日常をベースに非日常のアクセント - セテュヌ・ボンニデー - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2016年1月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


日常をベースに非日常のアクセント - セテュヌ・ボンニデー
有形泰輔シェフ
角地にある「セテュヌ・ボンニデー」。ちょうど角に入り口があるが、扉が引き戸なので、通行人との接触を回避できる
キッシュはリピーターの多い人気商品。「サーモンとカボチャのキッシュ」(税込480円)など常時約6種類揃う
栃木県産有機小麦を使用した食パン「めぐみ」(税込310円)は、砂糖を使用していないが、甘味が感じられる
「めぐみ」の断面
「クロワッサン」(税込180円)は一番人気商品。最近粉選びを軸に配合をマイナーチェンジし、目指す味の方向性に変化が出てきたという
パン、菓子、惣菜を揃え、毎日寄りたい店を目指す

 神奈川県川崎市の小田急小田原線・向ヶ丘遊園駅から続く、商店街を抜けた角地に立つベーカリーがある。開業して2年が経つ「セテュヌ・ボンニデー」だ。
 入り口はちょうど曲がり角の部分にある。しかし、扉が引き戸になっているため、ほかの通行人と接触してしまう心配なく、スムーズに出入りができるようになっている。
 看板には、店名だけでなく「PATISSERIE」「TRAITEUR」とも書かれている。シェフの有形泰輔さんは、「パンだけでなく、菓子や惣菜も買える店としてお客様に親しんでもらえればと思っています」と話す。
店内は、木目をベースに、黒、白、赤でまとめられており、落ち着いた雰囲気がありながら、新鮮さも漂う空間となっている。
 「既存のパリのブーランジェリーそのままではなく、パリの若者たちに流行っている最新のショップにあるような、ポップな要素も取り入れました。客層を絞らず、いろいろな方に入っていただきやすい空間を目指しました。商品も、バゲットからあんぱんまで幅広く揃えるようにしています」(有形さん)
 レジ横にあるカウンターは、スタンド式のイートインスペースだ。
 「スタンド式だと、長居するというより、ちょっと寄っていくというような感覚でお使いいただけると思います。当店は朝7時半に開店するのですが、通勤時にコーヒーとパンをカウンターで召し上がっていかれる常連の方もいらっしゃいます。そのように、毎日の生活サイクルの一部として、取り入れていただけるような店になれたらと思っています」(有形さん)

惣菜としてキッシュを購入してもらいたい

 品揃えは、一番人気の「クロワッサン」(税込180円)や、次に人気の「クリームパン」(税込150円)などの菓子パンや、ハード系のパン、日替わりで用意される食パンなど幅広く揃うパンのほか、「サーモンとほうれん草のキッシュ」(税込410円)などのキッシュや、「タルトショコラ」(税込300円)などの洋生菓子まである。
 キッシュは、定番メニューと、季節の食材を使ったメニューと合わせて常時6種類ほど揃い、全部で1日100個売れる人気商品となっている。
 「キッシュは、ほかのパンと比べて単価が高いので、最初はその価格の方が目立ってしまっていました。しかし、徐々にリピートされる方が増えてきました。これほど出るようになるとは思いませんでしたね。今では当店の代名詞と言えるほどです。種類も発売当初から倍に増やしました」(有形さん)
 キッシュの材料にもこだわっている。
 「ロースハムは1年前から自家製にし、サーモンやタラなど魚介は、半年前からチルドのままで扱うようにしました。冷凍するとドリップが出てしまいます」(有形さん)
 一方、毎日食べてもらうためにも、砂糖を使用しないで作ったという食パン「めぐみ」(税込310円)は、栃木県の有機農法で栽培する農家から仕入れる小麦粉を使用している。
 「『有機があるなら、当たり前に使うべき』という、フランスのパン職人の言葉を雑誌で目にしてから、有機食材に対する意識が少し変わりました。スタンダードなものとして使いたいと思うようになったんです。そこで主食としての食パンに有機の小麦を使うようになりました」(有形さん)
 また、2カ月前から販売しているというハード系のパン「ナチュール」(税込340円)は、県内湘南産の「湘南小麦」を使っている。そのほかの商品も、すべて、ポストハーベストの問題がないとされる国産小麦を使っている。
 「材料選びは、使っていく中で今後、意味のあるものかどうかを考えます。農家さんを応援することに繋がればという思いがあります」(有形さん)



