で、消費税を5%として正確に本体価格と消費税を計算すると小数点以下が永遠に続いてしまいます。
値札の書きかえもこつこつとやっていかないと間に合いません。パソコンで作っているのですが、百何十種類ある商品の値札をもう一度最初から作らなければなりません。それとレジの設定の切り替えも必要です。業者に頼むのですが、タイミングよく3月31日の閉店後に切り替え作業を行ってもらうことは難しいので、ある程度早めに総額表示対応に切り替えようかとも考えています。



総額表示だと1円未満の切り捨てがどんどん累積される - 高原のパン屋さん(長野県南佐久郡)


期限守らないと信用問題になる
商品1つひとつに消費税を加えた価格をつけていくと、消費税相当分の1円未満の端数を切り捨てた場合、例えば90円のパンを1個ずつ10回買った場合と、10個まとめて1回買った場合とでは、まったく同じ商品と数量にもかかわらず、お客様からお預かりする消費税額が変わってきてしまいます。90円のパンを1個ずつ10回買った場合は、消費税は40円、10個まとめて一回買った場合は45円ということになるわけです。
客数が多ければ多いほど、店がお客様の変わりに負担する額が多くなってしまいます。
でも実際問題として、今の税抜きの表示価格に消費税を加えた額について、1円未満は切り捨てという方向しかないのかなとも思います。まだ実際には準備には取りかかっていませんが・・・。
4月1日から総額表示に変えていかないと、まずいと思うので、きちっと対応したいと考えています。
もし、様子を見ようということでそのままでの状態で表示していると、お客様から、消費税は店が負担してくれるのだと勘違いされて、レジでの清算の際にトラブルになりかねないからです。店の信用を落としかねませんので・・・。
プライスカードの書きかえとか、レジのシステムの変更とか、いろいろ面倒ではありますが、対応せざるを得ないと思います。

本音でいうと、5円未満は切り上げにしたい。 - 東京・世田谷区のベーカリー

便乗値上げと誤解されかねない
本当のところまだ具体的にどうするか、考えていません。他がどう対応するのか様子を見ようと思っています。
やはり、値段の設定がかなり面倒なことになるのではないかと思いますね。例えば当店の場合、現在食パンが220円で、レジでは消費税も入れて231円をいただいていますが、それをそのまま231円と総額表示することには、抵抗があります。この場合は230円とすると思います。5円単位で切り捨てか、切り上げというのがいいのかとも思います。本心はすべて5円未満は切り上げとしたいところですが、お客様は1円単位で値段にシビアになっていますし、便乗値上げととられるのも嫌です。同じ商圏の他のベーカリーがどうするかがとても気になります。
それと、原価的にいって、ちょっと安すぎると思っている商品もあるので、そういう商品は5円単位で切り上げてもいいかなと思います。
いずれにしても、品揃え全体でバランスが取れるよう、事実上値下げになるものと、値上げになるものの数を調整しながら値段を決めたいと思います。

端数は出したくないし、値上げはしたくないし・・・。 - ラ・ブランジェリー・ピュール(東京・目黒区)

できたら10円区切りの値段にしたい
お客様と世間の様子を見ながら対応していきたいと思います。一般の消費者、特に若い人には、総額表示になることを知らない人もいると思うので、いきなり4月1日から表示価格を変えると、値上げしたのかと誤解されかねないと思います。
まだ最終的には決めていませんが、1円単位はもちろん、5円単位の価格もどうかなと思っています。できたら10円単位の価格で表示できたらと考えています。

生地重量を増やしたりして対応
そうすると、事実上値上げか値下げになりますが、値下げになる場合は、生地重量をその分減らしたりとか、逆に値上げになる場合は、生地重量をその分増やしたりとかして対応することも考えています。
でも、便乗値上げととられると困るので、できたら値上げはしたくないという気持ちもあります。

原価計算女王
原価計算女王
10円単位で切り捨てか切り上げ、値上げ分を値下げ分で相殺 - ひまわりベーカリー(東京・東大和市)

