しょう’S ベーカリー

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お店拝見/2016年4月号

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品切れが再来店の動機に - しょう’S ベーカリー
西武国分寺線・鷹の台駅から歩いてすぐの場所にある「しょう’S ベーカリー」
左から順に、販売を担当する山&#31932;さんの母、オーナーシェフの山&#31932;章さん、販売スタッフ
パンは、ガラスのショーケースに並んでおり、対面式販売
惣菜系はフォカッチャ生地に具材をトッピングした「ナスと肉ミソ」(税込235円)など彩り豊かに揃う
カスタードクリームとダークチェリーをトッピングした「スリーズ」(税込155円)など、100円台の手頃な価格で豊富に揃うデニッシュ類
次々と違うパンを並べていく

 西武国分寺線・鷹の台駅から、線路沿いに歩いてすぐの場所にある「しょう’S ベーカリー」。山型食パンをモチーフにした、手作りの鉄製の看板や、花壇の植え込み、カラフルなチョークで書かれた黒板などが店前を飾り、温かで楽しげな雰囲気を醸し出している。
 同店は、オーナーシェフの山粼章さんの実家の敷地内に建つ。もともと駐車場2台分だったという場所を利用した。同敷地内にはギャラリーもあり、同店の店内の壁にも、パンを食べる動物たちを描いた木版画が飾られ、来店客の目を楽しませている。
 売り場は対面式で、2段のガラスのショーケースの中にパンがある。パンは、1品目あたりの数が3〜4個ほどで、1列につき1品目ずつ並べられている。
 「1品目あたりの製造数を少なくして、次々と違うパンを並べていけるようにしています。せっかく来たのに、購入予定のパンがなかった、と思われるお客様もいるかと思いますが、実はそこも良さだと思っています。次また来てみようかと思っていただけたり、その代わりになるようなパンを、そのときどきで新たに見付けていただける機会になればと思っています」(山粼さん)
 来店する度に違うパンと出合える楽しみも幸いしてか、パンは毎日ほとんど売り切ってしまうという。
 午前9時、食パンや惣菜パン、菓子パンを揃えてオープンすると、その後11時半、午後1時、1時半、2時と時間経過とともにパンが焼き上がり、ショーケースに並ぶパンが変化していく。山粼さんがほぼ1人で、1日に70品目のパンを焼き上げる。

普通のパンだけど真っ直ぐなパン

 惣菜系は、「ナスと肉ミソ」(税込235円)など、フォカッチャ生地に様々な具をトッピングしたものが6種類ほどあり、デニッシュ類も、カスタードクリームとダークチェリーをトッピングした「スリーズ」(税込155円)など、8種類ほどずらりと揃う。どれも大ぶりな見た目で、リーズナブルな印象だ。
 「普段食べていただくために、特別高価な
材料を使う訳ではなく、普通のパンだけど、真っ直ぐなパンを作ろうと思っています。クセのない、凝ったものでもない、でも思っていたより、いいなと思ってもらえるような」(山粼さん)
 塩分、糖分を控えめにして、マーガリンやショートニングを使用せずにバターを使った、身体に優しいパンを作っていくことを、開業前から心に決めていたという。
 「当店は、病院通いをしている方など年配のお客様が多いのですが、『フランス食パン』(税込310円)は、砂糖の入っていないパンのリクエストを受けたことで、2年前から販売しています。フランスパンなら、安心して食べられるとおっしゃって下さり、予約で購入される方が増えています」(山粼さん)
 「フランス食パン」には、同じ要望を持った客に伝わりやすいように、「砂糖不使用のパン」と書いたPOPを付けて販売している。「フランス食パン」は、皮は薄めだが、中身は比較的しっかりした食感に仕上げ、食べ応えがあるようにしている。食べ方は、オリーブオイルとほんの少しの塩を付けることを提案している。
 同店の食パンの定番商品は「天然仕込み」(税込290円)で、国産小麦を使用し、牛乳で仕込んでいるのが特長だ。
 「牛乳だけで仕込むと、そのミルク風味を活かそうと、さらに脱脂粉乳を入れたくなるところですが、あえて入れません。商品全体に言えることですが、コクや風味は強めることはせず、また、塩分と糖分の使用量を、少量かつ、良いバランスにするようにしています。そうすることで、食べ続けているうちに良さが伝わっていくような、年配の方にも赤ちゃんにも食べやすいパンになればと思っています」(山粼さん)
 「有機粒あんぱん」(税込135円)や、「やさしいクリームパン」(税込135円)などの菓子パンも、控えめな甘さにこだわっている。
 同店はバゲットを作っていない。バゲットの代わりに、定番のフランスパンとして、「バタール」(税込280円)を販売している。
 「『バタール』は『バゲット』より食べやすい食感ですし、フランス料理店でも、食事時に出されるのは、バタールが断然多いですよね。それと同じように、普段、おかずと一緒にご飯を食べる感覚で召し上がっていただきたいという思いで、『バタール』を提供しています」(山粼さん)



フランスパン生地を使用した「フランス食パン」(税込み310円)。砂糖不使用のPOPを付けている
そのほか菓子パン類も、「有機粒あんぱん」(税込み135円)など、手頃な価格で大ぶりな見た目
「やさしいクリームパン」(税込み135円)は控えめな甘さで、カロリーを抑えた
手土産にも人気の「くるみクロッカン」(税込み100円)。レジ横で販売している
近所の顧客を最優先に考える

 同店は、今年開業6年目を迎えた。これを機に、地域のイベントなどに積極的に参加するようになった。
 「最初の5年間は、普段の営業に慣れることに専念しようと決めていました」(山粼さん)
 この5年で、開業時50だった品目数を70まで増やすことができた。タイムスケジュールを何度も見直し、開業時はなかったフランスパンを作れるようになったからだ。また、客から要望が多かった、各パンの焼き上がり時間の掲示もできるようになった。
 「商品の予約も、今までは余裕がなくて受けていなかったのですが、受けられるようになりました。当店がペースを掴めてきたと同時に、お客様にとっての当店の利便性も、増してきたことを実感しています」(山粼さん)
 イベントを行えば知名度が上がり、現在より、広い範囲の住民を集客できることが予想されるが、こうした効果で拡大する商圏範囲について、山粼さんは慎重になっていたという。
 「遠くのお客様に来ていただくことは嬉しいのですが、それで忙しくなり過ぎると、今まで来ていただいていた近所のお客様に迷惑をおかけしてしまうことになります。近所のお客様に、商品を充分に提供できる体制を整えるためにも、必要な5年間だったと思います」(山粼さん)

SHOP DATA
店名:しょう’S ベーカリー
住所:〒187‐0024 東京都小平市たかの台44‐11
営業時間:午前9時〜売り切れまで
定休日:日曜、水曜
品揃え:70品目
スタッフ:製造常時1〜2人、販売常時2人
店舗面積:売り場約3坪、厨房約5坪
日商:10万円



この記事の読みどころ

●お目当てのパンが売り切れのときでも満足できる品揃え。
●普通のパンだけど、真っ直ぐで、思っていたよりおいしいパン
●塩分、糖分を控えめにして、マーガリンやショートニングを使用せずにバターを使った、身体に優しいパン。
●まずは、近所の客に、商品を充分に提供できる体制を整える。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



原価計算女王
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