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| お店拝見/2002年12月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パンの第一印象 - ラ・ブランジェリー・ピュール | |
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東京・目黒区に、「パンがとり持つ縁」を大切に考えているベーカリーがある。ラ・ブランジェリー・ピュール。さり気ない熱心さは、顧客に心地よく受け入れられ、同ベーカリーに対する親しみと安心感を育んできた。作り手と買い手のこうした関係は、互いの自然なやり取りを促し、同ベーカリーの個性的な雰囲気と品揃えを生み出した。
住所 東京都目黒区五本木3-25-16 電話 03−3715−7150 営業時間 午前8時30〜午後8時 定休日 水曜日 |

| 色、形、香り、音でパンの第一印象が決まる | |
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「第一印象は大事です。つまり、色、形、香り、音はとても大切なんです」
ラ・ブランジェリー・ピュール代表の梶原利之さんはこう話す。 例えば、店内中央の平台に陳列された「ブルーベリーデニッシュ」(200円)。一般的なデニッシュに比べて、高さが3〜4倍はある。 トッピングされた濃い紫色のブルーベリーが、鮮明に視覚に飛び込んでくる。 その隣の「クリーム焼きりんご」(160円)も、りんごが放射状にトッピングされていて、かなり印象的だ。 同じく平台に並べられた「自家製カレーパン」(180円)。ほぼ球体に近い形が、多くの来店客の心を捉える。 「特にデニッシュ類は、見た目の華やかさを出すように心掛けています。ケーキ感覚のパンという感じですね」と梶原さんは説明する。 香りも打ち出している。同ベーカリーの正面の壁には、「排気口」が2つついているが、実は「オーブンからのパンの焼けた香り」がここから排出されるようになっているのだ。 「音」を演出するのが最もむずかしい。 梶原さんは「なるべくお客様が多く来店する時間帯にフランスパンなどを焼き上げるようにしています。それと、販売スタッフがパンを売り場まで運ぶより、製造スタッフが運んだ方が効果的だと思います」と話す。 |

| 子供の頃からパンが好きだった。主食としてのパンに惹かれた | |
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梶原さんは、子供の頃からパンが好きだった。母親が作るバターロールを食べるのが、楽しみだった。
一家はカーテンの製造業を営んでいて、母親が忙しいときなどは、梶原さんが料理を作ることもあった。 「ものを作ることがとにかく好きでしたね」と梶原さんは振りかえる。 高校生のとき、ベーカリーでアルバイトをした。パン職人の作業の速さと正確さに驚き、感動した。「パン職人になって、ベーカリーを開きたい」と思った。 パンの専門学校を卒業したあと、4軒のベーカリーで修業を重ねた。 紀伊国屋インターナショナルのベーカリー部門にパン職人として3年間勤務。世界各国のパンを作り、飛ぶように売れていくのを目の当たりにした。「おやつとしてのパン」ではなく、「主食としてのパン」に強く惹かれた。 |

| グリーンとクリーム色。インテリアはほとんどが特注品 | |
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1999年2月、ラ・ブランジェリー・ピュールをオープン。
東急東横線・学芸大学駅から徒歩およそ5分の駒沢通り沿いにある。通りに面した、温か味と重厚感のある煉瓦の外壁が印象的だ。 その外壁には、それぞれ太陽と、パン職人が描かれた2つのオーナメントがとり付けられている。梶原さんが自らデザインした苦心作だ。 インテリアは、グリーンとクリーム色の組み合わせでまとめている。鉄製の陳列棚は、梶原さんが、スケッチを描いて、特注で作らせたものだ。渋いグリーンに塗られていて、パンの温か味のある茶色との対比が鮮やかだ。 壁には、メキシコ製のタイルを1枚1枚貼った。淡いクリーム色。「微妙に不揃いなのが、また味わい深いんですよ」と梶原さんは笑う。 鉄製の陳列棚以外は、藤籠、床など基本的に渋い茶系の色。緑と茶の鮮烈な対比を、内壁の淡いクリーム色がやさしく包み込んでいる、といった感じだ。 |

| 顧客に食べてほしいパンと顧客が作ってほしいパン | |
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同ベーカリーのフランスパンは、低温長時間発酵法で作る。ドライイーストを0・1%配合して、12時間フロアタイムをとり、さらに冷蔵庫で一晩発酵させてから分割する。
オートリーズ法などいろいろな製法を試したが、この方法が最もおいしいフランスパンができる、という結論に達したのだそうだ。 「皮が厚くならず、気泡の感じもよくて、美しいクリーム色の内層になります。お年寄りの方でも食べやすいしっとりとした感じにもなります」と梶原さんはいう。 一方で、「パン職人として自分がお客様に食べて欲しいパンと、お客様がパン職人に作ってほしいパンは、一致しないこともしばしばです」ともいう。 同ベーカリーの開店当初の品揃えは、フランスパンやドイツパンなどのハード系と、デニッシュなどのヴィエノワズリー、そして食パンだけだったという。 現在は、あんパンやメロンパンなどの菓子パンも作り、品数もかなり増えた。 自分が提案したいパンと、顧客の「こんなパンもほしい」という声に応えたパンが混在しているといった感じ。 しかし、不思議と違和感はない。 「お客様に満足してもらうことが究極的な目的」(梶原さん)という強い思いがあるからだ。 |
| 全粒粉をたっぷりと配合 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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全粒粉山食
全粒粉をたっぷりと配合した食パン。1斤350円。 【前処理材料配合%】
【前処理工程】 グラハム粉と塩を熱湯に入れてやわらかくしてから室温でもどす。 【配合%】
【工程】
※ドライイーストは予備発酵させる=(1)重量比で5倍の量のお湯(39〜40度C)の中に入れ、同じく重量比で5分の1のグラニュー糖を加えて8分置く(2)[1]を攪拌してさらに8分置く。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 試行錯誤を重ねた結果たどりついた自信作 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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バゲット・ナチュール
低温で長時間発酵させて作るバゲット。クラストがパリッとしていて、クラムがしっとりしているのが特徴。様々な製法を試し、試行錯誤を重ねた結果たどり着いた梶原さん自慢の製品だ。ライ麦粉を10%配合する。250円。 【配合%】
【工程】
※ドライイーストは予備発酵させる=(1)重量比で5倍の量のお湯(39〜40度C)の中に入れ、同じく重量比で5分の1のグラニュー糖を加えて8分置く(2)[1]を攪拌してさらに8分置く。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 地道に提案してきたライ麦パン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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フォルコンブロート
梶原さんが地道に提案してきたライ麦パン。「薄くスライスして、いろいろな食材をのせて食べてください」と顧客に勧めている。 【サワー種配合%】
【サワー種工程】
【前処理材料配合%】
【前処理工程】 全材料を合わせ、やわらかくしてから室温で冷ます。塩は押麦とグラハムの発酵を止めるためと、雑菌の繁殖を抑えるために配合する。 【本捏ね配合%】
【本捏ね工程】
※捏ね上げ後、すぐに分割し成形する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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