個々の商品について検討したい
ウチの場合は、80円、100円、60円などの値段が多く、例えば80円の商品だったら、消費税込みの価格は84円になります。この場合、ものによっては80円に据え置き、ものによっては90円にする、という具合にして、総額表示価格に端数が出ないようにしようと思っています。ですから、事実上値下げになる商品と値上げになる商品が出てくるということになります。そのバランスをうまくとって、値上げ額の合計と値下げ額の合計が同じになるようにしたいと考えています。
値下げする商品と値上げする商品を振り分ける基準のひとつは、原価率です。すべての商品が同じ原価率というわけではないので、商品によっては、「この原価でこの値段はきつい」というものもあります。そういう商品は値上げ組にまわす確立が高くなると思います。お客様に対する告知は、紙に書いて貼り出すしかないのかな、と思っています。お客様によって好きな商品が違うと思いますので、頻繁に買う商品が事実上の値上げになっていたら「えっ」と思われるかも知れませんが、そこは充分説明してわかっていただく以外にないと思っています。今回の総額表示の一番の欠点は、消費者の、自分が納税者だという自覚を薄れさせてしまうことだと思います。税金の使い方に関心が行かなくなることを狙っているのかとかんぐりたくなります。それともう1つ、消費税の税率が見えなくなってしまうことも問題だと思います。

売れ筋トップ10は、値下げ。ほかは全体のバランスで調整 - パンリコ(大阪市平野区)

プライスカードやレジの問題
まだ、最終的には決定していませんが、売れ筋商品トップ10については、これまでの税抜きの表示価格をそのまま税込みの表示価格にしようと考えています。つまり値下げです。
残りの商品については、現在原価的にちょっときつい商品については値上げしたりして、売れ筋商品で事実上値下げした分をカバーする程度に全体のバランスを見ながら、調整していこうと考えています。
全体の原価率が、総額表示以前と同じになるようにしたいと思っています。売れ筋商品以外の表示価格について、端数を1円単位にするか、5円単位にするかなどについては、まだ白紙の状態です。
総額表示に対応するために、実際にやらなければならない作業としては、プライスカードの書きかえ、レジの設定の変更などがあると思います。

まわりの状況で様子見も検討
ただ、まわりの商店がどのように対応するかがやはり気になりますね。1度総額表示を実行してしまうと、そのやり方に問題があった場合に変更するのが大変だと思いますので、4月1日以降も少しの間、従来のまま営業して様子を見た方がいいのかなとも考えています。今考えている方法よりももっといい方法があるかも知れないので・・・。

「消費者は価格にかなりシビア」。様々な方法を検討中。 - ベルドール(大阪府富田林市)

値上げは1円でも勇気が要る
非常に頭を悩ませています。食パンやあんぱんなどメインの商品については本体価格に消費税分を足した総額をそのまま表示して、残りの商品は5円単位で調整することなどを考えていますが、最終的にどうするかは決めていません。
ひとついえるのは、例えば税抜きで180円の商品の場合、総額表示だと189円になるわけですが、それを190円にするにはかなりの勇気が要るということです。お客様はウチのパンの値段をよく知っているので、たとえ1円の値上げでもすぐにわかると思います。
かといってこれを185円にしてしまったら、本来お客様が支払うべき消費税をウチが負担することになってしまい、厳しいものがあります。
1円単位で端数は切り捨てとすると表示価格に1円単位の端数が多く出てしまうので、レジを打つ人が大変だと思います。

まわりの状況を見極めたい
ベーカリーどうしが集まって定期的に開いている勉強会でも、「どうしようか」といろいろと知恵を絞っているところです。
やはりスーパーやファストフードチェーンなどの動向は大変気になりますね。
今年の1月以降に出した新商品については、そのまま内税表示でも大丈夫なように考えて値段をつけているので、4月1日以降もそのままその価格を総額として表示していこうと思っています。
いずれにしても、お客様は価格にかなりシビアになっているので、周りの状況も丹念に分析しながら、勉強会のメンバーたちと充分に話し合って、最終的にどうするかを決めたいと思っています。



スーパーの動向に注目 - 個性パン創造アルル

どう対応するか現在考えているところです。1円単位の総額表示をするか、5円単位にするかなど、いろいろと悩んでいるところです。
注目しているのはスーパーが最終的にどう動くかということです。
消費者の立場に立つと、同じ総額表示でも多くの店が同一の形で実施した方が都合がよいと思います。そういう意味でやはりスーパーの影響力は大きいと思いますので、その動向を見極めてから最終的に判断したいと考えています。


顧客の立場で考えたい - パン工房カトラン

商店街の回覧などがまわってきて、総額表示についてどう対応したらいいかについての情報が入ってきています。
お客様の立場からすると、やはり支払う金額の合計が一目でわかった方がいいと思います。
まだ決定はしていませんが、当店は、例えば100円のパンだったら、105円、120円のパンだったら126円、というように素直に本体の価格と消費税を合計した価格を表示していきたいと考えています。
レジのシステムを変えなければならないのが大変だと思います。


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