記事の閲覧
| <<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
| 特集/2015年1月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 元気が出るベーカリー
|


| 2014年は前年比110%を達成 - サンセリテ | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
|
テレビで紹介され、固定客が増えた
埼玉県狭山市の繁盛店「サンセリテ」は、ここ数年売上が上がり調子だ。特に、2013年にテレビで取り上げられて以後、好調だという。2014年は前年比110%の売上だった。 「テレビや雑誌などによる直接的な影響は、長くても2カ月ほどしか続かないものです。でも今回は、放送後に伸びた売上は減ることがなく、1年以上経過した現在もずっと好調です」(オーナーシェフの高田知明さん) 放送された商品は、同店の看板商品「天熟食パン」(税込276円)だ。多いときは1日500個以上売れる。 「おそらく、もし菓子パンだったら、1回食べて満足されてしまうお客様もいたかもしれません。主食である食パンであったからこそ、リピーターが増えたのだろうと思います。当店のお客様は車で来店する方が多いので、テレビを見たのがきっかけで、遠方から通ってくれる方がさらに増えたのではと思います」(高田さん) 消費税が上がった際、内税から外税表記に変更し、商品価格は平均して実質10%ほど上げた。しかし、売上は好調なままだという。 商売は客にサービスを提供すること 同店は今年、夏期も好調だった。同店周辺は、市内でも特に高齢化が進んでいる地区だが、子ども連れの集客に成功した。 夏休みの企画として、小学生以下の子どもに、ジュースかおもちゃが当たる福引イベントを実施したのが功を奏したそうだ。 「高齢化が進むと同時に、夏休みの売上が下がる一方だったので、イベントを企画しました。2013年に初めて開催したところ、とても好評だったので、今年は、本当は夏でやめる予定だったのですが、冬も続けていこうと思っています」(高田さん) 高田さんは、この企画を夏対策のためだけでなく、客にサービスしたいという思いを込めて企画したという。 「商売はサービスです。例えば、天候不順などでキャベツが不足したとしたら、お客様も、『今キャベツが高い』ということは十分承知です。そんなときに、逆にコロッケサンドのキャベツを、サービスの意味でいつも以上に増やすんです」(高田さん) サービス精神を旺盛にすることで、一時的には損するかもしれないが、結果的には、サービスを受けて喜んだ客の再来店に繋がる。 社員教育も兼ねて2号店開店を計画 高田さんは2015年に、都内に2号店の出店を計画している。 「当店で働くスタッフは、独立希望者が多く、これまでに何人も独立開業しています。開業するにあたっての、準備から経営を軌道に乗せるまでを、これを機会に実際に見て、経験してもらいたいと思っているんです」(高田さん) 同店は35年前に高田さんの父が開業。そして25年前、高田さんが継いだ。 「継いでから10年以上売れなくて苦労しました。そんな状況から、なんとか抜け出すことができて、今があります。何も知らずに頑張り続けても、なかなか軌道に乗せるまでいかないものです。だから、自分の経験をもとに、『こうしたら利益が出るよ』と、スタッフに教えてあげたいと思っています」(高田さん) 店名:サンセリテ 住所:〒350−1304埼玉県狭山市狭山台3‐11‐2 電話:04‐2957‐8934 営業時間:午前7時〜午後7時 定休日:水曜 品揃え:90品目 スタッフ:製造8人、販売4人 店舗面積:売り場12坪、厨房30坪 日商:70万円 |
|||||||||||||||||

| 「総合力」で感動や「ワクワク」を伝えたい - プチ・アンジュ | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
|
日常生活の楽しさを提案する
東京・国立市にあるベーカリー「プチ・アンジュ」では、従業員教育の一環で定期的な視察旅行を行っているという。 「うちだけの殻に閉じこもるのではなく、色々な視点で他店の様子も見て、通常の業務に活かして欲しいと思っています」とオーナーシェフの津金一城さんは話す。取材日の翌日からも従業員3人が一泊二日で仙台旅行に行く予定だった。旅行は他店の従業員と一緒に行くこともある。 「同じものでも自分たちとはまた違う視点で見ていると知ることができます」(津金さん) 各地域で評判の店舗を視察することが多いが、そういった店は商品のみならず、接客や店づくりなどを含めた「総合力」があるのだという。同店も、この「総合力」を大切にしている。来店客に感動やワクワクするような楽しい気持ちを感じてもらう事が必要なのだという。 「当店のパンを購入したお客様が『あの店で今日はこんなパンを売っていた』などと言って、話のネタにしてくれたりしたら嬉しいですね。パンを通してお客様の日常生活を楽しくできればと考えているんです」 商品にメリハリをつけたオペレーション 4月の消費税増税の際は、原料高騰を理由とした値上げは行わなかった。原料高騰による値上げであるという説明をする手前、増税時の便乗値上げは避けたのだ。需要が落ちる6、7月頃の値上げも避け、タイミングを見計らい1月と9月の2回に分けて一部商品のみ値上げを行ったという。 「原材料の高騰は確かに厳しかったですが、その分、定番商品のブラッシュアップには力を入れました。原価を抑えても商品の品質は落とさないようにするために、製法の工夫を施しリニューアルを行ったのです」(津金さん) 例えば、クロワッサンは折り込みの層数を変える事でザクザクの食感とバターの風味をアップした。 同店は現在、全体で約100品目ほどの品揃えだが、戦略的に売っていく商品を増やしたいという。 「2015年の課題の1つですが、商品のメリハリをつけたオペレーションを心掛け、上位商品をタイミングよく出せるようにしたいですね。今後はさらに既存商品の深堀に力を入れたいと思っています。売れ筋の定番商品がある程度固定すると効率も良いし、安売りしなくても売れる商品も増やしたいと思っています。原価は多少押さえたとしても、人件費は削りたくありませんから」と津金さんは話す。 従業員の教育環境の見直しも課題の1つだ。週休2日は原則として守っているが、2015年中には、従業員の労働時間短縮を実現したい。また、皆それぞれ、新しいことにも挑戦して欲しいという。 「視察旅行で見聞きしたものが、良い刺激になればとも思います。先日も視察旅行でハンバーガーショップを見学する機会があったのですが、商品の見せ方などで思わぬ発見や驚きがあったようです」(津金さん) 店名:プチ・アンジュ 住所:〒186‐0003東京都国立市富士見台2‐45‐9‐1F 電話:042‐505‐4104 営業時間:午前7時〜午後7時 定休日:木曜 品揃え:約100品目 スタッフ:製造7〜8人、販売3〜4人 店舗面積:売場16坪、厨房30坪 日商:平日約45万円 土日約70万円 |
|||||||||||||||||
| アンテナを広げることで店が成長する - ヒンメル | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
|
直感で決めた2号店の出店
東京・大田区の東急大井町線、大岡山駅近くのベーカリー「ヒンメル」は2014年9月3日に2号店の恵比寿三越店をオープンした。場所は恵比寿ガーデンプレイス内にある三越地下2階の食品売場の一角。本店は20坪ほどの広さでドイツパンを中心とした様々なパンを70品目ほど販売しているが、2号店は広さ5坪で30品目ほどの商品を展開する小規模店だ。 オーナーシェフの金長暢之さんは、三越の関係者から話が来るまでは、2号店を出すことは全く考えていなかったという。 「それより大岡山でさらに地盤を固めていく必要があると思っていました。でも話が来た時、何故かこのチャンスを逃してはいけないと思ったのです」(金長さん) 金長さんが三越から話をもらったのは2014年7月28日。その4日後にはもう返事をしたそうだ。「本当に直感ですね。条件に無理がなかったのもありますが」と金長さんは話す。あまり頭でっかちになり過ぎず、自分の経験や勘を頼りに決め、自分が決めた事はとことん貫き通すという金長さんらしいこのスタイルで、話はトントン拍子に進み、決まってから僅か約1カ月での開店となった。 2号店の主な客層は近隣の会社員やOLなど。恵比寿という土地柄、高級志向の店や他の有名べーカリーなども乱立しており、競争も激しい。一方、大岡山の本店は駅の近くとはいえ、静かな住宅街の中にあり、客層も近隣の主婦といった常連が多い。 「当店のことをまだよく知らない新しいお客さまに食べてもらっています。その緊張感がスタッフに良い影響を与えていると思います」(金長さん) 2号店専属の社員も製造と販売で1人ずつ常駐させ、パートも新たに6人ほど採用した。商品は大岡山本店で出しているものを絞り込んだ。利益率は決して高くないが、最大のメリットは、恵比寿には広く色々な所から人が集まるので、恵比寿三越店への来店が、本店に興味を持ってもらえるきっかけとなることだ。 「競争も厳しいですが、当店をよく知ってもらう事で棲み分けができると思いますし、本店では聞けないような意見や要望への対応などをしていると勉強になります」(金長さん) 「接客」で「滞在時間」をのばす 2014年4月の消費税増税のときは、原料高騰等で負担だった分も含めて価格改定を行ったが、売上は改定前と同じ2割増で推移し続けたという。「増税より、原料高騰による粗利益圧迫のほうが大変でした」(金長さん) そこで同店の2015年の大きな目標の1つに、来店客の「滞在時間」をのばすということを掲げた。店の特色や商品を伝えるため、やはり「会話」が必要だとの考えからだ。 「世間話をして、店や商品のことについて説明します。笑顔で話して接し、お客様に楽しい時間を過ごして頂きたいのです」(金長さん) 客の「滞在時間」がのびれば一人当たりの購入数も増え、利益率の高い商品も売れるようになるかもしれない。しかし、それ以上に客との交流を深める事が店として大切なのだという。 「スタッフには 『販売』ではなく『接客』という職種だと認識してもらいたいですね」(金長さん) どうやって満足してもらい、楽しんでもらうかを常に考え、もてなす気持ちが第一という。 店名:ヒンメル大岡山本店 住所:〒145‐0062東京都大田区北千束3‐28‐4 電話:03‐6431‐0970 営業時間:午前7時半〜午後7時半 定休日:火曜 品揃え:70品目 スタッフ:製造2〜4人、販売1〜2人 店舗面積:厨房11坪、売り場8坪 |
|||||||||||||||||
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。






















