アンゼリカ/みそぱん/下北沢/不動の看板商品を核に珠玉の品々

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2015年9月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


不動の看板商品を核に珠玉の品々 - アンゼリカ
駅前商店街の一角にある「アンゼリカ」。ひさしのイラストは、前店主の故林大輔さんをイメージして描かれたもの
店主の林のぶ子さん(右)と販売担当スタッフ
「カントリーグローブ」(税抜120円)。甘くなく、ふわふわの食感が特徴
ユニークな商品名の「アリオリくん」(税抜180円)と「まいたけハウス」(税抜200円)
約30年前から作り続けているドイツ風の硬焼き食パン「ジャーマンエクセラン」(税抜280円、ハーフサイズ税抜140円)。きのこのような形が特徴的
ドイツパンだけでなく幅広い品揃えで開業

 東京・下北沢の駅前商店街にあるベーカリー「アンゼリカ」は、「カレーパンスタンダード」(税抜200円)や「みそぱん」(税抜170円)が数々の雑誌やテレビに取り上げられている有名店だ。
 創業は47年前。自家製ケーキのある喫茶店として開業した。喫茶をやめ、ベーカリーとして再スタートしたのは34年前だ。3年前に他界した林大輔さんが、約30年間店主を務めた。
 大輔さんの跡を継いで、現在店主として活躍しているのは妻ののぶ子さん。のぶ子さんと大輔さんは、修業先の神戸にある老舗ベーカリー「フロインドリーブ」で出会ったという。修業を終え、「アンゼリカ」を継いでからは、大輔さんがパンを、のぶ子さんが菓子を主に担当してきた。
 「『フロインドリーブ』ではドイツのパンと焼き菓子を習得しましたが、30年前の下北沢では、ドイツパンだけではやっていけないということで、夫は、ほかのベーカリーでも3年ほど修業しました」(のぶ子さん)
 こうして、ハード系、菓子パン系、惣菜系のパンや、焼き菓子など、幅広い種類を揃えることにこだわり、客の期待に応えてきた。
 30年前から作り続けているロングセラーは、ドイツ風の硬焼き食パンとして販売している「ジャーマンエクセラン」(税抜280円)や、ふんわりした食感の白焼きパン「カントリーグローブ」(税抜120円)、「ライブレッド」(税抜340円)など。
 「ジャーマンエクセラン」からは、そのきのこのような形を活かし、ユニークな名前の商品も作っている。まいたけやホワイトソース、チーズなどをトッピングして焼き上げた商品で、その名も「まいたけハウス」(税抜200円)という。
 ユニークな名前の商品はほかにもある。甘く煮たリンゴをソフトな生地で包み、そぼろをトッピングして焼き上げた「つがるくん」(税抜180円)や、フランス生地に、にんにくを効かせたアリオリソースや卵、ブロッコリー、チーズなどをトッピングした「アリオリくん」(税抜180円)などで、ユニークなだけでなく、シンプルで分かりやすいのも特徴だ。また、覚えやすいので愛着が湧き、リピーターを獲得するのに一役買いそうだ。
 焼き菓子は、「パウンドケーキ」(税抜1100円)や「レッカーライ」(税抜240円)などのドイツの焼き菓子だけでなく、イギリスの焼き菓子である「レモンショートブレッド」(税抜240円)や、「あんずのタルト」(税抜340円)、「クルミのクッキー」(税抜160円)などもあり、幅広い品ぞろえだ。
 「焼き菓子も、ドイツ風のものだけでなく、意識していろいろなものを揃えるようにしてきました。お土産用に使ってくださる常連の方も多いですね。『レッカーライ』は、ドイツ語でおいしいものという意味なのですが、ロスになってしまった焼き菓子を、牛乳に浸してしっとり焼き上げて作ります。見習いのスタッフが多い店には、便利なアイテムだと思います」(のぶ子さん)



