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| 特集/2016年8月号 |
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| ベーカリーのウェブ活用術
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| ハレの日に食べる高級パンをウェブで販売 - ルセット (http://www.recette.co.jp/) | |||||||||||||||||||
1999年に開業した、パンのインターネット販売の先駆けとして知られる、「最高級パン専門店 Recette(ルセット)」。工房は、東京・世田谷区の廃校となった中学校の校舎を再生した施設「世田谷ものづくり学校」の一角に構え、販売は、実店舗を構えずインターネットでのみ行っている。 「開業当初は、週末限定で実店舗でも販売していたのですが、半年後位には、注文数に製造が追いつかなくなりました。2002年には、実店舗は完全に閉め、販売は現在と同じ、ネットのみという体制になりました」(広報担当者) 商品数は現在、約40品目。なかでも、1日の限定販売数100本が常に売り切れてしまう人気商品の「@shokupan(アット食パン)」は、3斤で3300円という高価格だ。 「それまでに様々なパンを食べ、作ってきた当店のパン職人たちが、『特別なハレの日に食べるパンを作りたい。自分たちなら、こんなパンを食べてみたい』という思いを形にしたのが、当店のパンだと思います。食パン1本2000〜3000円という価格は、材料や製法など、おいしさを最優先して決めていった結果なんです」(広報担当者) 2000円を超える値段は当初、食パン1本の価格としては、誰もが驚く高値だったが、高値であること自体が話題性を生み、テレビなどで取り上げられた。メディアに取り上げられた回数は、これまで550回を超えているという。全国で話題を集めることは、商圏範囲が全国に及ぶネット販売にとって、強力な助けとなった。 ネットショップの仕組み作りは、最初は同店が手探りで構築したという。現在のショッピングカート式をとる仕組みは2003年頃からで、運営は専門業者に委託している。また、ホームページやネットショップなどのWEBデザインだけでなく、梱包材も専門のデザイナーが手掛けている。 「ネットショップづくりも、実店舗を構えるのと同じ感覚を持って行っています。特にネット販売では、ブランドイメージをつくりこんでいくことは大事だと思っています」(広報担当者) ネットショップには、名前や住所、メールアドレスなどを登録して会員になると、送料が安くなるなどの会員制度を設けており、会員には、新商品を知らせるメルマガを送付するようにしている。 また、新商品や各商品の購入受付などの情報などは、ツイッターで随時発信している。1日の発信回数は4〜5回に及ぶ。ツイッターは、ホームページとネットショップにリンクさせている。 SNSによって客に盛り上げてもらう ネット販売専門店だった同社だが、2013年、神奈川県鎌倉市にパンのスイーツ専門カフェ「カフェルセット鎌倉」を開業。さらに昨年、同カフェの近くに食パン専門店「ブレッドコード」を開業した。 「カフェと食パン専門店にはそれぞれ、パンの可能性を広めるための課題を持たせています。カフェでは、ハレの日はケーキ、ケの日はパンというイメージを変えていきたいと思っています。そのために、パンをスイーツとして食べてもらえるパンプディングなどのメニューを提供しています。食パン専門店では、お客様が日常的に買える値段の範囲内で提供できる、国内産だけの材料を使った日本を代表できるような食パンを作っていきたいと思っています。高級パンとは相反するコンセプトを持った商品だと思います」(広報担当者) 2つの店舗は、ホームページはあるが、フェイスブックやツイッターなどのSNSは活用していない。 「オープンして数年の今の段階では、逆にお客様からSNSで当店の情報を発信して、宣伝していただきたいと思っています。鎌倉は、感度の高いお客様が多い場所です。インスタグラムなどで、お洒落な写真を投稿していただけたらと期待しています」(広報担当者) | |||||||||||||||||||

| ネットを手段に地域住民との関係を深めていく - ベーカリーハレビノ (http://www.harevino.com/) | |||||||||||||||||||
千葉県柏市の「ベーカリーハレビノ」は今から約2年前の2014年6月にオープン。当初からホームページ(HP)とフェイスブックを併用した形で店の情報発信を行ってきた。 「HPやフェイスブックは店頭のみでは伝えきれない情報を伝える上で役立ってくれています」と同店のオーナーである上野公之さんは話す。 例えば昨年の8月から地元・柏市内の農家と提携し「ファーマーズプロジェクト」というプロジェクトを開始したが、趣旨や活動内容などをHPやフェイスブックで情報発信している。同プロジェクトは、柏市産の野菜の魅力を伝えるため、飲食店側が農家と消費者の橋渡しをしていくというもので、同店では柏の契約農家から直接調達された新鮮な野菜を同店のサンドイッチや総菜パンなどに使用。中でも何種類もの柏産野菜をはさんだ「農家サンド」(税抜420円)は人気商品だ。 「HPやフェイスブックなどで、プロジェクトの趣旨を知ってもらうことで、商品に対してもより興味を持ってもらいやすくなります」(上野さん) また同店では定期的に小学生位の子供を対象に「農家サンド」や柏産の野菜を使用したピザを作るなどのワークショップを行っているが、こうしたイベントの告知にはフェイスブックのつながりを生かす事がより効果的という。「実際にイベントに行った子供のお母さん達同士のつながりなども大きいようです。夏休みの間に子供をどこかに連れて行きたいと情報収集している方の目に留まる事もあります。フェイスブックはよりその情報を必要とする方に絞って最新の情報を発信する場合に適していますね」(上野さん) 一方でHPにもフェイスブックとは異なる利点があるので同時に発信する事で相乗効果が出るという。 「HPの情報はフェイスブックと違ってこちらから積極的に発信するというわけではないですが、しばらく安定的に見てもらいたい情報を出す場合に適しています。店の基本的な紹介などはHPを軸に情報発信をしながら、イベントや季節商品のお知らせなど頻繁に変わる情報はフェイスブックで発信していきます」(上野さん) スタッフ全員が手が空いた時に更新 実は上野さんは同店を開業する前は、ベーカリーのプロデュース会社に社員として勤め、独立希望者からの相談窓口などを担当していた。そこで出会った相談者の多くは開業にあたってネットを通じた情報発信を行う事を希望していたという。しかし問題は忙しくて更新するのが難しいという声が思いのほか多かったことだ。 「店のスタッフが何人かいると、誰をフェイスブックの更新担当にするのかという問題が生じてくるようです」(上野さん) 結局HPを作っても、小さな情報をリアルタイムで更新できるフェイスブックまでは手が回らない店が多かった。 「ある店で店内に皆が共有できるタブレットを用意し手が空いた人が情報を更新できるようにしました。担当を一人に固定してしまうとメンテを頻繁にしなくなるような気がします」(上野さん) 上野さん自身も開業することになったが、現在、同店は地元野菜を使った商品が充実し、カフェも併設したベーカリーとして評判を高め、売り上げは現在昨年比120〜130%の勢いで伸びている。しかし、人口が急増している住宅街であることなどを考えると、潜在需要はもっとあると見ているという。共有タブレットの導入も考えているが、期間限定商品の販売時期など、緊急で小さな情報をもっと頻繁に提供する事で、より販促効果を高められるのではと考えている。 「ネットを活用しながらも、最終的には生の接客につなげていきたいですね」と上野さんは話す。実は今、近隣の高齢者などを対象に、ネットを窓口とした宅配サービスも考えているが、窓口はネットでも、宅配する際は実際にお客様と会う事を大切にするつもりだ。 「ネットを出会いの手段にしても、最終的には昔ながらの個人商店のように地域の人達との関係を深めていきたいですね」(上野さん)。 | |||||||||||||||||||
| 楽しみながら無理のない形でネットを活用する - ヴィヴァン(http://www.pan-vivant.net/) | |||||||||||||||||||
JR武蔵浦和駅から徒歩7分ほどの所にある埼玉県さいたま市の「ヴィヴァン(vivant)」は、双子の姉妹の伊藤万美子さんと市川寿美子さんがオーナーを務めるベーグル専門店で、パン教室も併せて行っている。もともとはパン教室のみ先にオープンしており、その頃HPを開設した。パン教室の中で月1回のペースで通販での販売を始めるようになり、中でも評判の良かったベーグルに絞った形で実店舗をオープンしたのが2004年のことだ。 以来、同店は実店舗と併行した形でネットショップでのベーグルの販売も続けている。売上は、全体の9割を占める実店舗に対して、ネットショップは1割位で決して多くはないが、「遠くて当店に来られない人などにも広く当店の商品を食べてもらいたいと思って続けています」と伊藤さんと市川さんは話す。 実は最近ネットショップで商品を注文してくる人たちにも変化が現れてきた。 「今までは遠方でも関東圏止まりだったのが、最近は北海道や九州など本当に遠い所からの注文も来るようになりました」(伊藤さん) その原因として考えられるのは二人が2カ月ほど前から始めた写真投稿サイトのインスタグラムだそうだ。 「フェイスブックでも情報を発信していますが、インスタグラムは写真だけで良いため比較的気軽に頻繁に情報を発信できる気がします。投稿した写真を閲覧した人からのコメントを見るのも楽しみですし、インパクトの強い写真を載せた事が原因で今まで届かなかったような遠い地域まで当店の情報が届くようになって、それがネットショップの注文につながったのかもしれません」(伊藤さん) フェイスブックで客との距離を縮める 今はインスタグラムを通じて知り合った他の人のページを見て色々な興味深い写真を集めるのが楽しみだという伊藤さんだが、フェイスブックも妹の市川さんとともに4年位前から始めた。更新頻度は1日2回位で、本日限定ベーグルの紹介や併設しているパン教室で焼き上げたパンの写真を載せたりしている。 「フェイスブックの良いところは、コメントを見ることで店頭では聞けないようなお客様の声がわかることですね」(伊藤さん) 商品を喜んでもらっている声をみると嬉しいし、また色々と気付かされたり勉強することもあるという。実は以前ひろった声でアレルギーの娘さんがいるお母さんが「ここのベーグルだと安心して娘にも食べさせることができます」というものがあった。 「自分たちが作っているものがアレルギーの人にも食べやすいものだと知ることができ、改めて勉強し直すきっかけになりました」(伊藤さん) またフェイスブックの場合、店から一方的に発信している情報のみならず、客同士で感想を言い合うような声もコメント欄を通じてわかるので、客側から、より信頼出来る店だと思われやすいという。 実は最近、フェイスブックを利用したクーポンも始めた。店が出している写真に対して「いいね!」をクリックすると100円引きのサービスがもらえ、さらにコメントを書き込むと好きなベーグルを一つもらえるというサービスだ。 「実は常連の方からのすすめで始めたのですが、新規客の集客のほか、クーポンがお客様とのおしゃべりのきっかけになったりして、お互いの距離が近くなったように感じます」(伊藤さん) 普段なかなか話せないような人ともフェイスブックを通じて話せたり、もしくは実際に来てもらって話すきっかけになったりする。 「楽しむ事を主体に自然な流れでやってきたのですが、それが逆に単なる宣伝効果にこだわらず広くネット活用できることにつながったのかなと思います」(伊藤さん) | |||||||||||||||||||
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