「希望のりんご」で陸前高田市を応援 - 一粒の麦から26(文・本行恵子) - ブランスリー電子版

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連載/2015年7月号

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「希望のりんご」で陸前高田市を応援 - 一粒の麦から26(文・本行恵子)
今年の5月に行われたりんごの木の植樹
「レフェクトワール」で行われた食事会の様子
「レフェクトワール」での食事会で震災の体験談を語る金野秀一さん
りんごの木で夢を育てる

 岩手県陸前高田市のりんご農家を支え、産業と雇用を生み出す「希望のりんごオーナー制度」がスタートしました。この制度は陸前高田市米崎町の経済復興を目的に、りんご産業による雇用や生きがいを生みだし、この地を訪れる人々との交流の場をつくる創生プランです。
 パン屋さん、お菓子屋さんがオーナーになって、畑に自分のりんごの木を植えます。苗木から育て、成木になるまで見守る制度です。春のお花見や秋の収穫体験ツアー、そして自分の木の成長を観察する企画などがあります。今年の5月に1回目の植樹が行われ、オーナーになったパン屋さんやお菓子屋さんの名札が苗木にかけられました。この木が成木となる7年後は、震災10周年です。それまで無事に成長し、赤いりんごがたわわに実り、りんごを使ったパン・菓子が誕生したら、なんと素敵なことでしょう。そんな素敵な夢を育ていけたら素晴らしいと思います。

心を一つにしてくれるパン

 パンを食べ研究する団体「パンラボ」の主宰者である池田浩明さんは、東日本大震災の当日、取材先の東京・渋谷区富ヶ谷にあるベーカリー「ルヴァン」でパンの持つ力を目の当たりにしました。
 地震の後交通手段が全面ストップした都心では、自宅に帰る手段は徒歩だけ。そんな状況の中、「会社から『ルヴァン』まで歩けばパンを手にできる」という思いを励みに歩いてきた人たちが大勢いました。店主の甲田幹夫さんの温かい歓迎にほっとしたのか、みんな笑顔になっていました。そして元気を与えてくれるパンの存在は、とても大きなものでした。
 しかしその頃被災地では、支援物資が届かず一つのおにぎりやパンを数人で分け合うという非常事態でした。池田さんは、被災地にパンを届ける計画を立てました。15店舗が無償でパンを提供し、応援してくれました。そして池田さんは「パンラボ」の仲間たちと一緒に車にパンを積み込み、まずは福島県相馬市へと向かいました。どのパンも作り手の想いがこもった逸品ばかり。受け取った人たちはとても喜んでくれました。その活動で出会った多くの人たちとは、パンを通じて心を一つにすることができました。これをきっかけにボランティアの参加人数も徐々に増え、度々東北の被災地を訪問しています。
 陸前高田市を訪れたボランティアたちは、りんご農家の金野秀一さんやアップルガールズ(津波の被害に負けず明るくがんばろうと陸前高田市のお母さんたちが作った団体)のリーダー菊池清子さんたちと出会い、親しくなりました。昨年の1月には金野さん夫妻やアップルガールズを、東京・原宿にあるベーカリーカフェ「レフェクトワール」に招き、現地の話を聞く食事会をすることができました。テレビやインターネットの画面で見た以上に重みのある金野さんの話は、その場にいた人たちの心を動かし、少しでも被災者に寄り添うことの大切さを教えてくれました。

赤いりんごは希望の灯

 りんごの名産地である岩手県陸前高田市は、東日本大震災の津波で大きな被害を受けました。多くの命が奪われ、助かった人たちも厳しい避難生活の中、明日への希望が見いだせない日々が続いていました。しかし津波のあった年の秋、奇跡的に高台のりんご畑に真っ赤なりんごが実ったのです。そのりんごは天から届いた贈り物のように被災者の心の灯となって、希望を与えてくれました。 
 被災地への訪問を重ねるうちに、池田さんたちは今後の陸前高田市の復興について考えるようになってきました。地元で就職できる産業があれば過疎化による人口の減少を抑えることもできます。物資の援助が行き渡ってきた今、地域全体が活性化する復興が求められているのです。
   ◇
 「希望のりんごオーナー制度」の問い合わせは、電話080‐1117‐1615へ。









原価計算女王
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