「カレーパンスタンダード」(税抜200円)や「カレーパン旨辛」(税抜200円)、「カレーパンスパイシー」(税抜200円)など人気のカレーパンは、陳列棚の一番上の段に並ぶ
左は揚げずに焼いた「カレーパンドライ」(税抜200円)、右は「カレーパンスタンダード」
「みそぱん」(税抜170円)は、甘めでふんわりとした食感。むきゴマが良いアクセントになっている
4段の木製の陳列棚に60品目ほどのパンが並ぶ。パンののったトレーも木目調で統一されている
パンの陳列台の向かいには焼き菓子コーナーがある。「クルミとカルダモンのスコーン」(税抜130円)などのスコーン3種類、「メープルラスク」(税抜320円)などのラスク5種類などが並ぶ
売り場奥にあるショーケースには、「パウンドケーキ」(税抜1100円)などが並ぶ
カレーパンとみそぱんは外国人にも人気

 「カレーパンスタンダード」と「みそぱん」は、大輔さんが店を継いでから、数年経って開発したという。カレーパンは、「カレーパンスタンダード」のほか、中辛の「カレーパンスパイシー」(税抜200円)、タイ料理をイメージした甘くて辛い「カレーパン旨辛」(税抜200円)、マッシュルームなどが入った「カレーパンきのこの里」(税抜210円)など、次々に開発していった。現在5〜6種類が揃い、10年以上このラインナップだ。種類が多いため、見た目で分かるよう、福神漬けやチリパウダーなどをトッピングして目印を付けている。
 「夫はカレーが好きで、自家製カレーフィリングを作るのにスパイスの調合から研究していました。赤身の牛挽き肉と、リンゴジュースがベースの味となっていると思いますが、最初の頃と比べてどんどん進化してきています。また、夏場はリンゴジュースの代わりに酸味の強い野菜のルバーブを入れて、微妙に味を変えています」(のぶ子さん)
 「みそぱん」は、客からのリクエストによって開発されたという。
 「お客様から『お茶に合うパンが欲しい』とリクエストされたのが開発のきっかけです。味噌とむきゴマを練り込んだ生地に、味噌とバターで作った甘めの生地をかぶせてアルミカップに入れて焼くのですが、そのトッピング生地が焼くときにカップのまわりに垂れると、クッキーのようなかたまりができます。常連の方には、そのかたまりをはがして食べるのが楽しみだとおっしゃる方もいます」(のぶ子さん)
 「カレーパンスタンダード」などのカレーパンや「みそぱん」、「メロンパン」は、外国人観光客にも人気だという。特に、3年ほど前から韓国人観光客がよく来店するようになり、この3商品を決まって購入していくという。そのため、外国人に人気の商品は、プライスカードの横に、英語とハングル文字による商品名の表記をしている。

サンドイッチをサービス価格で朝だけ販売

 約7年前、開店時間を早めた。午前10時だったのを、8時にした。
 「スタッフは仕込みで早朝から来ていますから、店も早くから開けようということで、2時間早く開けるようにしたんです。閉店は売り切れ次第なので、開店を早めた分、スタッフの帰り時間も早くすることができました」(のぶ子さん)
 朝は、ロングセラーの「カントリーグローブ」を使用したサンドイッチを、朝の限定メニューとして、販売している。「カントリーグローブ」は、甘くなく、ふわふわの食感で、ボリュームのある具材との相性がいい。特に、コロッケなどの揚げ物が合うという。
 サンドイッチは、「アボカドポテト」(税抜160円)や「エビカツサンド」(税抜180円)など約8種類を揃え、サービス価格で提供している。朝の時間帯に客を呼び込むためだ。
 「サンドイッチを目当てに来店されても、ほかの商品も買っていただけるのがうれしいですね」(のぶ子さん)
 サンドイッチは、朝の時間帯に売り切ってしまう。昼間も販売して欲しいとの声があるが、低価格なのも含め、あくまでも朝限定のサービスの一つとすることにこだわっている。

SHOP DATA
店名:アンゼリカ
住所:〒155‐0031 東京都世田谷区北沢2‐19‐15
電話:03‐3414‐5391
営業時間:午前8時〜売り切れまで
定休日:火曜
品揃え:パン60品目、菓子30品目
スタッフ:製造6人、販売2〜3人
店舗面積:厨房約11坪、売り場約8坪
日商:平日18〜20万円、土日30万円



この記事の読みどころ

●亡き夫の遺志を継ぎ、妻が店をさらに発展させる。
●ドイツパン、ドイツ菓子を核にしつつも、世界中のパンや菓子を揃える。
●自家製カレーフィリング使用のカレーパンが5〜6種類揃う。
●朝だけ販売するサンドイッチが客の呼び込み役になっている。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。





原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら