いい意味で相手の期待を裏切る - ブーランジェリー レカン - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2015年3月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


いい意味で相手の期待を裏切る - ブーランジェリー レカン
シェフの割田健一さん
昨年12月にオープンした「ブーランジェリー レカン」。玄関は共通で、建物の右側がレストラン、左側がベーカリーとなっている。厨房は地下にある
右は「コーンブレッド」(税抜900円)、左は「コーンブレッドスティック」(税抜180円)。「コーンブレッドスティック」は、焼き型に入れた状態で陳列
「ハルユタカのカンパーニュ」(税抜600円)。ハルユタカを100%使用している。ハルユタカの粒と全粒粉も配合
「ハルユタカのカンパーニュ」の断面。ハルユタカの粒が見える
「ズッキーニのクロックムッシュ」(税抜650円)。表面にパン粉がまぶされていて、ザクザクした食感が楽しめる
高級フランス料理店のベーカリー部門

 東京・中央区銀座の歌舞伎座にほど近い場所に店を構える「ブーランジェリー レカン」。フランス料理の名店「銀座レカン」などを展開するレカングループが、昨年12月にオープンした。隣り合う位置に、同ベーカリーと同時にリニューアルオープンした、同グループの経営するレストラン「ロテスリーレカン」があり、2店の玄関は共通となっている。
 入店しようとその玄関に近付くと、スタッフが扉を開け、パンを購入し終えた客を送り出していた。その対応は、ホテルサービスを思わせる丁寧さが感じられるものだった。
 店に入ると、左手すぐのところにベーカリーがある。右手奥に見える扉は、レストランへの入り口となっている。天井には、きらびやかなシャンデリアが下げられ、上品で、高級感のある空間を演出している。
 「クロワッサン」(税抜240円)や「ズッキーニのクロックムッシュ」(税抜650円)など小型のパンは、カウンターに陳列されている。ガラス板のつい立て越しに見えるようになっていて、対面式販売となっている。カウンターの奥に見える壁の一面は、飾り棚のようなつくりになっている。そこには、アンティークの時計や花瓶などとともに、「ハルユタカのカンパーニュ」(税抜600円)や「フランス産小麦のカンパーニュ」(税抜600円)など、6種類の大型のハード系のパンが並ぶ。棚は一区画ごとに照明が施されているので、パンが、より立体感を持った姿で目に映し出される。
 これらのハード系のパンとほぼ同じものを、隣のレストランでも提供している。創業40年を迎える同グループのレストランでは、これまでずっとパンのおいしさにも定評があった。そのため、レストランの顧客にとっても、同ベーカリーの開業は待ち望んでいたことだったのだ。

パンづくりは相手あっての創作活動

 同ベーカリーのシェフを務めるのは、2011年に入社した割田健一さん。
 「『ロテスリ―レカン』で提供しているパンは、オープン前からレストランのシェフと話を重ねた結果出来上がった6種類です。その中の一つ、プチリュスティックについては、レストランのシェフから、『一つは酸味が少しきいたものをお願いします』とオーダーを受けたので、酸味を強めに出しています。このように、レストランのシェフからは、このパンが欲しいというよりも、香りや食感など味わいのイメージでオーダーを受けます。料理と共に提供するという観点から、パンの大きさ、食感、香り、酸味、かたさなどを検討します。提供するパンが決定すると、そのパンを進化させていくのではなく、毎日ぶれないように品質を維持していくことに努めます。それが一番大事なので、毎日必ず食べてチェックします」(割田さん)
 割田さんは、入社する以前からも、数々のレストランでパン作りの経験を積み重ねてきた。
 「オーダーを受ける際、料理に関することに限らず、色々な話を重ねていくうちに、『こんなパンを作ってみたい』と想像が膨らんでいきます。人との会話、人との出会いが、開発のきっかけや原動力になることが多いと実感しています」(割田さん)
 「コーンブレッド」(税抜900円)は、アメリカでよくコーンブレッドを食べていたという友人の「日本ではなかなか手に入らないのよね、おいしいのに」との声がきっかけで開発した。さらに、アメリカの古本で、トウモロコシを模した焼き型があることを知って、その型を手に入れた。それで作ったのが、トウモロコシの形がユニークな「コーンブレッドスティック」(税抜180円)だ。
 「自分のパンづくりは、相手あってのことです。いい意味で相手を裏切って、驚かせたり楽しませたりすることにに、面白さとやりがいを感じます。相手の期待通りではなく、期待以上のものを作りたいんです。そのためには、相手とのコミュニケーションを大事にすることがとても重要だと感じています。現在店頭に並べているパンのほとんどは、『コーンブレッド』のように、物語性の強いものですね」(割田さん)
 割田さんは、本やテレビなどで感銘を受けるたびにメモをする習慣がある。そのメモの情報が、忘れた頃に役立つことがあるという。人との関わりだけでなく、このような習慣も、パン作りに活かしている。

