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| 特集/2002年11月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ベーカリーの本音取材 - フェアの効能 徹底研究 今回は、ベーカリーのオーナーらに、フェアについて取材してみた。「フェア」のとらえ方は、ベーカリーによって様々だが、「値引きするか、しないか」が大きな関心事になっているようだ。値引きしないのが「フェア」と定義しているケースもあった。いずれにしても、目的をはっきりさせて、フェアを打ち出すことが重要だ。
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| 年に4回のフェアを開く。値引きは効果が大きい - ブーランジェリー・トースト | |
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フェアの商品は10%引きで販売
東京・豊島区のブーランジェリー・トーストは、基本的に年4回のフェアを行う。10月7日からは「秋の大収穫祭」を実施した。「かぼちゃの王冠」(180円)や「かぼちゃのマフィン」(150円)、「かぼちゃの蒸しパン」(220円)など6品目をフェア対象商品として、10%引きで販売。 店舗正面のガラスの仕切りなどに、手作りの告知ポスターを貼り出し、店内の平台の一番目立つ場所にフェア対象商品を陳列している。 オーナーの土屋正博さんは「あるテーマで商品を選択し、新商品も投入して、ポップなどで演出するだけでは、お客様の関心をなかなかひけません。試食を提供してもいまいちです。やはり、多少でも値引きをすると反応がダイレクトに返ってきます」と話す。 フェアのテーマは、その時々によって様々だ。夏には、カレーパンフェアやサンドイッチフェアなどを催し、「イタリア年」の年にはイタリアのパンを集めたフェアを開いた。 月2回の金券贈呈。その効果は確認済み 同ベーカリーでは、約半年前から、毎月1日と15日の2回、購入金額に応じて金券を贈呈するサービスを始めた。購入金額が500円以上1000円未満の客には250円の金券、1000円以上1500円未満の客には500円の金券、といった具合に、500円ごとに区切って金券の額を上げていく。金券の使用期限は、次の金券サービスを実施するまでの約15日間。出した金券の約80%が実際に使用されるという。 「値引きすることに対する抵抗感は確かにあります。最初は不安もありました」と土屋さんはいう。しかし、ある期間実施した後に、売上に対する原価率を正確にはじき出してみたところ、3%程度しか上昇しておらず、売上の伸びを勘案すると「メリットあり」の結論に達した。 「フェアにしても金券の贈呈にしても、その目的には、お客様に、これまでに買ったことがないパンの味を知ってもらうこと、それと新規のお客様を獲得することなどがあると思います」 |

| 品切れは絶対に起こさない。フェア商品は普段の8倍売れる - パンリコ 売れ筋商品を2割引で販売
大阪のベーカリー、パンリコは、毎年春と夏に2週間のフェアを開催する。フェアといっても、季節を打ち出したり、年中行事にからめたりするものではない。半年間で最も人気のあった商品6〜7品目を選んで、2週間のあいだ、 1日1品目ずつ順番で、2割引きで販売するのだ。フェアの期間が2週間なので1品目について、2回値引き販売することになる。 「フェア期間中、それぞれの日の対象商品は、普段の7〜8倍の量を作ります」とオーナーの山獲再鵑気鵑呂いΑが トレー3つ分のスペースに山積み 狙いははっきりしている。同ベーカリーの人気商品を、より多くの人に味わってもらうことだ。フェアに出す商品のいくつかを同ベーカリーの看板商品に育てたいという思いもある。 フェアの告知方法は新聞の折り込み広告が主体。それとフェアの前に店頭でチラシを配る。 各日のフェア対象商品は、中央の平台の、入り口に最も近い場所に、トレー3つ分のスベースをとって、山積みにする。1日5〜6回は焼成し、焼き上がるたびに一気に並べる。各焼き上がり時間には、前回に並べた商品の7割はなくなっているという。 山積みにされた商品の後方には、手書きの大きなポップを立て、イラストを効果的に使って、商品の説明をする。通りに面したガラスには、1メートル×1・5メートル程度の大きなポスターを貼る。スタッフの手作りだ。 顧客に迷惑をかけない範囲で 同ベーカリーは、スタッフを▼菓子パンチーム▼食パンチーム▼店内環境チーム▼お客様対応チームの4チームに編成していて、フェアに出す商品の選定は、菓子パンチームが担当する。菓子パンチームが、フェア前の半年間における各商品の売れ行きを調べ、スタッフからのアンケートも勘案して、10品目を候補として選び出す。最終的に山��さんがその中から6品目を選ぶ。 山��さんがフェアを行うに当たって最も注意しているのは、「お客様に迷惑をかけないこと」だ。「もし、製造が追いつかなかったりして、フェア目当てに来てくださったお客様がフェアの商品を買えなかったら申し訳が立ちませんし、店にとっても大きなマイナスになりますから」と山��さんは話す。 最終的にフェアに出す商品を決める際に、大きな基準のひとつとなるのは、製造効率がいいことだ。大量に作らなくてはならないため、極度に手の込んだ商品は、たとえ人気商品でも除外することもある。 品切れは絶対に起こしてはならない、という強い意思が働いている。 「現在のウチの力ではできないようことはやってはいけないと思います。結局お客様に迷惑をかけてしまって、店の信用を落としてしまいますから」と山��さんはいう。 フェアに出した各商品については、フェア期間中の売上は当然上がるが、フェアが終わったあとの売上も毎年2割程度上がっているという。連続してフェアに出される商品も多く、現在までのところ、そうした商品は毎年少しずつ確実に売上が上昇しているという。 |
| フェアは年4〜5回、パン祭りは年2回、春と夏に - ムッターローザ | |
