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| 特集/2016年4月号 |
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| コンテストに参加して販促に活かす
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武山さんは3年前、ちょうどコンテストに出場していた頃になるが、2店舗目となるベーカリーカフェ「キノミヤ クオン」をオープンした。場所は、熱海駅の隣駅であるJR来宮駅の近くの、麦こがしに由縁のある来宮神社の参道だ。参道には、同店のほか、和菓子店、洋菓子店、蕎麦店などが立ち並ぶ。 これらの店に武山さんは、麦こがしを使った商品を開発して、販売していこうと提案したという。コンテストで受賞したことが、その提案に強い説得力を持たせることになった。 「参道の店が一体となって、神社に由縁のある共通の食材を使うことによって、地域を盛り上げていくことに繋がればと思いました」(武山さん) 現在、参道の各店では、麦こがしを使った菓子を、「来福スイーツ」と名付けて販売している。「来福スイーツ」の名のもとに、饅頭やロールケーキなどの新しい名産品が誕生したのだ。菓子だけでなく、蕎麦店でも、つゆに麦こがしの風味を付けたメニューを展開するなど、参道全体での盛り上がりを見せている。 武山さんのコンテスト受賞は、自店だけでなく、地域を活気づけるための活動の第一歩ともなったようだ。 SHOP DATA 店名:パン樹 久遠 住所:〒413‐0011 静岡県熱海市田原本町7‐3 電話:0577‐81‐3310 営業時間:午前7時30分〜午後6時30分(売り切れの場合はその時点で閉店) 定休日:木曜・第3水曜 品揃え:120品目 スタッフ:製造常時6人、販売常時2〜3人 店舗面積:売り場約20坪(カフェスペース含む)、厨房約10坪 日商:25万円 | |||||||||||||

| コンテストでの受賞実績が店の技術力の高さのアピールになる | ||||||||||||||||
店の方針でコンテスト挑戦を奨励 東京・葛飾区のベーカリー「ブーランジュリー オーヴェルニュ」とその2号店「ラ タヴォラ ディ オーヴェルニュ」のオーナーシェフ、井上克哉さんは、今まで様々なコンテストに参加し、様々な賞を受ける中で多くの事を学び、成長してきた。そのため、スタッフにも技術のレベルアップや意思の向上を目的に出来るだけコンテストに挑戦して欲しいと考えている。 昨年10月には製パンの世界的な大会である「iba cup 2015」で、井上さんから2号店のチーフを任されている浅井一浩さんと新潟県新潟市のベーカリー「富士屋」の渋谷則俊さんによる「チームジャパン」が優勝。「ブーランジュリークルミ」(埼玉県さいたま市)の福井清史さんがサポーターとして参加し、井上さんもチームの監督として参加した。代表選手2人は井上さんの指示の下1年半のトレーニングを積んで挑んだという。 「日本のベーカリーの技術が世界でも認められた。とても嬉しいことですね」(井上さん) その優勝作品のいくつかを2月に新商品として発売。三日月型の生地をかぼちゃ、抹茶、ココアの3色のメロン皮で包んだ「カラフルムーン」(税込260円)と、楽器の鍵盤をイメージさせる形の「ケンバン」(税込230円)で、店での売れ行きも良いという。 「大会のテーマだった『サーカス』をイメージして作ったものですが、立ち止まって目を引くようなものになっている一方、ある程度、毎日買っても食べやすいような味つけにしています」(井上さん) 実は井上さん自身も2009年の「iba cup」に日本チームの一員として出場している。世界大会に向けて打ち合わせや特訓を重ねる合間に「ドイツパン・菓子研究会」(2008年6月に設立された、ドイツ、オーストリア、スイスのパン、菓子を勉強する会)などでの活動をしたり、講習会の講師なども積極的に引き受け、多くの人達との出会いがあった。 「コンテストに参加する事はモチベーションの高い様々な人と出会う事につながり、良い刺激になりますね。競争し高め合ったり、様々な情報を交換したりして、職人として成長することにつながると思います」(井上さん) 新商品を作ることで得た転機 井上さんは1999年に「カリフォルニアウォルナッツコンテスト」でグランプリを獲得したことがコンテストでの初めての受賞だった。