食感の違う多種のパンを一堂に - ブーランジェリー ナルイ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2015年7月号

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食感の違う多種のパンを一堂に - ブーランジェリー ナルイ
5坪の売り場の横には、レジを挟んで14坪の厨房がある。売り場とは対照的な明るさ
ダークブラウンの木を多用した店内。飾りパンのオブジェが温もりを感じさせる
東京・三鷹市の「ブーランジェリー ナルイ」。外からはパンが見えない造り
スタッフと共にオーナーシェフの成井宏夫さん(後列左)と妻の智江さん(前列左)
子どもの成長に伴って移転を決意

 東京・三鷹市の二車線道路沿いにある「ブーランジェリー ナルイ」。扉は、小さなステンドグラスがはめ込まれた木製で、窓は小さく、外からはパンが見えない造りだ。そのため、ベーカリーだと気付かず通り過ぎてしまいそうだが、商品説明が書かれた大きな看板と、サンドイッチのポスターが足を引き留める。
 同店は、2013年10月、7年間営業した東京・福生市から移転してオープンした。オーナーシェフの成井宏夫さんは、福生市で開業する前、全国チェーンベーカリーの「アンデルセン」に7年間勤務。期せずして、7年という期間を経て、新たな挑戦に2回踏み出すこととなった。
 「移転はもっと早いタイミングでしたいと思っていたのですが、物件探しに3〜4年かかってしまいました。移転の一番の理由は、子どもの成長に伴い、求める生活環境が変わってきたことですね。また移転前、店舗は住居から徒歩で10分ほど離れた場所にあったのですが、今は2階建て住居の1階部分が店舗になっているので、家族と一緒にいる時間を増やすことができました」(成井さん)
 成井さんには、中学1年生と、小学校3年生の2人の子どもがいる。転校するタイミングも考慮する必要があったという。
 物件は、不動産業者だけでなく、取引先の問屋や知人などから情報を集めたり、店の休みに見に行くなどして慎重に決めた。
 「駅から離れた立地なのですが、面した道路の人通りの多さ、商圏内の人口と競合店の数などから、適しているかどうか判断しました。この辺は人口が増加傾向にありますし、世代の偏りもあまりありません。移転して1年半が経ちますが、年配の方、若い女性、ファミリー層など、様々な方が来店してくださります。ただ、夏場や雨の日などは特にですが、駐車場があった方が良かったと思っています。駐車場の有無については、電話でもよく聞かれます」(成井さん)



右は発酵バター使用の「ブルーベリークロワッサン」(税込280円)、左は「高千穂発酵バターのバナーヌ」(税込280円)
自家製ヨーグルトを配合した「ヨーグルト・ライ」
食べやすい形にこだわって作った「マヌカハニとバターのサンド」
具のカレーを3日間かけて作る「天神前ビーフカレーパン」
食感の違いにこだわった様々なパンが1日に150〜160種類並ぶ
品揃えをますます豊富にしていきたい

 店内は、外観からのイメージを崩さない、ダークブラウンの木を多用した落ち着きのある空間だ。壁には、飾りパンや麦の穂が飾り付けられていて、温もりが感じられる。
 1日で150〜160種類ものパンが並ぶ売り場の広さは、わずか5坪。移転前の9坪より狭くなった。
 「売り場を狭くするのも移転目的の一つでした。狭いところに、たくさんのパンを並べることで、見た目のボリューム感を出したかったからです」(成井さん)
 売り場は狭くなったが、作るパンの種類は、移転前の140種類から10〜20品目ほど増えた。
 「ハード系の需要が思っていた以上にあるので増やしました。種類はもっと増やしていきたいですね。特に、食感の違いにこだわっています。いろいろな食感を味わうのって、楽しいことだと思うんです。夏向けには、ダッチトッピングの食感を効かせた商品を考えています」(成井さん)
 品揃えは、移転前と比べ、新たに加わったもの以外はほぼ変わっていないが、使う材料は少し変更している。
 「クロワッサンに発酵バターを使うようになったのと、国産小麦の割合を増やしました。また、材料に関して聞かれることが増えたことも実感しています」(成井さん)
 また、同店のある三鷹市ならではの商品として、三鷹市の野菜を使った「ライ麦サンド」を週替わりで用意している。
 「三鷹市は野菜を育てている農家さんが結構いるので、新鮮な野菜が手に入ります。新鮮な旬の野菜を2〜3種類調理したものに、照り焼きチキンなどを合わせてサンドします」(成井さん)
 「ライ麦サンド」に使用するパンは、「ヨーグルト・ライ」(大サイズ税込800円)で、カスピ海ヨーグルトとホシノ天然酵母を使用したライ麦パンだ。
 成井さんは、ドイツパンにもっと親しんでもらいたいという気持ちで、「ヨーグルト・ライ」と同じ生地で作った「マヌカハニーとバターのサンド」(税込260円)を開発した。週末限定で販売している。
 「食べやすいよう、生地を平たく葉っぱの形に成形して焼き上げたライ麦パンに、横に切り込みを入れ、そこへニュージーランド産のマヌカハニーを塗り、四つ葉バターをサンドしました。バターの風味と、個性の強いマヌカハニーが、ライ麦パンと相性が良いと思います」(成井さん)

料理の経験がパン作りに活かされている

 「ヨーグルト・ライ」に使用するカスピ海ヨーグルトは自家製だ。
 「カスピ海ヨーグルトは、とろっと粘りがあるのが特徴です。生地に加えることで、サワー種単独よりも、酸味を抑えたマイルドな味わいのライ麦パンに仕上げることができます」(成井さん)
 自家製ヨーグルトは、「天神前ビーフカレーパン」(税込180円)の具のカレーにも使用している。自家製ヨーグルトを入れることで、マイルドさとコクが増すという。カレーは、3日間かけて作る。
 「牛肉は2日間、ワインとローリエなどのハーブを入れた液に漬け込んでから使います。タマネギは2分の1個分を、飴色になるまで炒めて香りと甘味を出します。奇をてらわない味でしかも、風味とコクのある味のカレーにしたいと思っています」(成井さん)
 成井さんは、パン職人を志す前にフランス料理店で2年間働いた経験がある。そのときに習得した技術が、一段上のおいしさを作り出している。
 「料理で培った、素材のよさの引き出し方や味のバランスのとり方、感性などは、パン作りにおいて、仕込みから仕上げまでどんなところにも役立っています。自分にとってパン作りとは、自分のアイデア、個性、可能性を無限に引き出してくれるものだと思っています」(成井さん)

店名:ブーランジェリー ナルイ
住所:〒181‐0002 東京都三鷹市牟礼7‐1‐27
電話:0422‐26‐6035
営業時間:午前6時半〜午後7時
定休日:月曜、火曜
品揃え:約170品目
スタッフ:販売常時1〜3人、製造常時1〜4人
店舗面積:厨房14坪、売り場5坪



この記事の読みどころ

●人口が増加傾向にあり、世代の偏りが少ない立地だったので出店を決めた。
●狭い売り場にパンをたくさん並べ、見た目のボリューム感を出したかった。
●食感のバラエティーを意識して品揃えを決めている。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



原価計算女王
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