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フェアでは値引きしない
リテールチェーンのムッターローザは、全店統一のフェアを年4〜5回行う。季節に関連したテーマが多いが、「ターキーサンドイッチ・フェア」など、季節と関連しない場合もある。いずれの場合も、必ず新商品を投入する。目的は「新規顧客を獲得することと、既存顧客の来店頻度を高めることの2つ」(同ベーカリー担当者)だ。新商品を打ち出すことで、店舗の雰囲気を盛り上げ、客の購買意欲を刺激する。値引きはしない。 同ベーカリーは、こうしたフェアのほかに、春と夏に、全店でいっせいに「パン祭り」を行う。期間は4〜5日で、このときはすべてのパンを20%引きで販売、普段の1・5倍の来店客があるという。 値引きは年2回のパン祭りで 「値引きすると、反応は大きいですね。初めて来店した顧客に値引きセールが終わっても引き続き来店してもらうようにするのが目的ですが、そのためには普段から充実したサービスを提供していなければなりません。客単価を伸ばすのはかなり難しいので、来店客数を増やす努力をしています」と同ベーカリーの担当者はいう。 ただ、値引きは、頻度が高くならないように注意している。「当然利幅が減るし、セールのときしか来なくなってしまいますから」と同担当者。 デニッシュがずらりと並ぶ 取材時には、「デニッシュパン・フェア」を開催中だった。同ベーカリーの三軒茶屋店では、「フィグデニッシュ」(130円)や「ポワールデニッシュ」(180円)などの新商品を、入り口近くの平台にいっぱいに陳列し、販促に努めていた。 三軒茶屋店のスタッフのひとりは、「この辺は学生など若い人が多いので、デニッシュフェアは効果的です」と話していた。 |
| 専門家はこうみる - フェアの効能 徹底研究 | |
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フェアを行なうことでいろいろと考えることが大きい - レーブの橋本泰之氏
季節商品をあらかじめ決めておく フェアは、年間を通して計画的に行うべきだと思っている。年4回でも、年2回でもいい。もちろん毎月やってもいい。テーマはやはり「季節」がいいと思う。 例えば、年4回フェアをやるとしたら、春夏秋冬の季節商品をそれぞれ決めておいてもいい。毎年同じ季節に同じ季節商品を打ち出したフェアを繰り返したとしても、季節ごとに新しい商品が出ているという印象になる。 季節が終わってその商品を出さなくなったとき、お客様から「あの商品はないのですか」と聞かれても「あの商品は材料が本当においしい時期だけのパンなんです。また来年の旬の時期が来たら作りますから」と説明できる。 春夏秋冬の各フェアで、半分は同じ商品で、半分は新しい商品ならなおいいと思う。 テーマをはっきり打ち出す フェアを行う場合、テーマをはっきりと決めてやることが重要だ。ただ単に「春のパンフェア」というより、「春のいちごパンフェア」「夏のスタミナパン祭り」などと、季節に関連付けた具体的な商品を打ち出した方が効果的だと思う。毎月フェアを行うのら、「メロンパンフェア」など、直接季節と関連付けないフェアも挟んでいくのも手だ。 いずれにしても、テーマをはっきりと意識すれば、どんな商品を打ち出したらいいか、どうやってお客様にアピールしたらいいか、どんなポップを作ったらいいか、などさまざまなことを考えるはずだ。店の活性化という意味で、そのことが最も大きいと思う。 当然お客様に対して、常に変化を楽しんでもらえるという意味で店の活性化につながる。 商品は、基本商品、戦略商品、季節商品、地域商品の4つに分類できる。フェアに最も向いているのは季節商品だ。 フェアと売り出しを区別する フェアは売り出しとは区別して考えるべきだ。売り出しの場合は、値引きをするが、フェアの場合は値引きをする必要はない。フェアでお客様への還元を考えるなら、例えばパン袋などの景品を出した方がいい。 売り出しの場合は、既存の商品(基本商品)の味を多くのお客様に知ってもらうという意味をこめて行う場合が多い。 開店時の売り出しにも、同じ意味がある。 私が以前関わっていたベーカリーでは、毎月フェアを行っていたが、新商品を投入するという意味もこめていた。毎月開発する新商品を打ち出したフェアという意味合いが強かった。 催事と祭事を区別 - パンワールドの高橋秀尚氏 フェアは地域貢献の手段 アメリカでは、「催事」と「祭事」を区別している。「催事」は、ベテランズデイ(退役軍人の日)やコロンブスデイ(コロンブス記念日)など、宗教と直接関係がない年中行事のことで、「祭事」はクリスマスやハロウィーンなど宗教由来の年中行事のことだ。 アメリカのベーカリーは、催事と祭事にからめて、さまざまなフェアを行うが、その目的が日本の場合と違う。 アメリカでは、地域社会(コミュニティー)に貢献することが地域に根ざした商売をするため必要条件とされ、ベーカリーも例外ではない。 ハロウィーンやクリスマスなどの時に、コミュニティーのいろいろな団体が企画する催しなどにハロウィーンやクリスマスなどに因んだパンやクッキーなどを無償、または格安で提供したりすることで、地域貢献の役割を果たしている。 アメリカではこうしたことが商売を繁盛させるために必要なのだ。催事や祭事は、ベーカリーが地域社会と関わるための大きな手段のひとつになっている。 クッキーが演出の手段に もちろん、店舗においても趣向を凝らした演出を行う。この場合いろいろな表現手段になるのはクッキーだ。 アメリカでは「おいしいクッキーを焼けないと嫁にいけない」といわれるぐらい、クッキーは親しみ深い食べ物で、ほとんどのベーカリーがクッキーを製造し販売している。 例えば、ハロウィーンには、サターンクッキーやドラキュラクッキーなどを作る。 アメリカでは、同一地域に、人種や価値観などが同一の人たちが住んでいるケースが多く、その意味で商売はしやすい。 |
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