栃木県産「ゆめかおり」を100%使用した口どけの良い食パン「パンドゥミ」(税込310円)は、優しい甘さとやわらかい食感が特長
「365日」と共通商品の「ソンプルサン」(税込220円)。グレープシードオイルを使用し、吸水率100%でもちっとした食感の食事パン
窓側の棚上段には、「パンドゥミ」(税込310円)など食パン3種類、中・下段には、「マロンパイ」(税込220円)などの菓子パンが並ぶ
手前のカウンターでは、「コーヒー」(税込280円)とパンが食べられる
入って突き当りの棚には、自家製の食材と、キッシュや惣菜パン、ハード系のパンが並ぶ
木目をベースに、白、赤、黒でまとめられた店内。POPさを取り入れたデザインだ
食べるシーンを考えて商品を開発する

 有形さんは、東京・表参道のベーカリー「デュヌラルテ」で、現在「365日」(東京・渋谷区のベーカリー)のオーナーシェフである杉窪章匡さんから教えを受けた経歴を持つ。「365日」と同時に開業した「セテュヌ・ボンニデー」は、杉窪さんが店舗のデザインやコンセプトなどを手掛けた。有形さんは、杉窪さんから誘われ、「セテュヌ・ボンニデー」のシェフに就任した。
 「『365日』とは、大きさや形など見た目だけでなく、生地自体も違いますが、杉窪さんのパン作りの考え方は身に染みています。全国からお客様がいらっしゃる『365日』に対して、当店は、地域密着型の店として、近所のファミリー層や高齢の方などに利用していただきたいと思っています」(有形さん)
 同店の商品は有形さんが開発したものだが、「365日」と共通の商品が一つある。国産小麦とグレープシードオイルを使用した食事パン「ソンプルサン」(税込220円)で、加水率100%で、もちもちとした食感が特長だ。
 有形さんは商品開発において、食べる人やシーンを想定して考えるという。
 「高齢の方の朝食にとか、夜お酒と一緒にとか、小さな子のおやつとしてとか、色々考えます。そうした食シーンによって、味だけでなく、形や見た目が決まってきます。また、食べ方によっても変わります。いろいろな食べ方を試してみて、もしスライスした方がいいと分かった商品は、スライスしやすい形に変えたりします」(有形さん)
 最近、形を変えてリニューアルした商品は、「パンオノア」(税込210円)。丸形から長方形にし、スライスしやすい形にした。POPでも、スライスすることを勧めている。
 食べる人やシーン、食べ方まで考えることで、同店の商品はさらに磨きがかかっていく。

SHOP DATA
店名:セテュヌ・ボンニデー
住所:〒214‐0014 神奈川県川崎市多摩区登戸1889 今野ビル1F
電話:044‐931‐6910
営業時間:午前7時半〜午後7時
定休日:火曜
品揃え:60〜65品目
スタッフ:製造3〜4人、販売1〜2人
店舗面積:厨房1階は約3・3坪、2階(トイレなど含む)は約5・1坪、売り場3・3坪
日商:平均25万円



レジ横の小さな冷蔵ショーケースの中には、洋生菓子、サンドイッチが並ぶ



この記事の読みどころ

●内装外装は、「ベーカリープラスアルファ」の部分を重視。
●スタンドバー形式のイートインを設置。
●品揃えは幅広く、しかも各分野でこだわりを盛り込む。
●具体的な食シーンを思い浮かべ、そのシーンで食べやすいパンを作る。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら