ベーカリーを魅力ある職場にするための努力 - クラブ・ド・サントノーレ講演会 - ブランスリー電子版

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ブランスリー新聞/2015年1月号

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ベーカリーを魅力ある職場にするための努力 - クラブ・ド・サントノーレ講演会
ベーカリーを魅力ある職場にするための様々な努力について語る朝倉氏
 クラブ・ド・サントノーレ(宮本優子会長)は10月16日、東京・港区高輪にある「ブーランジェリーセイジアサクラ」のオーナーシェフ、朝倉誠二氏を講師に迎えての製パンセミナーと講演会を行った。
 朝倉氏は、パン業界に入ってから今日に至る経緯と、ベーカリーを立ち上げて運営してきたなかで培われた経営のコツなどについて話した。以下は講演内容の要約。

アルバイトから始まったパン職人としての人生

高校時代に地元徳島のベーカリーでアルバイトしたことが、業界に入ったきっかけだ。その後その店に就職し、いろいろな体験をしてきた。2001年に観光ビザでフランスに渡り、パリ市内のパン屋で見習いをしながら正社員として働けるよう努力してきた。ビザが切れると日本に戻り再渡仏するということを繰り返しながら、「フリュート ガナ」で有名なベルナール・ガナショー氏やエリック・カイザー氏と出会った。新店舗「エリック・カイザー」の立ち上げに関わり、正社員として働き3年後に帰国した。日本では油脂メーカーに入社し、商品開発、コンサルティングの仕事に携わり、独立を目指した。そして2008年に港区高輪に「ブーランジェリーセイジアサクラ」をオープンした。油脂メーカーに在籍したお蔭で、大手ベーカリー向けの資材の扱いや使い方なども知ることができ、視野が広がった。そしてリテールベーカリーが抱える様々な課題について考えてきた。実際に自分の店を開店し、初めて知るリテールベーカリーの厳しい現実の中で、どうしたら生産性を上げることができるのかの糸口が見えてきた。

「レディートゥーベイク」が鍵に

 その解決策は、生地作りにある。今日は3つの生地から、効率よく多品種のパンができる製法を紹介する。
 今日紹介する製法は、レディートゥーベイクといわれるオンタイムで焼きたてパンが提供できるシステムだ。大手がチェーン展開していくうえで必要になる製法を、リテールベーカリーにも取り入れ効率化させた。
 この製法は生地を作る時、イーストにレーズン、ビール、ゆずなどから作った自家製酵母の種を加え、長時間冷蔵発酵させ、分割し、ベンチタイムをとり、成形した後、ホイロをとり、その後焼成しないでリターダーに入れ保管し、窯入れ前に仕上げ作業をするという、従来のホイロ後にすぐに焼成するという概念を変えた製法だ。一括生産することで時間短縮ができる。成形した生地にトッピングを施したり、成形した生地でフィリングを包んだりして、例えばフォカッチャ生地の場合、10種類以上のパンができる。
 必要に応じて焼成すれば、店頭に常に焼きたてのパンを並べることができる。ドライフルーツ、ハム、ベーコン、チキン、オリーブオイル、チーズなどの原材料は、吟味したものを使い具材の豪華さが魅力で売れるものも多い。原価率が35%ぐらいまでは、よしとしている。生地にレーズン、ビール、ゆずから起こした自家製酵母を使うことで、オリジナルの風味を出すことができる。この酵母は水の中で培養することで、アルコール発酵のフレーバーと甘さを残した種になる。1日平均300個以上売れる「チーズカレー」は、レーズン種を入れたフォカッチャ生地で作る。サイコロ状にカットしたグリエールチーズを包み成形後ホイロに入れ、その後リターダーで保管、朝一番の窯入れ作業の段階で、カレーフィリングをたっぷり包みトッピングにシュレッドチーズをかけ焼成する。「チーズカレー」を常に焼きたてで提供することで、購買意欲を刺激し売上増に繋げることができた。

ベーカリーが魅力ある職場になるためには

 現在社員4人、契約社員1人、パート2人で運営している。労働時間の短縮と効率の良い生産をめざし、給与、休日とも一般企業並みに近づいてきた。今年はそれぞれ1週間の夏休みを取り、リフレッシュできた。仕事は全員が製造も販売もでき、チャンスロスがないよう配慮して動いている。新人とキャリアのあるスタッフが組んで、効率よく作業を進めるコツを教えている。
 指導されていた人が次は指導する立場になることで、モチベーションが上がり、店全体の雰囲気にも活気が出る。今日の講習会も入社2年目と1カ月目のスタッフを助手に連れてきたが、店以外での仕事を経験することは大事だと思う。
 早朝勤務なので店の周辺に住むスタッフのために、電動自転車を貸出し通勤に使ってもらっている。年間の交通費を考えると、無駄がなく自由に使ってもらえば、喜ばれる。
 自分は20代でフランス行きを決めたが、パンの世界は、自分の店の開業を目指したり、世界に羽ばたくパン職人を目指したりする人も多く、夢がある。スタッフがやりたいことを見つけたら、いろいろアドバイスしたい。
 今の店が安定したら、自分はパリの15区か16区あたりに店を出すことが夢だ。そしてパリのバゲットコンクールに出たいと考えている。







原価計算女王
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