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| 連載/2016年5月号 |
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| ユーロパンとブルターニュの食文化を訪ねる旅 - 一粒の麦から31(文・本行恵子) | |
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CDM応援とパン職人たちとの交流
去る2月4日〜11日にかけ、アミカル日本支部(田島浩太会長)が企画した「ユーロパン視察とブルターニュの食文化を訪ねる旅」に参加しました。 世界的な製パン製菓の展示会、ユーロパン2016が開催されたパリ・ノール見本市会場には、137カ国から6万3000人以上の来場者があり連日にぎわっていました。この展示会では、パンの世界大会の「クープ・ド・モンド」(CDM)も開かれました。大会初日に出場した日本代表選手の茶山寿人さん(ドンク)、瀬川洋司さん(ドンク)、知念裕之さん(神戸屋レストラン)は、それぞれの作品を規定の時間内で丁寧に造り上げ競技を終了しました。3選手は試合後のインタビューで、応援してくださった方への感謝と無事にやり遂げた安堵の気持ちを語っていました。 2月6日にはフランソワ・オランド仏大統領も、CDMのブースを訪れました。「今日私がこの見本市を訪れた理由は、製パン・製菓産業はフランスの力であり、文化遺産であるからです。、将来を期待される重要な産業であることを強調するためです」と大勢の観衆の前で語り、国を挙げてユーロパンに期待をかけている様子が伝わってきました。 9日に行われたCDMの結果発表は、1位韓国、2位台湾、3位フランス。日本は6位でした。審査の詳しい評価はわかりませんが、僅差で勝負が決まる世界杯のレベルの高さを改めて知る機会になりました。 ユーロパン会場にはフランスのアミカル本部AIPF(アソシエーションインターナショナルパンフランセ、ユベール・シロン会長)のブースが設けられ、フランス国内外のカルヴェル先生の弟子たちが集まっていました。アミカル日本支部メンバーも合流し「言葉の壁を越えてパンで世界は一つになれる」ことを実感しました。 世界遺産モン・サン・ミッシェル パリからバスで5〜6時間かけ、一泊2日のブルターニュの旅を楽しみました。窓からの景色は農業国フランスらしいのどかな牧草地帯が続き、パリとは違う魅力があります。最初に到着したのは、サン・マロ湾に浮かぶ世界遺産「モン・サン・ミッシェル」。8世紀の初めに大天使ミカエルのお告げによって建てられたといわれる修道院は、中世の様々な建築様式が混ざり合った独特の造りで見所が沢山ありました。かつて島に渡ってくる巡礼者のために作られた巨大オムレツや、海辺の草を食べて育ち、潮の風味がある子羊のローストなどが名物料理として有名です。 ブルターニュの郷土料理ガレット 7日の夜はサン・マロの中心街にあるガレットの専門店「ブレッツカフェ」で、ブルターニュの郷土料理ガレットや生牡蠣を、リンゴの微発砲酒シードルと一緒に楽しみました。同店はブルターニュ出身のラーシェ・ベルトランさんが、郷土料理のガレットを広めたいと国内外で多店舗展開するうちのひとつです。20年前に東京・新宿区の神楽坂に1号店の「ル・ブルターニュ」を開業し、今ではフランス国内に6店、日本に12店舗あります。1号店の開店当時、私はベルトランさんを取材したことがあり、懐かしい再会になりました。 ガレットは蕎麦粉の生地を専用の鉄板で薄く焼き、様々な具材をのせ仕上げに有塩バターを溶かしてふりかけるのがポイントです。前菜からデザートまで、ガレットだけのコースメニューとして楽しむことができます。蕎麦粉は必須アミノ酸リジンをもっとも多く含む穀物で、栄養価の高い食材です。そして毛細血管の膜に弾力性と厚みを持たせる、ポリフェノールの一種「ルチン」も含まれています。 ブルターニュのパン屋を訪問 フランスのアミカルのメンバーで、日本でもパティシエとして活躍したイヴ・ジェラルドさんの案内で、ブルターニュの3店舗を訪問しました。はじめにフリュート・ガナの製法を継承しライセンスを持つ「ブーランジュリー&パティスリーウベール」、続いてブルターニュ地方のクイニャマン、ファーブルトンが有名な「ブランドジョン」、そして13世紀の頃からすでに作られていたといわれる、クラッカーのような乾燥焼きのパン「クラックラン」の製法を代々守り続けている店、それぞれの厨房を見学させて頂きました。どの店も日本から訪れた私たちを歓迎し、親切にもてなしてくださいました。ここでも国籍に関係なくパンを愛する者同士、心に通うものがありました。 本行 恵子(ほんぎょう けいこ) パンと食のライター。家庭製パン教室を10年間主宰した後、パン業界専門誌『B&C』の編集記者、編集長として勤務。16年間の在職中、日本各地のリテールベーカリーや欧米、アジア諸国を訪問し、パンと食文化を取材。現在はフリーの立場で、業界専門誌や企業ホームページでの執筆活動、業界関連団体への企画提案などを行っている。ライフワークは、パンのある食卓の提案。 |



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