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| 連載/2014年9月号 |
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| 組織を作り、リテールの課題に挑戦 - 一粒の麦から21(文・本行恵子) | |
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仏での修業を経てオーナーシェフへ
大阪・天王寺区にある「ブーランジュリーパリゴ」のオーナーシェフ、安倍竜三さんは、15歳でパン業界に入り、フランスパンを日本に伝えた故レイモン・カルヴェル氏の弟子である福盛幸一氏(福盛パン研究所代表)の元で修業しました。その後兵庫県芦屋市の「ビゴの店」、福盛パン研究所が運営するパン工房「青い麦」を経て、大阪、奈良の「パン工房麦の花」の立ち上げにも関わり、福盛氏の勧めでフランスに渡ります。3カ月の研修を受けた後一時帰国し、語学学校の留学ビザを取って再度フランスに行きました。レイモン・カルヴェル氏の弟子であるジェラール・ムニエ氏、ジャック・タピオ氏、ティエリー・ムニエ氏のもとで修業を重ね、さらにルーアンの国立製パン学校(INBP)に入学しました。 そこでは将来フランスに店を出す考えもあったので、フランスでの開業に必要な製パン技術の基本や衛生学、労働法などを学びました。そして在学中に、パン職人のCAP(職業適性証)とBEP(職業教育修了証)を取得しました。その後日本に帰国し、2005年9月に「ブーランジュリーパリゴ」をオープン。毎日の食事に欠かせないフランスパンと食パンを充実させ、地元の固定客をしっかり掴んでいます。 パンの世界コンクールに挑戦 私が安倍さんに初めてお会いしたのは、2005年の2月に行われたモバックショウの会場だったと思います。パンのワールドカップ「クープ・ドュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」の日本代表を決める選考会に出場し、試合以外の日には熱心に選手たちの動きを見ていた姿が印象に残っています。 その後2007年の選考会にも進出し注目を集めました。そして世界杯への挑戦はさらに続きました。リテールベーカリーの頂点を目指す世界大会「モンディアル・デュ・パン」の日本代表選手として、2011年、2013年と2回連続出場しています。 決勝会場でのトラブルに遭遇してしまい、入賞はできませんでしたが、その体験から学び、精神面でも技術面でもたくましいオーナーシェフになっています。 リテールベーカリーが抱える諸問題 開業から来年10年目を迎える安倍さんは、店を経営する中で様々な問題に直面してきました。人材育成の難しさと人材不足、原材料の高騰と品不足、コスト削減と経営の効率化、多様化する消費者のニーズへの対応、労務管理など。毎日身を粉にして働いても、将来の展望が見えて来ません。親しくしているパン職人の仲間たちも、同様の悩みを抱えていました。 そこで考えたのが諸問題を解決するための組織作りでした。はじめは小さな組織でも団結力があれば、岩をも動かせます。 今目指しているのは、リテールベーカリーが中心となって組織を作り、前述の諸問題解決や、経営や法律の相談、公的な機関に対して要望や申請のできる駆け込み寺のような存在です。 日本全国には大きな団体に属していないリテールベーカリーが、1万軒以上あるといわれています。関東には1都9県のパン製造業者の団体「リテールベーカリー協同組合」があり、全国には技術の研鑽や親睦、情報交換などを主な活動とする団体が数多くあります。 これらのリテールベーカリーの組織が一つとなれば、国も動かせる力になるでしょう。組織作りに賛同してくれているベーカリー経営者は、現在80人以上集まっています。 修業時代の仲間「ブーランジュリーグゥ」の東野篤さんや、神奈川県横浜市青葉区にある「ボンヴィボン」の児玉圭介さん、群馬県太田市にある「マイピア」の大村田さんも協力してくれています。年内には具体的な活動と方向性も決まり、産声を上げることでしょう。 次の世代を担い改革を目指す皆さんに、エールを送りたいと思います。 ◇ ▼問い合わせ先=06‐6774‐5087(ブーランジュリーパリゴ)、06‐6762‐3040(ブーランジュリーグゥ)、045‐983‐5554(ボンヴィボン)、0276‐22‐2200(マイピア) 本行 恵子(ほんぎょう けいこ) パンと食のライター。家庭製パン教室を10年間主宰した後、パン業界専門誌『B&C』の編集記者、編集長として勤務。16年間の在職中、日本各地のリテールベーカリーや欧米、アジア諸国を訪問し、パンと食文化を取材。現在はフリーの立場で、業界専門誌や企業ホームページでの執筆活動、業界関連団体への企画提案などを行っている。ライフワークは、パンのある食卓の提案。 |




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