「ショソンノア」という全粒粉とクルミの入ったハード系でスリッパ(ショソン)の形をした作品で、井上さんがまだ独立前、ドンクが展開するベーカリー「ジョアン」でチーフとして勤務していた頃の作品だ。 井上さんのパン職人人生で大きな転機となったのは、ドンクでチーフになった事を機に新商品の開発を任されるようになった事だったという。受賞は新商品を作る楽しみを覚えた矢先での出来事だった。 「自分にとっては初めての受賞でグランプリを取ることができたので嬉しかったですね。日常の業務も大切ですが、コンテストを受賞するという目標を持つことで、普段の業務も意識を高めながら取り組むことができるようになると理解しました」(井上さん) もともと空手の師範を目指していた井上さんはベーカリーのバイトをしていたことをきっかけにいつしか本格的なパン職人を目指すようになり、個人店のベーカリーに就職。その後、中村屋「ファリーヌ」や、「ビゴの店」を経て、「ジョアン」に勤務したが、新商品を作る機会を得たのはチーフになってからだ。当時はいきなり月20品位作らされるようになり戸惑った。無我夢中で当時は休みのたびに食べ歩きもし、洋菓子店に入れば色や味の組み合わせを参考にするなど研究を重ねた。素材選びはバランスを大切に考え、形は目を引いてもらえるものがどんなものか想像を膨らませた。 「大変でしたが、段々そのアイデアを膨らませることの楽しさがわかるようになってきました。日常の中でふと良いアイデアが思いつくことがあって、そういうインスピレーションみたいな感じを大切にしました」(井上さん) 当時からのレシピの記録は大体保存してあるといい、今でもそれを見直して参考にすることもあるという。独立してからも月に5、6品のペースで新商品を作り、今はある程度スタッフに任せているため井上さん自身が作る作品は減ってきているが、それでもドンクの頃から現在まで井上さんが生みだした新商品はざっと1000点以上にはなるという。 | ||||||||||||||||
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店の技術力のアピールにもつながる
「カリフォルニアウォルナッツコンテスト」でのグランプリ受賞を皮切りに井上さんは多くのコンテストで受賞歴を積み重ねていくこととなる。「カリフォルニアレーズンコンテスト」(24ページに受賞作品のレシピ)や「創・食Clubパンレシピコンクール」「カナダ産小麦を使った食パンコンテスト」などで、最高位での入賞を果たした。 そして、受賞作品の多くは独立後に店内で実際の商品として販売した。その中には既に販売を中止してしまったものもあるが、カナダ産小麦を使った食パンコンテストで最優秀賞に輝いた「マニトバブレッド」(1斤税込227円、25ページにレシピ)など現在でも人気商品として販売されているものも何品かある。井上さんの受賞作品のほか、同店のスタッフが受賞した作品も販売している。 ただ、受賞作品はポップで紹介するなどはするが、それだけに特に販促をかけているわけではないという。 「当店のお客様の多くは地元住民で常連の方ですから、受賞作品を売ると確かに話題性は高まりますが、それよりコンテスト参加に積極的な店と示すことで店の技術力をアピールし、地域で愛される店になれればと思っています」(井上さん) 新商品の開発やコンテスト参加に熱心だからという理由で同店への就職を希望する人もいるという。 同店では、新人でも入店して半年経った時点で新商品を考えさせるようにしている。 コンテストの応募も早くから挑戦しているスタッフが多いが、最近は不況のためコンテストの数自体が減ってきていて、入賞の機会が狭まってきたという。 「広い世界で自分の力を試すことが良い刺激になるのではと思います。勉強の積み重ねが将来につながるので頑張って欲しいですね」(井上さん) SHOP DATA 店名:ブーランジュリー オーヴェルニュ 住所:〒124−0012 東京都葛飾区立石6‐5‐7 電話:03‐3691‐5102 営業時間:午前7時〜午後7時00分 定休日:なし 品揃え:220品目 スタフ:製造兼販売10人、パート4人 店舗面積:売り場4・5坪、厨房16・5坪、折り込み室7坪 月商:900万円 |
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