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| インタビュー/2017年2月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 普段の作業に伝統が生きる - グリムハウスの木島一哉専務 | |
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昭和元年(1926年)創業のグリムハウス(電話03−3683−0344)は、総武線亀戸駅から徒歩約8分。亀戸五丁目中央通り商店街の東の端にある。卸しが中心のベーカリーだが、今は本格的に製造・直売に力を入れる。人気の味噌パンは江東区で初めて異業種交流会から誕生した商品。毎年開催される地元のイベントでは、いつも持ち込んだ500個が完売する。地元に根付いた商品でもある。卸し部門もリテール部門も売り上げが右肩上がりで伸びている今こそ、大手リテールベーカリーでの修業経験を活かして、リテール部門の拡大を目指したいという、同社3代目の木島一哉専務(54歳)に話を聞いた。
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異業種交流から味噌パン
―――味噌パンが人気だそうですね。。 木島 平成10年(1998年)に江東区が行なった異業種交流会から誕生したものです。10数人が集まった中で、何か形にしたいと考えました。その中で老舗の味噌屋さんが、パンに味噌を入れたらどうなるのかという話になりました。塩分を入れすぎると発酵がうまく行きませんからね。不安でした。 ―――それでも提案に興味を持ったんですよね。 木島 折角ですからね。新たなものを生まないと。でも、案の定大変でした。 ―――味噌に問題があったんですか。 木島 問題ではなく、まず私が驚いたのは、味噌の種類です。数十種類もあるんですよ。こんなに多いのかって、頭の片隅にもありませんでした。そこから、試行錯誤の繰り返しです。そして、ようやく江戸味噌ともう1種類を選び出したんです。 ―――専務の考えに当てはまったんですね。 木島 何よりも発酵に影響を与えないことです。そのため、塩分の少ない2種類の味噌を選び、ブレンドして使っています。味噌パンは塩分を入れすぎると発酵がうまくいきません。選択した味噌に影響を受けてはだめなんです。 味噌で味を引き締める ―――生地をデニッシュタイプにした理由は。 木島 味噌パンを考案した当時、デニッシュ食パンが流行っていました。このパンは食べ始めはいいのですが、どうも飽きやすい気がしたんです。これに味噌を入れたら味が引き締まるのではと、検討過程でそんな話になりました。それと、味噌は乳製品に合うという話も切っ掛けの一つです。 ―――それでデニッシュタイプに。 木島 はい。もちろん、味りんを入れたり、コクを出すために三温糖を使うなど他の工夫もしています。 ―――工程上の工夫もありますか。 木島 例えば、デニッシュ生地は4つ折り1回、3つ折り2回です。こうすると、食べやすくなります。 ―――味噌パンが誕生して随分と経ちますが、人気定番商品ということは、売れ行きも充分というわけですね。 木島 お陰さまで。江東区で異業種交流から生まれた食品は初めてでした。以来、毎年11月に開催される区民祭りでは、各種の自社商品を提供します。中でも、味噌パンは500個用意します。いつも完売です。 ―――江東区に根付いているんですね。 木島 そう思います。発売当初から、お客様からの感想を聞かせていただいています。その言葉を大切にこれからも作り続けようと思っています。今、味噌入りのパンは他に味噌あんぱんだけです。日本人は味噌が好きですからね。今後は、和に特化した味噌シリーズも考えています。 イーストを活性化して使用 ―――ところで、味噌パンの製造に当たって、塩分量以外に注意していることはありますか。 木島 イーストは、わが社というか、私自身がこだわりを持っています。 ―――と、言いますと。 木島 パンには当然イーストが必要です。残念ながら亡くなったのですが、以前、私の師匠ともいえるベテラン職人からイーストの大切さを教わりました。師匠の作る学校給食のパンは柔らかなんです。学給パンの配合は東京都内すべて同じです。なのに、パンの出来が違うのです。 ―――なぜなのですか。 木島 イーストは問屋から運んでもらいますが、他の材料と一緒に持ってきます。その際の温度は2〜3度Cと、低い温度帯です。そこでわが社では、イースト専用の冷蔵庫で24時間保管して、8〜10度の温度帯になるように調整します。活性が良くなるんですよ。パン作りにはイースト菌が全てです。これからもイースト菌を大切にしますよ。商品の日持ちにも良い影響を与えます。師匠の教えは、普段の作業の中に伝統は生きているのだと感じさせてくれます。 |



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