ハルユタカの味を実感してもらうためのパン
 レストランでも提供している「ハルユタカのカンパーニュ」は、北海道産小麦「ハルユタカ」を100%使用することにこだわった。
 「国内産小麦だけで、しかも単一品種で作り上げたかったんです。フランス人だってきっと、日本でパン作りをしたら、日本の粉で作りたくなると思いますし、これからの時代、国内産の材料を使うことがさらに重要になってくると思います。国内産食材のおいしさを伝えるのは、作り手の役目でもあります」(割田さん)
 しかし、単一品種のみでは、味の深み、複雑さが出ず、おいしいと思えるパンに仕上がらなかった。
 「製粉した通常の粉に、全粒粉、そして、粒のそのままを使うことにしました。粒は練り込む前に茹でておきます。小麦の粒は、スープに入れるなどして、レストランの料理にもよく使うので、身近な食材の一つです」(割田さん)
 「ハルユタカ」を、粒、全粒粉、製粉した粉の3つの状態で使うことで作り出された「ハルユタカのカンパーニュ」は、単一品種のパンとは思えないほど、味に深みが出た。
 「お客様に『ハルユタカのパンね』って覚えてもらいたいんです。『ハルユタカのカンパーニュ』を食べていただければ、『ハルユタカ』の味がわかっていただけると思うんです。小麦の品種ごとの味って、単一品種のみでパンを作らない限りは、なかなか実感できないですからね」(割田さん)
 割田さんは、「ハルユタカのカンパーニュ」に、具材を練り込むなどし、いろいろなバリエーションを持たせていきたいという。
 「カンパーニュは、一般的には人気がありませんが、玄人(くろうと)受けはいいので、伸びしろはまだまだあると思います。色々なカンパーニュを提案していくことが、普及に繋がると思っています」(割田さん)
 店頭にはすでに、「赤ワインのカンパーニュと栗」(税抜350円)や「ズッキーニのクロックムッシュ」(税抜650円)などが並んでいる。
 「今は第一弾でシンプルなものを並べています。第二弾から変化させていきます」(割田さん)



カウンターと奥の棚にパンが陳列されている。カウンターにはガラス板の仕切りがある
隣のレストランで料理とともに提供するパン。右から「ハルユタカのカンパーニュ」「リュスティック」など。レストラン仕様のプチサイズだ
ハルユタカの味を実感してもらうためのパン
 レストランでも提供している「ハルユタカのカンパーニュ」は、北海道産小麦「ハルユタカ」を100%使用することにこだわった。
 「国内産小麦だけで、しかも単一品種で作り上げたかったんです。フランス人だってきっと、日本でパン作りをしたら、日本の粉で作りたくなると思いますし、これからの時代、国内産の材料を使うことがさらに重要になってくると思います。国内産食材のおいしさを伝えるのは、作り手の役目でもあります」(割田さん)
 しかし、単一品種のみでは、味の深み、複雑さが出ず、おいしいと思えるパンに仕上がらなかった。
 「製粉した通常の粉に、全粒粉、そして、粒のそのままを使うことにしました。粒は練り込む前に茹でておきます。小麦の粒は、スープに入れるなどして、レストランの料理にもよく使うので、身近な食材の一つです」(割田さん)
 「ハルユタカ」を、粒、全粒粉、製粉した粉の3つの状態で使うことで作り出された「ハルユタカのカンパーニュ」は、単一品種のパンとは思えないほど、味に深みが出た。
 「お客様に『ハルユタカのパンね』って覚えてもらいたいんです。『ハルユタカのカンパーニュ』を食べていただければ、『ハルユタカ』の味がわかっていただけると思うんです。小麦の品種ごとの味って、単一品種のみでパンを作らない限りは、なかなか実感できないですからね」(割田さん)
 割田さんは、「ハルユタカのカンパーニュ」に、具材を練り込むなどし、いろいろなバリエーションを持たせていきたいという。
 「カンパーニュは、一般的には人気がありませんが、玄人(くろうと)受けはいいので、伸びしろはまだまだあると思います。色々なカンパーニュを提案していくことが、普及に繋がると思っています」(割田さん)
 店頭にはすでに、「赤ワインのカンパーニュと栗」(税抜350円)や「ズッキーニのクロックムッシュ」(税抜650円)などが並んでいる。
 「今は第一弾でシンプルなものを並べています。第二弾から変化させていきます」(割田さん)

SHOP DATA
店名:ブーランジェリー レカン
住所:〒104‐0061 東京都中央区銀座5‐11‐1
電話:03‐5565‐0780
営業時間:午前10時半〜午後9時
定休日:なし
品揃え:パン25〜30品目、菓子約20品目
スタッフ:製造7人、販売4人
店舗面積:厨房約44坪、売り場3坪



この記事の読みどころ

●陳列したパンに照明を施し、立体感を演出する。
●人々とのコミュニケーションから、人々の期待を上回る物語性のあるパンが生まれる
●内麦粉、ハルユタカの味を覚えてもらうために、ハルユタカ100%のパンを作った。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら